2015年8月20日 (木)

子ども・被災者支援法をめぐる質問主意書と答弁書~「避難する状況にない」の根拠示さず、避難者を切捨てる政府の態度が明らかに

7月10日、復興庁が、「子ども・被災者支援法」の基本方針改定案を発表しました。
今回の改定案は、線量が低減したとして、「避難指示区域以外から避難する状況にはない」「(空間線量等からは」支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当」「当面、放射線量の低減にかかわらず、支援対象地域の縮小又は撤廃はしないこととする」した上で、福島県による自主的避難者への無償住宅提供の打ち切り方針を追認しています。
 
 
これについて、福島みずほ議員が質問主意書を出し(平成27年8月10日付け)、それに対する答弁書(8月18日付)が出てきました。
政府は、復興庁基本方針案の内容を繰り返すだけで肝心な質問にあまり答えていませんが、おおよそ以下のことを言っています(あるいは読み取れます)
  • 被災者の数の把握は行っていない。
  • 「避難する状況にない」という文言を削除するつもりはない。
  • 具体的な避難者支援は何一つ示していない。
  • 積算線量は評価していない。
  • 放射線管理区域に子どもが生活することは問題であるかどうかについては明言せず(あるいは、放射線管理区域は労働者対象なので問題ない、という趣旨か?)
  • 東日本の県別の土壌汚染の状況は、平成25年度以降のデータはない
  • 長期的な目標として年1ミリシーベルトとしているため、ICRPが勧告する参考レベルは設定しない。
  • 支援対象地域は拡大しない。
  • 健診の対象を拡大するつもりはない。
 
以下、質問主意書と答弁書を掲載しました。(青字が質問主意書、赤字は編集者によるコメント。)
(オリジナルデータは下記からご覧ください) 
子ども・被災者支援法の基本方針改定に関する質問主意書
 
答弁書
 
去る7月7日、復興庁は、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(改定案)」(以下「本件改定案」という。)を示している。しかし、福島県内外はもとより、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下「本件原発事故」という。)によって放射性物質が降下沈着した幅広い地域の住民が、この改定に際して、不安と反対の声をあげている。
 
そこで、本件改定案の内容について以下質問する。
一 本件原発事故で被害を受けた「被災者」の定義と人数を示されたい。
 
答弁書:政府としては、その人数について調査を行っておらず、お答えすることは困難である。
なお、福島県が平成27年8月12日に公表した「平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報(第1493報)によると福島県から県内および県外への避難者数は108,125人であると承知している。
 
(コメント:「子ども・被災者支援法」が支援対象としている「被災者」の数の把握は、同法実施のためには不可欠のはずである。把握していないこということは同法を履行しようとする姿勢にかけている。)
 
二、本件改定案には、「空間放射線量等からは、避難指示区域以外の地域から避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当であると考えられている」と記載されている。
 
1 「避難する状況になく」と結論づけた基準の放射線量を示されたい。⇒回答なし
 
2 「避難する状況になく」としているが、これは自主的避難に対する支援を行う必要がないという意味か。
 
3 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(以下「子ども・被災者支援法」という。)第2条第2項では、「被災者生活支援等施策は、被災者1人1人が第8条第1項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれかを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」としている。
本件改定案における、「避難する状況になく」という文言は、子ども・被災者支援法の趣旨に反するため、「避難する状況になく」は削除するべきだと考えるが、いかがか。
 
答弁書(二の1~3まで):原子力規制庁が実施している航空機モニタリングの結果に基づき推計した外部被ばく線量は、東京電力家具式会社福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という)発生時と比べ、大幅に低減しており、各市町村で実施している個人被ばく線量の測定、福島県が実施しているホールボディ・カウンタ検査および厚生労働省等が実施している食品検査等の結果の数値も相当程度低いものとなっていることから、「基本方針」について、平成27年7月10日に復興庁が公表した改定案では「避難する状況にはなく」としており、削除すべきとは考えていない。
他方、基本方針改定案においては、「被災者が、いずれの地域かにかかわらず、自ら居を定め、安心して自立した生活ができるよう、法の趣旨に沿って、定住支援に重点を置きつつ、地方創生分野の取組など、各施策も活用しながら、引き続き必要な施策を行っていく」としており、法の趣旨に反するものではない。
 
(コメント:復興庁の基本方針案の繰り返しである。「避難する状況にない」は根拠も不明確であり、法の趣旨にも反する。答弁の後半について、「定住支援」の具体策が示されていない中、住宅支援の打ち切りだけが決められており、法の趣旨に反している)
 
4 放射線量の影響を考える場合、積算線量も考慮すべきであるが、現在の「支援対象地域」の積算線量の評価を行っているか。
 
答弁書:法第八条第一項に規定する支援対象地域は、同項において「その地域における放射線量が政府による避難に係る指示」は空間線量率を基にしており、支援対象地域の設定についてもこれに合わせたものである。
 
(コメント:積算線量の評価は行っていない、ということらしい。行わない理由は不明である)
 
三、本件改定案には、原子力規制委員会が平成二十五年にまとめた「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(線量水準に応じた防護措置の具体化のために)」の引用として、「国際放射線防護委員会(ICRP)は、緊急事態後の長期被ばく状況を含む状況(以下、「現存被ばく状況」という。)において、汚染地域内に居住する人々の防護の最適化を計画するための参考レベル(中略)は、長期的な目標として、年間1~20ミリシーベルトの線量域の下方部分から選択すべきである」と記載されている。しかし、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告には、このような記載はなく、長期目標はあくまでも「被ばくを「通常」と考えられるレベルに近いかあるいは同等のレベルまで引き下げること」(ICRP,2007,288項)とし、参考レベルの代表的な値は年一ミリシーベルトであり、「状況を徐々に改善するために中間的な参考レベルを採用してもよい」(ICRPPubl111,50項)と記載されている。本件改定案における記載を修正すべきだと考えるが、いかがか。
 
答弁書:国際放射線防護委員会は、「原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用(ICRP Publication 111)」において、現存被ばく状況に適用する参考レベルは年間1から20ミリシーベルトの下方部分から選択すべきであり、長期の事故後における代表的な参考レベルは年間1ミリシーベルトである旨を勧告している。これを受け、原子力規制委員会が平成25年11月20日にまとめた「帰還に向けた安全・安心対策にに関する基本的考え方」(以下「基本的考え方」)では、「国際放射線防護委員会(ICRP)は・・・参考レベル・・・は長期的な目標として、年間1~20ミリシーベルトの線量域の下方部分から選択すべきであるとしている。過去の経験から、この目標は、長期の事故後では年間1ミリシーベルトが適切であるとしている」としている。
こうした国際放射線防護委員会の考え方を踏まえ、基本的考え方においては、原子力規制委員会として、「長期目標として、帰還後に個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと」と提言している。
 
基本方針改定案においては、専門的な知見に基づき中立的な立場で独立して職権を行使する(?)原子力規制委員会がまとめた基本的考え方を引用する形で、「「国際放射線防護(ICRP)は、・・・参考レベル(中略)は、長期的な目標として、年間1~20ミリシーベルト線量域の下方部分から選択すべきである」とする一方、「・・・長期目標として、帰還後に個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと」としている」としていることから、それぞれの記載に齟齬はなく、ご指摘のような修正は必要ないと考えている。
 
(コメント:つまり原子力規制委員会の「基本的考え方」でICRPの引用をしているが、これが誤っている。 ICRPの引用として、基本方針に記載しているのであるならば、ICRPの引用の通りにすべきであり、原子力規制委員会の誤った引用を記載すべきではない。原子力規制委員会がたとえ中立独立の立場であろうとも、間違った引用を引用する理由にはならない。)
 
四、本件原発事故から既に4年以上経過しているが、前記3のICRPの勧告にある、現存被ばく状況における参考レベルは設定されていない。政府の復興指針に基づけば、長期的な目標である年間1ミリシーベルトを達成するのに、30年から40年以上必要とされている。参考レベルの設定は行わないのか。また、その判断をする責任者は誰か。
答弁書:お尋ねの「参考レベル」については、長期目標として個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと等を提言した基本的考え方に基づく施策を政府において実施している等から、設定していない。
 
(コメント:参考レベルを設定しない理由が不明である。、「年間1ミリシーベルト」を長期目標としているが、これを実現するための具体的施策は除染以外にはない。除染も1ミリシーベルトを目標としているわけではない)
 
五、平成25年度に策定された被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針において、支援対象地域について、「福島県中通り及び浜通りの市町村(避難指示区域等を除く)とする」としたが、原子力損害賠償紛争解決センターの仲裁では、宮城県丸森町筆甫地区が、福島県内と同等な汚染や状況にあるとして、「自主的避難等対象区域」と同等の賠償を認められたほか、除染についても、平成26年6月、環境省が、福島県に隣接する宮城県の白石市と丸森町、栃木県の那須塩原市と那須町の2市2町に対し、除染費用に関する国の財政支援を拡大すると発表している。こうしたことを勘案しても、支援対象地域を福島県に限定する合理性は極めて薄く、福島県以外に広げるべきものと考えるが、いかがか。
 
六、子ども・被災者支援法では、支援対象地域を「その地域における放射線量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域をいう」としている。「一定の基準」を改めて明確にすべきだと考えるがいかがか。
 
答弁(五および六について):基本方針において、「原発事故発生後、年間積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある地域と連続しながら、20ミリシーベルトを下回るが相当な線量が広がっていた地域においては、居住者等に特に強い健康不安が生じたと言え、地域の社会的・経済的一体性等も踏まえ、当該地域では、支援施策を網羅的に行うべきものと考えられる」とし、支援対象地域についての考え方を示した上で、支援対象地域は、福島県中通り及び浜通りの市町村(避難指示区域等を除く。)としたところである。
その上で、施策の趣旨目的等に応じて、支援対象地域に加え、施策ごとに、支援対象地域より広範囲な地域を支援対象地域に準じる地域(以下「準支援対象地域」という)として定めることとし、必要な被災者生活支援等施策を実施しているところである。
 
したがって、支援対象地域及び準支援対象地域により、必要な被災者生活支援等施策が講じられているものと認識しており、支援対象地域を拡大する必要はないと考えている。
 
(コメント:「一定の基準」を設定しない理由になっていない。また、準支援対象地域で、被災者生活支援等施策などというものは行われていない。支援対象地域でも実は行われていない。)
 
七、本件改定案では、「現在の支援対象地域内の空間放射線量は、(中略)原発事故発生時と比べ、大幅に低減しており、生活圏としてすでに年間1~20ミリシーベルトの線量域の下方部分にあり」としている。これを本件原発事故前の放射線量と比べた場合、どの程度増加している状況か示されたい。
 
答弁書:政府としては、原発事故の発生前については、現在行われている航空機モニタリング結果と比較的可能な形での測定を行っておらず、空間線量率の増減について一概にお示しすることは困難である。
 
(コメント:事故直後からの低減を強調しつつ、事故前からどの程度増加しているかについては言及しないのは、バランスに欠く)
 
八、本件改定案と同時に復興庁が掲示した参考資料に示された線量マップは、平成23年と26年の航空機モニタリングの線量に0.85をかけた数値を地図化している。0.85は、0歳児から3歳児までを想定する実効線量への変換係数とされているが、そもそも、個人差があるという前提で計測すべき実効線量を地図上で表示することは適切ではない。実効線量を地図上に表記することが可能だとする国際的、科学的知見があれば、示されたい。
 
答弁書:ご指摘の「線量マップ」は、原子力規制庁が実施している航空機モニタリングの結果に基づき推計した外部被ばく線量について、わかりやすくするため地図に示したものである。
ご指摘の「0.85」は、平成27年3月16日に、独立行政法人放射線医学総合研究所(当時)及び独立行政法人日本原子力研究開発機構(当時)が公表した「「東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に係る個人線量の特性に関する調査」の追加調査-自動に対する個人線量の推計手法等に関する検討-報告書」で、零歳児から三歳児までを想定した模擬試験を行った結果、空間線量率から実効線量に換算する際の係数として公表されているものである。同報告書では、三歳から18歳になるまでは0.8、18歳以上は0.7を換算係数として用いることも示されているが、「線量マップ」の作成に当たっては、保守的に「0.85」を用いたところである。
 
(コメント:質問に答えていない。とりわけ、質問の最後の二行にまったく答えていない)
 
九、電離放射線障害防止規則等で放射線管理区域に定められている1平方メートル当たり4万ベクレル以上の地域に子どもが生活することは問題であると考えられるが、いかがか。
 
答弁書:電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)では、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域か、放射性物質の表面密度が限度(α線を放出する放射性同位元素による表面汚染に関する限度は、1平方センチメートルあたり4ベクレル、α線を放出しない放射性同位元素による表面汚染に関する限度は1平方センチメートルあたり40ベクレル)の十分の1を超えるおそれのある区域のいずれかに該当する区域を管理区域と定めている。
この基準は、放射性物質を適切に管理することにより、労働者が受ける放射線被ばくをできるだけ少なくするために、事業者が講ずべき措置等を規定しているものであり、住民避難の基準を示すものではない。
 
(コメント:質問では、放射線管理区域を住民の避難の基準を示すものと言っているのではなく、放射線管理区域に子どもが住むのは問題ではないかと問うている)
 
政府としては、長期目標としては、長期目標として個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと等を提言した基本的考え方に基づき、個人の選択を尊重し、必要な支援を行っていく考えである。
 
(コメント:質問に答えていない)
 
十.東日本各県の土壌汚染の最新のデータを示されたい。
 
答弁書:お尋ねの「東日本各県の土壌汚染」の意味するところが必ずしも明らかでなく、網羅的にお答えすることは困難であるが、たとえば、平成25年度に行われた環境放射能水準調査の結果によれば、東北地方各県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県及び福島県)において採取した地表から深さ約5センチメートルまでにある土壌から1キログラムあたり、青森県青森市で7.1ベクレル、岩手県岩手郡滝沢村で285ベクレル、宮城県大崎市で390ベクレル、秋田県秋田市で31ベクレル、山形県山形市で160ベクレル、福島県福島市で700ベクレルの放射能濃度のセシウム137が検出されている。
 
(コメント:平成25年のデータが最新のようである。それ以降は?)
 
十一、子ども・被災者支援法第5条第2項に照らせば、「被災者生活支援等施策に関する基本的な事項(被災者生活支援等施策の推進に関し必要な計画に関する事項を含む)」が示されない基本方針は適切ではないと考える。本件改定案に具体的な施策を含めない理由を示されたい。
 
答弁書:基本方針改定案において、法第五条第二項の規定により基本方針で定めるものとされている「被災者生活支援に関する基本的な事項」において主要な施策を記載した上で、「被災者が具体的な施策について把握できるようにするため、関係省庁の各施策の概要、対象地域等を記した資料を別途取りまとめ、公表する」としたところである。
 
(コメント:現段階で具体的施策を示していない理由を尋ねているのだが、答えていない。具体的施策については、パブコメにかけないつもりか。)
 
十二、本件改定案には、環境省が平成26年12月に公表した「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の中間とりまとめ(以下「専門家会議中間とりまとめ」という)を引用し、「今般の原発事故による放射線被ばく線量に鑑みて福島県及び福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出できる可能性は低いと考える」と記載している。
 
しかし、去る5月18日に福島県で開催された第19回「県民健康調査」検討委員会において、福島県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会が「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。」とする甲状腺検査に関する中間とりまとめを報告している。同中間とりまとめでは、その理由として、「被ばくによる過剰発生か過剰診断(生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断)のいずれかが考えられる」としている。同様の分析は、厚生労働科学研究費補助金・食品の安全確保推進研究事業「食品安全行政における政策立案と政策評価手法等に関する研究」にも記載されている。専門家会議中間とりまとめの時点とは、既に状況が変わっている。甲状腺がんの多発が確認された以上、福島県外での検診も実施すべきだと考えるが、いかがか。
 
答弁書:御指摘の「福島県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会」の「甲状腺検査に関する中間とりまとめ」(以下「評価部会中間とりまとめ」という)においては、「先行検査で得られた検査結果、対応、治療についての評価」として「検査結果に関しては、わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。この解釈については、被ばくによる過剰発生か過剰診断(生命予後を脅かしたり症状をもたらしたりしないようながんの診断)のいずれかが考えられ、これまでの科学的知見からは、前者の可能性を完全に否定するものではないが、後者の可能性が高い点との意見があった」と記載されていると承知している。また、御指摘の平成26年度厚生労働科学研究費補助金 食品の安全確保推進研究事業による「食品安全行政における政策立案と政策立案と政策評価手法等に関する研究」の分担研究である「日本の食品安全行政の現状分析-福島県甲状腺がんの発生に関する疫学的検討-」においては「甲状腺がんの診断数が増えていることは事実であるが、過剰診断の可能性が高いと考えられ」ると記載されていると承知している。
 
環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の中間取りまとめ(以下「専門家会議中間取りまとめ」)においては、「成人に対する検診として甲状腺超音波検査を伴うと、罹患率の10~50倍程度の甲状腺がんが発見される」ことが記載されており、「「先行検査」で発見された甲状腺がんについて、・・・原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められない」と指摘されている。ご指摘の「同様の分析」「専門家会議中間とりまとめの時点とは、既に状況が変わっている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、専門家会議中間取りまとめの指摘と、評価部会中間とりまとめの指摘とは、福島県の県民健康調査「甲状腺検査」の先行検査で発見された甲状腺がんについて少なくとも原発事故由来以外のものである可能性が高いことを示している点において同様と考えている。
 
(コメント:甲状腺評価部会は「多発」については認めている。被ばくによるものであることを否定はしていない。過剰診断説は根拠が不明である。福島県立医大(当時)の鈴木眞一教授が、2014年6月10日の検討委員会で、がん診断を受け手術を受けた患者は「臨床的に明らかに声がかすれる人、リンパ節転移などがほとんど」として、放置できるものではないと説明していることと矛盾している。)
 
お尋ねの「福島県外での健診」の意味するところが必ずしも明らかではないが、専門家会議中間取りまとめにおいては、福島県以外の地域の放射性ヨウ素による被ばくについて「福島県以外の地域の放射性ヨウ素による被ばくについて「福島県内よりも福島近隣県の方が多かったということを積極的に示唆するデータは認められていない」とされていることから、福島県の近隣県における今後の施策の方向性について「まずは福島県の県民健康調査「甲状腺検査」の状況を見守る必要がある。その上で、甲状腺がんに対する不安を抱えた住民には個別の健康相談やリスクコミュニケーション事業等を通じてこれまでに得られている情報を丁寧に説明することが重要である」とされている。このことから、政府としては、福島県外において福島県の県民健康調査「甲状腺検査」と同様の検査が必要だとは考えていない。
 
(コメント:初期被ばくの状況が明らかでない。また、UNSCEARの付表などをみても、福島県外においても栃木県北など、福島県以上の被ばくレベルに達している地域はある。専門家会議の中間取りまとめにも、専門家・市民から多くの異論がでたが無視されてきた。)
 
十三、福島県は、平成28年度で、自主的避難者に対して災害救助法に基づく住宅支援を打ち切るとした。本件改定案においては、定住支援に重点を置きつつ、地方創生分野の取組等を活用するとしているが、新たな定住支援策は具体的に示されていない。自主的避難者から「住まいを失っては生活再建どころではない」、「いのち綱を切るようなもの」という多くの悲痛な声がよせられている。自主的避難者をこのような状況に置くことは、被災者が「支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還」のいずれかの選択を行った場合でも国が適切な支援を行うとした子ども・被災者支援法の趣旨に反するのではないか。新たな支援策を具体的に示されたい。
 
答弁書:福島県においては、災害救助法(昭和22年法律第118号)に基づく応急仮設住宅について、平成28年3月末までとしていた供与期間を、平成29年3月末まで延長することとしたところである。
 
(コメント:「ものは言いよう」の典型例である。福島県は、平成29年3月末で打ち切ると決定した、というのが実際のところ。)
 
基本方針改定案においては、「政府としては、被災者がいずれの地域においても安心して生活を営むことができるよう、適切に対応していく」こととしている。
 
(⇒政府として、「新たな支援策を具体的に示されたい」と問うているが、「適切に対応していく」としか回答していない。)

2015年7月 3日 (金)

住宅供与打ち切り・避難指示解除で政府交渉

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7月2日、避難者への住宅供与打ち切り・避難指示解除に抗議し、記者会見&政府交渉を行いました。多数のみなさまに多数、ご参加・ご発言いただきありがとうございました。
下記に資料を掲載しましたので、どうぞご覧ください。
 
記者会見では、飯館村から避難されている長谷川健一さん、富岡町から避難されている坂本建さん、田村市都路地区から避難されている渡辺ミヨ子さんにそれぞれのお立場からご発言いただきました。
 
また、「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの吉田由布子さんには、UNSCEAR報告を中心にチェルノブイリと福島事故を比較するとどちらも被災者は700万人超になること、チェルノブイリ原発事故後、年1~5mSvの避難の権利ゾーンで行われていたのエートスの取り組みにおいても、「1μSv/時以上は危険ゾーン」と表示されていたことなどについてご紹介をいただきました。
OurPlanet-TV記事:原子力被災者700万~チェルノブイリと同規模
 
ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子弁護士からは、アナンド・グローバー勧告や国際人権規約からいっても、避難者の尊厳や安全が保障されない中での帰還促進は許されないことについてご発言いただきました。
 
政府交渉の冒頭に、住宅供与の打ち切り方針の撤回を求める署名(署名数:13,172筆、団体賛同 87団体)を提出しました。多くのみなさまのご協力に御礼申し上げます。
 
また、以下の4項目の要請書を提出しました。
1.避難者の意見を、避難指示解除の時期や支援の継続・打ち切りの意思決定に反映すること。
2.避難指示解除の基準となっている年20ミリシーベルトを撤回すること
3.国連人権理事会アナンド・グローバー氏の勧告に従い、年1ミリシーベルトを下回るまでは、避難を選択した住民に対しての賠償や支援を継続すること。
4.避難者向けの無償住宅供与を継続すること
 
政府交渉では、以下の驚くべき事実(?)が明らかになりました
 
○政府が打ち出した「避難者の公営住宅の入居の円滑化」は、応募のための書類申請はたったの54件。(実際の入居数は不明)
○「特定避難勧奨地点は、住民説明会を開かなくても解除してよい」(!?)
○「長期的に1ミリを目指す」の「長期的」は不明
○除染は2016年度で終了。
○除染の目標値は特にない。
 
-----------------------以下、政府交渉の質疑です。
 
○災害救助法に基づく借り上げ住宅制度による住宅供与について
 
<政府側回答趣旨>(回答者:内閣府・復興庁・国土交通省)
・避難先の住宅の無償提供を2017年3月で打ち切る方針を福島県が固めた。
災害救助法に基づく住宅支援は、応急措置的なもの。
延長については毎年決定されるべきものなので、形式上は国としては、2017年4月以降について判断したものではない。
(しかし、福島県の決定にしたがう、という趣旨の発言。)
・福島県としては、避難者向けに「新たな支援策」を検討している。
(「新たな支援策」の内容については回答できず)
 
・現在までに借り上げ住宅制度について費やした予算は900億円。東電に求償していく。
 
○「公営住宅の入居円滑化」について(注)
 
現在までのこの制度の利用者は何人か
→応募のための書類申請が54件。
(その後の応募状況や、入居できたかどうかについては把握していない。)
注)2013年10月に閣議決定された「子ども・被災者生活支援法」の基本方針として、「公営住宅の入居円滑化」が含められた。被災当事者や市民団体は、これは現実的でないとして反対していた。政府の説明によれば、「入居円滑化」の意味としては、収入上限などの入居要件の緩和を行うということであった。報道によれば、2013年10月当時の会合で、国交省の担当者は自治体に対して「『特定入居』(抽選のない入居)ではなく通常の募集で対応してほしい」と発言したとしている(2015年06月24日付毎日新聞記事)。
 
II. 避難指示の解除について(内閣府など)
 
<政府側の回答要旨>
・田村市都自治区では57%、川内村では59%の住民が帰還している。
・早期帰還賠償の支払い実績→240名
 
Q:伊達市小国地区の特定避難勧奨地点の解除の際に、住民説明会が開かれなかったのはなぜか。
回答:(住民説明会を開かなくても)特定避難勧奨地点は、年20mSvを下回れば解除できる
(根拠文書:警戒区域・避難区域等の見直しについて-平成24年3月30日 原子力災害対策本部)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/dai24/24_07_gensai.pdf
(※こんなのが根拠になるのか、という気がしますが…)
 
Q:ICRPは、現存時被ばく状態においては、年1~20ミリシーベルトの下方に参照値をとり、それを1ミリシーベルトに向けて下げていくことを勧告しているが、これを採用しない理由は何か。
→明確には回答せず
 
Q:「長期的に1ミリ」と言うが、「長期的に」とは?
→回答せず。
 
Q:内閣府の原子力被災者支援チームの職員は何人か。出向元はどこか。
→だいたい100人。経産省、環境省、規制庁などからだが、一番多いのは経産省。
 
Q:2017年3月に居住制限区域の避難解除を終えたら、内閣府の原子力被災者支援チームは解散するのか?
→そういうわけではない。
 
Q:2020年以降、復興庁は解散するのか。
→復興庁設置法により、平成33年(2021年)3月31日まで。
 
Q:2017年3月に、除染も終了するのか?
→除染は2016年度まで。(会場から驚きの声)
 
Q:除染したあとの線量低減の目標とかないのか?
→とくにない。(驚きの声)
 
UPLANさんによる映像記録はこちらから:

2015年4月23日 (木)

福島県との交渉~19歳以上の治療費公費負担、いよいよ実現!

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福島原発事故に伴う健康管理について、福島県と市民団体との交渉が行われました。
 
甲状腺がん多発の認識、症例の公開、受診率の向上、広報のあり方、医療費の無料化、ガラスバッチが被ばくの過小評価に使われていることなど、多岐に わたる問題について対話が行われました。
 
会合の席上、福島県は19歳以上でも小児甲状腺癌について、治療費の公費負担を認める件、「今年度、なるべく早いうち」にルール化し、実施することを明言。
 
大きな一歩です。 一方で、他県では検査すら体系的には行われておらず、国としての対応が求められます。
 
ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会、生活クラブふくしま生活協同組合、福島老朽原発を考える会、子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山、FoE Japanなどが参加。
 
アレンジしてくださったふくしまWAWAWA―環・話・和―の会の佐々木慶子さん、生活クラブふくしま生活協同組合の土山さんに感謝いたします。 要請書をこちらにアップしました 
 

2015年4月19日 (日)

南相馬20ミリ撤回訴訟…提訴当日、訴状が出されるか出されないかのうちに、国が司法記者クラブにファックスを送付した件…「20ミリを下回ったから解除した」「住民の理解を得るべく取り組んだ」

お伝えしていますとおり、17日、特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、国を相手取り、福島県南相馬市の同地点と周辺の住民132世帯534人が、東京地裁に提訴を行いました。

訴状(PDF)

 
原告らが東京地裁に訴状を提出しに到着したのが11時半。その後、訴状を提出するかしないかのうちの12:08に、下記のようなファックスが、司法記者クラブに舞い込みました。
 

150417_

 

発信元は、「原子力災害現地対策本部」となっています。(なお、実質的に避難・帰還政策を決めているのは、経済産業省であり、同対策本部も、経済産業省の職員によって構成されています。)

そもそも、訴状をみないうちから、このようなファックスを送付するのはどうなんだ、という点、そして内容的にお粗末すぎないかという点が気にかかります。

よほど、この訴訟が気に食わなかったのか、国の政策をゆるがすと思われたのか…。

論評するのもばかばかしいけど、内容面で、いちおう反論を。

「南相馬市の特定避難勧奨地点については、市による除染の結果、指定時と比較して線量が大幅に低下し、国際的・科学的知見を踏まえて平成23年12月に原子力災害対策本部で決定された要件である、年間20mSvを十分に下回る状況になっていることを確認の上で行っている」

→今回の提訴は、解除の基準となっている年間20mSvは、ICRPの勧告からも国内法令上も妥当ではない、として以下を問うているものであり、上記はまったくこの反論になっていません。

  • 国は、住民の追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下とする法的義務を負っていること
  • 解除は追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下とする法的義務に反するものであること
  • 解除はICRP勧告の放射線防護の原則に反し原災法に違反するものであること
  • 本件解除は手続上の要件を満たしていないこと
「解除に当たっては、丁寧に住民の理解を得るべく、昨年10月と12月に計4回、住民説明会を行ったほか、
・高木本部長以下、国の職員による戸別訪問
・線量不安に対する相談窓口の開設
・敷地内の線量測定および清掃
などの取り組みを行っており、解除後もこうした取組を継続して行ってきている」
 
2014年10月に行われた住民に対する説明会においては、一方的な「説明」が行われたのみであり、発言した住民はすべて反対意見でした。
その後も、住民たちは1,210筆の住民署名を国に提出し、何度も解除に反対する意思表示を行ってきました。しかし、それらの住民の意向はすべて無視されてしまっています。
 
さらに12月21日住民向けの説明会が開催されましたが、ここでも出席した住民は、全員、強く反対。以下のような発言が相次ぎました。
 
「指定時、【解除の際には住民の理解を得ること】との約束があった。確認の上解除の話をして欲しい。」
「家の中でも空間線量率は0.8マイクロシーベルト」
「こんな環境に子どもを帰せない」
「ストロンチウムやプルトニウムなども飛散している」
「これで、”公平性”はないだろう」
「いくら除染しても、農地や山林から線量がくる」
「避難区域よりも放射線量は高い」
「再度の説明を求める」
 
最後に、行政区長が、
「地域全体を下げてから解除でしょう。同じ人間として話をしてほしい。無理を通して、道理を引っ込めるのか」と述べました。が、高木経済産業副大臣は、「川内や伊達との公平性を保つ」「積算線量20ミリシーベルトを下回っており、健康への影響は考えられない」とし、一方的に指定解除を決定したのです。
 
これが、「丁寧に住民の理解を得る」ということになるのでしょうか?
さらにいえば、「住民の理解を得る」ということば自体が、一方的な政策の押し付けをふくんでいると考えます。
住民の健康にかかわる問題です。国の政策レベルから、またその運用にあたって、国民や住民の意見をきき、合意形成をはかっていくべきではないでしょうか?
 
訴状では、「本件解除の意思決定において、地元自治体や住民が関与することができる枠組みは何ら存在せず、政府が決定した方針を一方的に伝達するとの非民主的な方法で本件解除が強行されたものであり、また住民の意見にもかかわらず新たな防護措置は何ら計画されていない」としていますが、まったくその通りだと思います。
 
(文責:満田夏花/FoE Japan)

2015年4月17日 (金)

提訴のご報告~南相馬・20ミリ撤回訴訟 「私たちは、子どもたちの未来のためにも負けるわけにはいかない」

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本日(4月17日)、特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、国を相手取り、福島県南相馬市の同地点と周辺の住民132世帯534人が、東京地裁に提訴を行いました。
 
経済産業省前でアピール、東京地裁に訴状の提出、そして司法記者クラブで記者会見を行いました。
 
南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会の菅野会長が、「日本は民主主義の国。にも関わらず、国は住民の意見を無視して、解除した。私たちは、子どもたちの未来のためにも、負けるわけにはいかない」と述べたのがとても印象的でした。
 
経済産業省前の抗議行動および記者会見の模様は、とりあえず、ちょっと画像があらいですが、下記からみることができます。
 
<記者会見>冒頭5分くらいからはじまります。
<経済産業省前アピール>こちら冒頭10分後くらいから南相馬のみなさんのスピーチです。
 
ニュースがこみ合っていた日ですが、NHKなど多くのメディアが報じました。
 
避難勧奨地点解除は不当と提訴 福島・南相馬の住民|共同
特定避難勧奨地点の解除取消求め提訴
「国の避難勧奨解除は違法」 南相馬の住民ら提訴|朝日新聞
 
おどろくべきことに、まだ訴状を提出するかしないかの12:08、まだ訴状を見もしないうちに、に国(原子力災害現地対策本部)が司法記者クラブにファックスをいれ、国としての見解をメディアにばらまきました。
曰く、「南相馬市の特定避難勧奨地点については、除染の結果、指定時と比して線量が大幅に低下し、国際的・科学的知見を踏まえて決定された年間20mSvを十分に下回っている」「解除に当たっては、丁寧に住民の理解を得るべく、昨年10
月と12月に計4回、住民説明会を行ったほか、戸別訪問、相談窓口の開設、線量測定および清掃などの取り組みを行っている」など。
 
(訴状への反論には何ひとつなっていません)
 
通常は、国は記者に聞かれて、「訴状をみないうちはコメントできない」などと言うものですが、この過剰な反応は何を表しているんでしょうか?
 
今回の訴訟の概要について、FoEのページにアップしていますので、ご覧ください。
 
また、下記にHsinkの水谷さんが「支援の会準備会」のフェイスブックページを開設してくださいました! これからどんどん情報をアップしていきます。
ぜひ、「いいね!」をお願いします。
☆<応援署名>現在、1282人
署名は応援メッセージとともに、南相馬の地点解除訴訟の原告のみなさんにおわたしします。以下のChange.orgのページから署名できます。
-----------------------------------------------------------
南相馬の地点解除訴訟(「20ミリ基準撤回訴訟」)を応援する全国集会 in 東京(5/9)
-----------------------------------------------------------
 
南相馬の原告団、福島各地からの報告、弁護団が訴状のポイントについて解説します。
ついに支援の会が立ち上がります!
 
◆日時:2015年5月9日(土)18:30~20:30
 
◆場所:文京区男女平等センター(東京都文京区本郷4-8-3)
https://www.bunkyo-danjo.jp/access.aspx
 
◆参加費:500円
 
◆内容(予定):
「私たちは、なぜ訴えざるをえなかったのか」…南相馬の原告のみなさんから
「南相馬特定避難勧奨地点解除の違法性」…弁護団から
「南相馬だけの問題ではない! 国の避難指示解除の強引さ」…福島各地から
「南相馬を応援しよう!」
…南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会(仮)から
 
◆主催:南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
(Hsink 避難・支援ネットかながわ、福島老朽原発を考える会、FoE Japanなど)
◆問い合わせ先:FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン) 
携帯:090-6142-1807 Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986

2015年4月14日 (火)

ついに提訴へ!~南相馬の地点解除訴訟(「20ミリ基準撤回訴訟」)を応援しよう!

 

訴状(PDF)

1.応援署名にご協力を!
 
特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、福島県南相馬市の同地点と周辺の住民132世帯535人が、近く東京地裁に提訴します。
 
政府はずっと住民や国民を無視して、避難や解除の政策を一方的に決めてきました。すでに伊達市、田村市都路、川内村などが、住民の反対にもかかわらず、避難指示が次々に解除されていきました。今後もこの流れは続くでしょう。
しかし、放射線被ばくの影響や原発事故の被害をどうするのか、私たち一人ひとりが知り、考え、公の場で議論すべき問題ではないかと考えています。
 
国の一方的な避難指示解除に、はじめて司法の場でのたたかいを挑んだ南相馬の皆さんを、孤立させてはなりません。全国から応援していきましょう!
 
この訴訟を大きな社会のうねりにつなげていきましょう。あなたのお力をお貸しください。
 
この訴訟に関して、応援署名とメッセージの募集を開始しました。
署名は応援メッセージとともに、南相馬の地点解除訴訟の原告のみなさんにおわたしします。以下のChange.orgのページから署名できます。
 
Change.orgで署名できない方は、こちらのフォームで!
ぜひ、署名および拡散にご協力ください。 

Photo

 
 
2.経産省前アピール
「20ミリ基準の撤回を! 帰還の強要に反対!」
 
特定避難勧奨地点の解除は違法だとして、福島県南相馬市の同地点と周辺の住民
132世帯535人が提訴します。住民の意思を無視した強引な解除の指揮をとったのは、実際は(加害者である)経済産業省です。
提訴当日、南相馬の住民たちが、経産省前で、最後のアピールを行います。
ぜひ応援に駆けつけてきてください!
 
・日時:2015年4月17日(金) 10時~11時
・場所:経済産業省本館前
・呼びかけ:南相馬・避難勧奨地域の会
                   南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会
                   南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
問い合わせ先:090-6142-1807
 
3.南相馬の地点解除訴訟(「20ミリ基準撤回訴訟」)を応援する全国集会 in 東京(5/9)
 
 
◆日時:2015年5月9日(土)18:30~20:30
 
◆場所:文京区男女平等センター(東京都文京区本郷4-8-3)
 
◆参加費:500円
 
◆内容(予定):
 
「私たちは、なぜ訴えざるをえなかったのか」…南相馬の原告のみなさんから
 
「南相馬特定避難勧奨地点解除の違法性」…弁護団から
 
「南相馬だけの問題ではない! 国の避難指示解除の強引さ」…福島各地から
 
「南相馬を応援しよう!」
…南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会(仮)から
 
◆主催:南相馬の地点解除訴訟(20ミリ基準撤回訴訟)支援の会準備会
(Hsink 避難・支援ネットかながわ、福島老朽原発を考える会、FoE Japanなど)
 
◆問い合わせ先:FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン) 
 携帯:090-6142-1807 Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
 
---------------------
☆FoE Japan では南相馬の訴訟支援活動を行うため、カンパを募集中です!
 
郵便振替口:00130-2-68026 口座名:FoE Japan
 
※必ず、通信欄に、「南相馬」とご明記の上、ご住所、ご連絡先、ご氏名をお忘れなくご記入ください。(領収書や活動報告をお送りいたします)
連絡先:国際環境NGO FoE Japan
Tel: 03-6909-5983  担当:満田(090-6142-1807)
メール:info@foejapan.org
 
※いただいたカンパは、以下の活動にたいせつに使わせていただきます。
・南相馬の原告のみなさんの交通費
・FoE Japanスタッフなどが南相馬などにいく交通費
・集会の開催費用
 
※寄付をいただいたみなさまには、活動報告と収支報告をお送りさせていただきます。

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2015年3月 2日 (月)

東海村JCO臨界事故による 住民の被ばくと健診

1999年9月30日に起こった東海村のJCO臨界事故。
 
至近距離で中性子線を浴びた作業員3名中、2名が死亡、1名が重症となった他、多くの被曝者を出しました。
 
この後、茨城県が「住民の健康不安に対処する」という名目で2000年から住民健診を実施。
対象は、評価された線量が1ミリシーベルトを超える者で健康診断を希望するなどで、毎年200~300人の住民が受診しました。
「JCO臨界事故被害者の会」のみなさまが、毎年、会場にてアンケートを実施。多くの人たちが継続を希望し、それを梃子にして行政に要望。健診はいまも継続されています。しかし、これはあくまで「不安対処」なので、健康影響に関する分析は行われていません。
 
JCO臨界事故後の健康影響に関する独立した調査として貴重な資料があります。
事故後、阪南中央病院の「東海臨界事故被曝線量・健康実態調査委員会」が「美浜の会」や「被害者の会」とともに住民の方々へのアンケートをもとにとりまとめたもの。
 

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それによれば、事故直後の自覚症状(1ヶ月後)として、「全身倦怠・疲れやすい」「のどの痛み」「脱力感」「頭痛」「下痢」といった症状を訴える住民が多く、事故後9ヶ月~1年半時点での自覚症状としては、「風邪を引きやすくなった」「咳・痰」「体がだるい」「眼疲労」「肩こり・首の痛み」「頭痛」といった症状を訴える住民が多いという結果でした。後者については、「免疫機能の低下によって抵抗力が落ちたときに生じる症状が相対的に多い」ということです。
 
また、被ばく量が多いほど何らかの自覚症状を訴える人が多いといった結果でした。
 
福島原発事故とは規模も事故の内容もまったく異なる事故ですが、「被害者の会」の方々の地道な努力、そして、独立した専門家や市民による「自覚症状」に関する丹念なアンケート調査など、たいへん貴重な事例だと思います。

2014年12月25日 (木)

【緊急セミナー】 切迫する放射線被ばくの健診対策(1/7)

福島原発事故に伴う住民の健康管理に関して、環境省の専門家会議が「中間とりまとめ」を発表しました。
これにもとづき、環境省は「当面の施策」をとりまとめ、1月21日までパブリック・コメントにかけています。
 
>パブコメの概要や提出情報はこちら   
>パブコメのポイントを解説したガイドはこちら (PDF版 5頁)
しかし、多くの人々が切望した甲状腺がん以外のさまざまな疾病に対応した健診や、福島県外の健診については盛り込まれておらず、 福島県及び福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出できる可能性は低い」「 心血管疾患、白内障を含む確定的影響(組織反応)が今後増加することも予想されない」などとしています。
 
福島県健康調査については、「疫学的追跡調査として充実させることが望ましい」としており、個人の 保健目的が縮小されるのかという懸念が生じています。
 
一方、福島県健康管理調査の甲状腺検査の2巡目で甲状腺がんの疑いの子どもが4人見出されました。いままで考えられていたよりも急速な甲状腺がんの進行が懸念されています。
 
こうした状況を踏まえ、以下のように緊急セミナーを開催します。
 
日 時 2015年1月7日(水)  18:30~20:45
会 場

東京しごとセンター(東京都千代田区飯田橋3丁目10−1) 5F研修室
最寄駅:飯田橋駅東口より徒歩約5分 >地図

内 容

(予定)

1.環境省の「専門家」会議と福島県県民健康調査の最新情報
2.発癌リスクは「識別できない」のウソ
3.議論されなかったこと…癌以外のリスクと県外のリスク
4.UNSCEARとWHOの報告書について
5.パブコメのポイント
6.質疑
※ゲスト:
 崎山比早子さん(高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官)
 吉田由布子さん(チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク事務局長)
 瀬川嘉之さん(高木学校)
 阪上武さん(フクロウの会)

参加費 500円
主 催 FoE Japan
問合せ FoE Japan (エフ・オー・イー・ジャパン) Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
(当日連絡先:090-6142-1807)

2014年12月23日 (火)

南相馬の皆さんが東京に! 緊急記者会見と集会を開催します(12/26 13時半~@参議院議員会館)

【緊急記者会見&集会】 
南相馬市 特定避難勧奨地点の解除に抗議
 

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南相馬市の特定避難勧奨地点が、12月28日、住民の強い反対の中で解除されようとしています。
 
21日、南相馬市で特定避難勧奨地点に指定された住民向けの説明会が開催されました。
出席した住民は、全員、強く反対。
 
指定時、【解除の際には住民の理解を得ること】との約束があった。確認の上解除の話をして欲しい。」
「家の中でも空間線量率は0.8マイクロシーベルト」
「こんな環境に子どもを帰せない」
「ストロンチウムやプルトニウムなども飛散している」
「これで、”公平性”はないだろう」
「いくら除染しても、農地や山林から線量がくる」
「避難区域よりも放射線量は高い」
「再度の説明を求める」
 
などの発言が相次ぎました。 
最後に、行政区長が、
「地域全体を下げてから解除でしょう。同じ人間として話をしてほしい。無理を通して、道理を引っ込めるのか」
と述べました。
 
高木経済産業副大臣は、「川内や伊達との公平性を保つ」「積算線量20ミリシーベルトを下回っており、健康への影響は考えられない」とし、一方的に指定解除を決定しました。
 
今回の解除に至るまでにも10月の時点で、指定解除の説明会が開かれたのですが、住民の強い反対にあい、解除は延期。「不安をしずめるため、掃除を行う」としました。しかし、「掃除」後、大量のゴミ袋を置き去りにされ、ゴミ袋は2μS/h超え、宅地内に10μSv/h超えの場所も残っています。

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その後も、住民たちは1,210筆の住民署名を国に提出し、何度も解除に反対する意思表示を行ってきました。しかし、それらの住民の意向はすべて無視されてしまっています。
(写真左:署名を提出する南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会の菅野秀一会長)
 
今回、たまりかねた住民のみなさんが、東京にて、抗議の記者会見と集会を開催します。
また、この間、みなさまにご協力いただいた署名を、国に提出します。
 
南相馬の住民を応援するため、一人でも多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
 
◆12月26日(金)
 
13:30~14:30:記者会見&集会 
14:30~15:30:署名提出および政府交渉
18:00~18:30:参議院議員会館前抗議集会 
 
※13時からロビーにて入館証を配布します。
※記者会見の間、質疑はメディアの方優先となります
※いずれも、どなたでも同席いただけます。
 
◆参議院議員会館 B107 
 
◆資料代 500円
 
◆主 催 : 南相馬・避難勧奨地域の会、南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会
 
◆共 催 : 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、FoE Japan、避難・支援ネットかながわ(Hsink)、ひまわりプロジェクト南相馬
 
◆問い合わせ先: FoE Japan 満田/090-6142-1807
 
☆署名も継続中です。ぜひご協力をお願いします!
 
【応援の署名を!】南相馬市で住民無視の避難勧奨解除が進められようとしています。 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-45b6.html

2014年12月21日 (日)

緊急のお願い…南相馬市の特定避難勧奨地点解除に反対を!南相馬市長に激励のメッセージを!

皆様にご協力いただいていた南相馬市特定避難勧奨地点解除の反対署名、おかげさまで1,595筆集まりました。
 
本日、南相馬市で住民説明会が開かれます。
住民の代表の方から、政府および南相馬市に手渡します。
署名は当面継続していますので、ぜひご協力を!
(第三次締切は、24日(水)朝9時)
 
緊急のお願いです。
 
本日の住民説明会の結果を待つことなく、NHKが、南相馬市の特定避難勧奨地点が今月中にも解除されることを報じました。
 
 
粘り強く反対を続けている住民に対して、「もう決まってしまった」という空気を漂わせ、あきらめさせるという手法です。
 
私も測定に同行させていただいたことがありますが、南相馬市の特定避難勧奨地点とその周辺地域は、まだ放射線管理区域のレベルが広がっています。
10月24日の高木経産副大臣の視察のときは、あるお宅の裏の土壌では1万cpmを計測。
 
避難している住民は、子どもを抱えた世帯が多いのです。彼らは避難勧奨が解除され、賠償が打ち切られれれば、帰還せざるをえません。
 
しかし、あきらめるのはまだ早いです。10月のときも、解除のニュースが流れましたが、住民の粘り強い反対と全国からの支援により、解除は見送られました。
 
鍵を握っているのは、桜井市長と思われます。ぜひ、桜井市長に対して、「国の圧力に屈せず、住民を守るという観点から、解除に反対してください」とメッセージを送ってください。メッセージは、なるべく丁寧に心をこめて、お願いします。
 
<市長へのメッセージ>
 
<電話やファックスはこちら>
電話 0244-24-5221 FAX 0244-23-7425
 
なお、今回の解除の決定は、「内閣府原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チーム」という部署が行っています。(職員は全員、経産省です)
今回の解除の決定に関して、ぜひ抗議を。
 
<内閣府原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チーム>
 
TEL:03-5545-7496 FAX:03-3583-1423
 
※参考映像
FFTV:選挙のうらで着々と…南相馬市避難地点解除の動き
 
※参考報道
OurPlanet-TV
「一方的な避難解除」に抗議~南相馬住民
 
政府に解除反対の署名提出~南相馬・避難勧奨地点

2014年12月18日 (木)

環境省に要請書提出>「福島原発事故住民の健康管理のあり方専門家会議 議論の進め方に関して問題点指摘

   
環境省「第14回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(座長=長瀧重信氏)が開催されました。
 
 
この会合はすべての一般傍聴者を排除して行われました。
もともと、多くの市民たちが、本専門家会議の委員が放射能の安全神話に加担してきた専門家が多くを占めていること、被害当事者の置かれている実情からかけ離れた議論が繰り返されてきたことに憂慮し、当事者を委員に加えること、また当事者ヒアリングの実施を求めてきました。これらはすべて無視されてきました。
 
そして今回、傍聴者排除の暴挙。
 
これに抗議し、また、今回の問題に限らず、当事者を無視して強引に進められた専門家会議の進め方について問題提起するため、環境省に以下の要請書を提出しました。
 
<参考資料>
①汚染状況重点地域マップ(吉田由布子さん提供資料)

Photo

 
以下、要請書の内容です。
------------------------------------------------
2014年12月18日
望月義夫環境大臣殿
小里泰弘環境副大臣殿
福山守環境政務官殿
「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」に関する要請
 
以下要請します。
1.本日開催される第14回専門家会議の傍聴を認めること
2.健診のあり方に関して被害当事者へのヒアリングを実施すること
3.中間とりまとめ案に関して、パブリック・ヒアリングを実施すること
4.千葉9市の市長が連名で提出した要望書および「子ども・被災者支援国会議員連盟」からの意見書に対して回答を行うこと
 
<要請の理由>
環境省は、「福島近隣県を含め、国として健康管理の現状と課題を把握し、そのあり方を医学的な見地から専門的に検討することが必要」「原発事故・子ども被災者支援法において、国は放射線による健康への影響に関する調査等に関し、必要な施策を講ずることとされている」ことから、この専門会議を設置しました。
 
本件に強い関心を持つ関東の汚染地域に住む母親たちや自治体など、多くの当事者が傍聴に参加してきました。しかし、第14回に限っては傍聴者を入れない形で開催することが発表されました。
 
これはきわめて異例なことです。原発事故子ども・被災者支援法第14条において、施策への被災者の意見の反映、透明性の確保について定めています。また、専門家会議の設置要項にも「原則公開」と記載されています。
 
環境省のホームページでは、今回の傍聴者を入れない理由として「第13回の会議で、発言等により議事を妨げる行為があり、議事を中断する事態が生じた」としていますが、その場にいた私たちとしては、傍聴を認めないいかなる事態も生じていないと考えています。
 
確かに第13回の会議で、「福島県外の被ばく量は低い」「一般的には放射能は、離れて行くほど低くなる、これが常識的」と発言したある委員に対して、傍聴席から「非科学的だ」との不規則発言がありました。
 
しかし、この程度の不規則発言は、他の政府系審議会ではいくらでもある話で、不規則発言をした傍聴者のみならず全傍聴者を締め出すという今回の環境省対応は、この不規則発言を利用して、都合の悪い批判勢力を締め出すために、本専門家会議の中間取りまとめに関する議論を非公開にしたのではないかとも思えるほど、過剰なものです。
 
本専門家会議の議論の進め方には以下の問題があります。
 
  • 招聘した外部専門家からの指摘をほとんど無視している
  • 当事者ヒアリングを実施していない
  • 「結果」(=今現在生じている事象)についての分析・考察はせずに、「原因」(=被ばく線量)評価に偏重。データの不確実性が指摘されながらも、限定された被ばく評価を延々と議論した
  • 本来、放射性物質の拡散には県境がないのにもかかわらず、福島県内・県外の比較を行い、福島県外は被ばくが比較的少ないという結論を強引に誘導している
  • 現在、福島県健康調査において生じている甲状腺がんについての疫学的な分析や、個々の症例について分析がされずに、甲状腺検査にメリットはまったくないとする根拠のない主張がくりかえされている。
  • 健診のあり方、医療費の減免など、子ども・被災者支援法第13条に明記されている事項が議論されていない。
 
第13回の会議に対しては、特措法の「汚染状況重点調査地域」指定を受けた自治体である、千葉9市の市長が連名で要望書を提出しており、また、国会議員連盟からも、要望が出されていました。しかし、これに対する回答も、専門家会議での報告もなされていません。
私たち市民は、以上の理由から、今回の不可解な傍聴規制(傍聴者の締め出し)に強く抗議するとともに、冒頭に記述した4項目について要請します。
 
放射能からこどもを守ろう関東ネット、子どもの未来を守ろう@うしく(牛久市)、
常総市の子ども達を守る会(常総市)、とりで生活者ネットワーク(取手市)、
放射能汚染から子どもを守ろう@つくば(つくば市)、こども東葛ネット(松戸市・流山市)、
我孫子の子どもたちを放射能汚染から守る会(我孫子市)、鎌ヶ谷放射能対策市民の会(鎌ヶ谷市)、環境とエネルギー・柏の会(柏市)、白井子どもの放射線問題を考える会(白井市)、
放射能汚染から子どもたちを守る会・野田(野田市)、松戸市PTA問題研究会(松戸市)、
SCRMisato(三郷市)、大気汚染から生命を守る会(野田市)、NPO法人子ども全国ネット、
放射能から子どもの未来を守る調布の会、ママレボ出版局、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、避難・支援ネットかながわ、放射線被ばくを学習する会、虹とみどりの会、緑ふくしま、原発いらない福島の女たち、福島原発30キロ圏ひとの会、ハイロアクション福島、福島老朽原発を考える会、FoE Japan
(27団体)

2014年12月17日 (水)

【傍聴者締め出しに抗議!】環境省「健康管理のあり方に関する専門家会議」

環境省「健康管理のあり方に関する専門家会議」~傍聴者締め出しに抗議~
 
12月18日(木)   17:30~17:50@環境省前(中号合同庁舎5号館前)
                       18:00~18:30@中央合同庁舎第4号館前
 
 
みなさま 
 
環境省「第14回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(座長=長瀧重信氏)が明日、中央合同庁舎第4号館にて開催されます。
 
驚くべきことに、この会合はすべての一般傍聴者を排除して行われます。
 
私たちはこれまで、本専門家会議の委員に、放射能の安全神話に加担してきた専門家が多くを占め、被害当事者の置かれている実情からかけ離れた議論が繰り返されてきたことに憂慮し、当事者を委員に加えること、また当事者ヒアリングの実施を求めてきました。これらはすべて無視されてきました。そして今回、すべての傍聴者が排除されることに。
 
これに抗議して、明日、17:30から環境省前で、18:00から会場となっている中央合同庁舎第4号館前で、抗議行動を行います。
 
マイクスピーチ、プラカードなどでアピールします。ぜひご参加ください。
12月18日 17:30~17:50@環境省前
      18:00~18:30@中央合同庁舎第4号館前
 
連絡先:090-6142-1807
 
★環境省のホームページでは、今回の傍聴者を締め出す理由として「第13回の会議で、発言等により議事を妨げる行為があり、議事を中断する事態が生じた」としていますが、その場にいた私たちとしては、傍聴者を排除するようないかなる事態も生じていないと考えています。
確かに第13回の会議で、中間とりまとめに記載されていた福島県内と県外を比較するような記述に関して議論となり、「福島県外の被ばく量は低い」「一般的には放射能は、離れて行くほど低くなる、これが常識的」と発言した丹羽委員に対して、傍聴席から「非科学的だ」との不規則発言がありました。
しかし、この程度の不規則発言は、他の政府系審議会ではいくらでもある話で、不規則発言をした傍聴者のみならず全傍聴者を締め出すという今回の環境省対応は、この不規則発言を利用して、都合の悪い批判勢力を締め出すために、本専門家会議の中間取りまとめに関する議論を非公開にしたのではないかとも思えるほど、過剰なものです。
 
★いまからでも、環境省に「傍聴締め出しやめて!」との電話がけをお願いします!
 
★環境省の本専門家会議の進め方に関する問題はたくさんあります。たとえば以下の通りです。
 
  • 招聘した外部専門家からの指摘をほとんど無視している
  • 当事者ヒアリングを実施していない
  • 「結果」(=今現在生じている事象)についての分析・考察はせずに、「原因」(=被ばく線量)評価に重点。データの不確実性が指摘されながらも、限定された被ばく評価を延々と議論した
  • 本来、放射性物質の拡散には県境がないのにもかかわらず、福島県内・県外の比較を行い、福島県外は被ばくが比較的少ないという結論を強引に誘導している・現在、福島県健康調査において生じている甲状腺がんの症例について分析がされずに、甲状腺検査にメリットはまったくないとする根拠のない主張がくりかえされている。
 
そもそも、チェルノブイリ原発事故の健康被害を無視し続けてきた長瀧氏をはじめ、放射線の安全神話に加担してきた「専門家」が多数を占める委員会メンバー構成の問題も大きいのです。
 
こうした中、原発事故による健康影響を過小評価し、福島県外の健診は不要とする内容の「中間とりまとめ」が議論されているのです。
 

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2014年12月15日 (月)

【応援の署名を!】南相馬市で住民無視の避難勧奨解除が進められようとしています

おかげさまで、12月26日(金)の朝までに2,093筆の署名が集まりました。
本日の13時半から、参議院議員会館で開催される集会で、政府(経済産業省)に提出します。詳細はコチラ
 
12月20日9時までに、1595筆の署名が集まりました。21日、行政区長と政府との会合にて、行政区長さんたちから政府(経済産業省現地対策本部)宛てに提出しいただきました。以下から提出のときの映像が見れます。
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南相馬市で住民無視の避難勧奨解除が進められようとしています。
 
特定避難指定解除へ、21日説明会・南相馬 | 河北新報
 

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国は10月8日、10日、11日の3日間、指定解除にむけ、住民説明会を開催しましたが、発言した住民が全員、解除に反対しました。
 
10月24日には経済産業省の高木副大臣が現地を視察。解除は見送られました。しかし、視察先の住民の庭で、局所的に毎時10マイクロシーベルト(地上)という高線量が測定されたのにもかかわらず、あくまで、「線量としては安全だが、不安があるから、”清掃”を行う」という立場でした。
 

1024

 
 
住民たちは、11月5日は、不当な解除に反対する、1210人分の南相馬の住民の署名を、政府(現地対策本部)に提出しました。
 
こうした住民の声を無視して、今月に入ってから、寝耳の水のように、住民のもとに解除に向けた説明会の通知が届きました。
 
住民の意思を踏みにじる指定解除と帰還の強要を阻止するため、ぜひ、応援の署名をお願いします!
 
署名フォーム
 
一次締め切り:12月18日(木)朝9時
二次締め切り:12月20日(土)朝9時
三次締め切り:12月24日(水)朝9時
 
⇒21日(日)、南相馬住民の代表の方から、政府(経済産業省・現地対策本部)に提出しました。26日(金)、経済産業省本省にも提出予定です。
 
12月24日(水)朝9時現在、1934筆を超えたところです。
 
 
 
動画:政府に解除反対の署名提出~南相馬・避難勧奨地点
 
「一方的な避難解除」に抗議~南相馬住民
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2014年12月 日
 
内閣総理大臣 安倍晋三 様
経済産業大臣 宮沢洋一 様
 
南相馬市における住民を無視した特定避難勧奨地点の解除に反対します
 
福島県南相馬市の152世帯の特定避難勧奨地点の解除が報道されています。
 
解除の話はいったん10月に浮上したのですが、住民の強い反対でいったん延期になりました。たった2ヵ月後の不意打ちのような解除。いったい何が変わったというのでしょうか。
 
南相馬の住民は、解除に反対しています。
 
2011年、政府が一方的に決めた年20ミリシーベルトという高い基準と、そこから導き出された空間線量率に基づき、住民の意向を無視して、世帯ごとに特定避難勧奨地点が定められました。調査もいいかげんで、同じ汚染レベルでも、指定されたりされなかったりでした。これにより、汚染が高く、避難したくても避難できない多くの住民が指定から漏れました。
 
そして、10月には特定避難勧奨地点に指定された南相馬市内の152世帯について、政府は早ければ月内にも指定を解除することを伝えてきました。
 
国は10月8日、10日、11日の3日間、指定解除にむけ、住民説明会を開催しましたが、発言した住民が全員、解除に反対しました。
 
それもそのはずです。除染が済んだといわれる南相馬市の環境には、いまだ数十万Bq/m2もの汚染地点があります。また、いまだに百万Bq/kgを超える黒い物質があり、再浮遊、再汚染が起きているのです。
 
そんな場所に帰還を強要するのでしょうか。そんな場所に子どもや孫をすまわせろというのでしょうか。
 
被ばくに耐えてきた住民の意見は、またしても無視されてしまうのでしょうか。
 
私たちは、あらためて特定避難勧奨地点の解除に反対し、住民の意向と汚染実態に即した避難勧奨の継続と地域指定を求めます。
 
呼びかけ団体:南相馬・避難勧奨地域の会、
 
協力:福島老朽原発を考える会、避難・支援ネットかながわ(Hsink)、
ひまわりプロジェクト南相馬、国際環境NGO FoE Japan
 
問い合わせ先:090-6142-1807
E-mai: XLA07655(アット)nifty.com (アットを@に変えて送信してください)

2014年12月10日 (水)

原発事故被害者の救済を求める全国運動 第二期東京集会

【日時】 2014年12月13日(土) 13時30分~16時50分
 
【場所】東京ウィメンズプラザ(渋谷区神宮前5-53-67 表参道駅B2出口より徒歩7分)
 
【参加費】 500円
 
【プログラム】
 ◆ 挨拶   -東京集会の開催目的-
 
 ◆ -講演- 
「福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞」  日野行介さん(毎日新聞記者)   
*福島原発事故 県民健康管理調査の闇 福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞(岩波新書)著者
 
 ◆ -事例報告-
① 埼玉県における原発事故避難者がおかれている状況と今後の支援活動 
-社会的ケアの視点から-    
        愛甲裕さん(震災支援ネットワーク埼玉事務局長)  
② 福島から東京に母子避難したママたちが自ら立ち上げた「つながるNPO」活動報告
        ましこりかさん(ココロとカラダを育てるハッピープロジェクト代表)
 
 -休憩- 映画予告編上映  「日本と原発:河合弘之監督」 「小さき声のカノン:鎌仲ひとみ監督」  
 
③ 保養活動の取り組み-保養活動、保養相談会、避難者同士の交流から 今後の取り組み
        早尾貴紀さん(311受入全国協議会共同代表)     
 
④ 関東における甲状線自主健診の取り組み状況     
           関東子ども健康調査支援基金共同代表の柴田圭子さん  

 ◆ 会場参加者との討論    
 
 ◆ -今後の運動展開に向けて-
   ① 原発事故被害者救済を求める第二期請願署名運動の論点       
            海度雄一(弁護士/当団体呼びかけ人)   
   ② まとめ-原発被害者の救済を求める全国運動第二期に向けて-   
            佐藤和良(当団体共同代表/いわき市議)
 
【主催】原発事故被害者救済を求める全国運動
【お問合せ】
国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
       〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
       Tel:03-6909-5983Fax:03-6909-5986

2014年11月16日 (日)

健康管理のあり方に関する公開フォーラム:11月30日@福島市

 
福島原発事故に伴う健康管理のあり方に関して、関心を有する市民・県民・専門家が集い、情報を共有し意見交換を行うことを目的に、「健康管理のあり方に関する公開フォーラム」を開催いたします。
 
日時:11月30日(日)13:30~16:00
場所:コラッセふくしま 401号室 
(JR福島駅より徒歩3分)http://www.corasse.com/access
資料代:500円
申し込み不要(直接会場にお越しください)
 
◆内容: 
1)福島県民健康調査の現状と課題
2)広島・長崎の被爆者援護法とチェルノブイリ原発事故後の健康支援
    …吉田由布子「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク事務局長
3)民間における甲状腺検診の経験から
    …西尾正道/北海道がんセンター名誉院長
4)福島で暮らすということ
     …今田剛/医療法人社団敬天会小川医院理事、
 循環器専門医、漢方専門医、綜合内科専門医、医学博士
5)国としての健康支援の在り方
    …崎山比早子/高木学校、元国会事故調査委員会委員
    …満田夏花/FoE Japan理事
           ほか
6)意見交換
 
◆主催:放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
       子どもと放射能対策の会
◆共催:原子力市民委員会
 
◆連絡先:放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民専門家委員会事務局
         〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9 国際環境NGO FoE Japan
         Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
         携帯:090-6142-1807
         E-mail:XLA07655(アット)nifty.com (アット)を@に変えて送信してください。
         担当:矢野

2014年10月14日 (火)

南相馬の住民、避難勧奨解除に「異議あり!」

141010_2 東京電力福島第一原発事故後、放射線量が局地的に高い「特定避難勧奨地点」に指定されている福島県南相馬市の152世帯。

政府は10月末にも解除の方向を打ち出しました。しかし、これに対しては全住民が反対しています。

10月10日、6人の住民が経済産業省・内閣府に対して、「住民の意向を無視しての解除に反対「土壌汚染はまだ強く、高濃度の放射性物質を含む物質が点在している」「解除は見直すべき」という要請書を提出しました。

その後、開かれた集会には、支援者など100人が参加し、「全国で連携して、国の無謀な指定解除に反対していこう」と確認しました。

住民は、「南相馬・避難地域の会」のメンバー。現役の行政区長や前区長、子どもや孫を心配する女性などが含まれています。

集会は、同会が主催、「福島老朽原発を考える会」「国際環境NGO FoE Japan」「避難・支援ネットかながわ(Hsink)」「ひまわりプロジェクト南相馬」が共催しました。

行政区長の藤原保正さんは、「住民はみんな反対している。なぜ加害者(である国)が一方的に基準を決めるのか」と憤りました。

前区長の末永さんは、「解除基準があまりに高い。これは南相馬だけの話ではない」と指摘。

現地で測定活動を進めてきた住民の小澤洋一さんは、「放射線管理区域よりはるかに高い汚染が広がっている。そこに帰れというのか」と強調しました。

小学生の子どもを持つ母親は、「私は子どもを守らなければなりません。解除に反対します」と述べました。

政府との会合で問題となったのが、解除基準である年20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルトが、あまりに高すぎるという点です。

政府はICRPをよく引き合いにだしますが、ICRPの勧告では、事故後の混乱が収まったのちは、1~20ミリシーベルトの下方に"参照値"をとり、ここに向かって下げていくのと同時に、参照値自体も1ミリシーベルトに向けて下げていくことになっています。

訓練された職業人以外の立ち入りを禁止している放射線管理区域は、毎時換算で0.6マイクロシーベルト。それよりもはるかに高い値を解除基準に用いているのです。

福島老朽原発を考える会の阪上武さんは、「少なくとも1mSvまで下がってはじめて帰還の話を持ち出すべき」とします。

埼玉県から参加した放射線管理区域管理者の資格を持つ桑原さんは、「放射線管理区域では、10時間以上はすごしてはいけない。そこに3年半も住民を生活させ、さらに避難させている人も賠償を打ち切って、強制的に帰還させるとは何事か」と語気を強めました。

住民たちは今後、署名運動などを行って、特定避難勧奨の解除に反対する住民意見を表したいとしています。

以下は住民たちが提出した要請書です。

内閣総理大臣 安倍晋三 様
経済産業大臣 小渕優子 様


南相馬市…特定避難勧奨地点の解除に反対
汚染の実情と住民の意向に即した
避難勧奨の継続と地域指定を
私たちは南相馬の住民です。
福島第1原発事故に伴い、私たちのふるさとは汚染され、いまもなお強い汚染が継続しています。

2011年、政府が一方的に決めた年20ミリシーベルトという高い基準と、そこから導き出された空間線量率に基づき、住民の意向を無視して、世帯ごとに特定避難勧奨地点が定められました。調査もいいかげんで、同じ汚染レベルでも、指定されたりされなかったりでした。これにより、汚染が高く、避難したくても避難できない多くの住民が指定から漏れました。

そして、今度は、特定避難勧奨地点に指定された南相馬市内の152世帯について、政府は早ければ10月中にも指定を解除することを伝えてきました。

10月8日に開催された説明会で、発言した住民のすべては反対意見でした。

それもそのはずです。除染が済んだといわれる南相馬市の環境には、いまだに百万Bq/kgを超える黒い物質といわれるものがあり、数十万Bq/m2もの汚染地帯があるのです。

そんな場所に帰還を強要するのでしょうか。そんな場所に子どもや孫をすまわせろというのでしょうか。

住民の意見は、またしても無視されてしまうのでしょうか。

私たちは、特定避難勧奨地点の解除に反対し、住民の意向と汚染実態に即した避難勧奨の継続と地域指定を求めます。

2014年10月10日
南相馬・避難勧奨地域の会
(満田夏花/FoE Japan)

2014年10月 5日 (日)

経済産業省宛質問書~南相馬市の解除について

10/10に南相馬のみなさんが国会にやってきて、経済産業省と交渉します!
ぜひ、みなさんもご参加ください。
 
以下は政府に出している質問書です。

2014年10月2日
 
経済産業省宛質問書~南相馬市の解除について
 
福島第1原発事故に伴い特定避難勧奨地点に指定された南相馬市内の152世帯について、政府は早ければ10月中にも指定を解除することを南相馬市議会全員協議会に伝えました。これについておききします。
 
1.解除の基準は年20ミリシーベルトであるとされているが、毎時の空間線量率に換算すると何マイクロシーベルト/時か。
(解説)
⇒解除の基準は3.8マイクロシーベルト/時。一方、2011年当時の指定の基準は、3~3.2マイクロシーベルト/時。子ども・妊婦のいる世帯は、50cm高で、2.0マイクロシーベルト。
つまり、解除の基準の方が、指定時の基準より高いのです。これは明らかにおかしなことです。
 
2.2011年当時の伊達市および南相馬市の特定避難勧奨地点の指定の際の基準はそれぞれ何マイクロシーベルトか?
 
3.当方の理解では「2」は時期によって3~3.2マイクロシーベルト/時であった。指定より解除の基準が高いのはなぜか?
 
4.住民に対して説明を行い、同意を得る前に、指定解除を決定することは、放射線防護におけるステークホルダーとの協議を定めたICRP勧告に反するのではないか。
 
5.原子力安全委員会2011年8月4日付文書「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故における緊急防護措置の解除に関する考え方について」によれば、以下のように規定されている。南相馬市の特定避難勧奨地点の解除の場合、この文書との整合性がとれていないのではないか。
 
1)緊急防護措置の目的を踏まえ、当該措置を継続する必要性、正当性が無いと判断されること。具体的には、当該措置が設定された際の基準、又は当該措置を解除する際の状況を踏まえて策定される新たな基準を下回ることが確実であること
 
2)緊急防護措置の解除に当たって行うべき新たな防護措置の実施時期、方法、内容等を定め、必要な準備を行った上で、適切に解除すること
 
3)緊急防護措置を解除し、適切な管理や除染・改善措置等の新たな防護措置の計画を立案する際には、関連する地元の自治体・住民等が関与できる枠組みを構築し、適切に運用すること
 
5.南相馬市の特定避難勧奨地点の近傍では今なお、汚染が続いている。
チェルノブイリ原発事故では、土壌汚染の程度によっても避難指示をしたが、日本では空間線量率だけで避難の指示と解除を行っている。
 
たとえ空間線量率が低減しても、放射性セシウムに関していえば、表面汚染密度で4万 Bq/m2を超えて汚染するおそれがある場所は放射線管理区域となり居住が制限される。また、1万 Bq/kg以上の汚染濃度は放射性同位元素にあたり、取扱いの際には、公衆および作業者の安全を確保するために、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律を遵守しなくてはならない。
 
たとえ、放射性同位元素の放射能濃度や線量が法に定める技術基準以下であり、それが管理区域外にあったとしても、取扱い方法の如何により、それらが変化して技術基準を上回る恐れがある場合には、放射線障害を防止するための適切な措置を、新たに講じなければならないとなっている。除染が済んだといわれる南相馬市の環境には、いまだに百万Bq/kgを超える黒い物質といわれるものがあり、数十万Bq/m2もの汚染地帯がある
 
このような状況下でも、年間20ミリシーベルトに固執して特定避難勧奨地点の解除を目指すのは日本政府の姿勢は、国民の生命・健康・安全を蔑ろにしているのではないか。

【10/10】 南相馬市の住民が避難指定解除に反対して国会にやって来ます

141010_minamisoma 南相馬市の住民が特定避難勧奨の指定解除に反対して国会にやって来ます。

内閣府・経産省への要請行動、記者会見、院内集会、首相官邸付近でのデモ参加など盛りだくさんの行動を行います。

是非、ご参加をよろしくお願いします。

チラシをダウンロード
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/141010_minamisoma.pdf

政府宛の公開質問書はこちらをご覧ください。

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1010.html


南相馬市特定避難勧奨地点解除!
汚染地への居住の強要に抗議する集会

 
【理由】空間線量率が20ミリシーベルトを下回った
【時期】早ければ10月中
 
しかし、ホットスポットの指定であるにも関わらず
・全世帯の測定は終わっていません。
・住民全員にも説明がなされていません。
 
この地域は山を境に飯館村、浪江町に隣接している特に汚染の酷い地域です。また、多くは妊婦・子どもがいた世帯です。地域住民は、子どもたちを守ろうと、国の測定基準に沿った測定を続け、解除反対の署名を集め、南相馬市の汚染実態を南相馬市、福島県、国に対して適切な対応を訴えてきました。
今回の政府の措置に対し、「南相馬・避難勧奨地域の会」が上京し、政府交渉および窮状を訴える集会を開きます。
住民が測定したデータ・各所に訴えてきた内容・放射能汚染の実態の新事実 を公表します。およそ知られていない南相馬市の放射能汚染の状況を広く世間の皆さまや、南相馬市から首都圏に避難している避難者に伝える集会です。ぜひご参加ください。
 
◆日時: 10月10日(金) ◆場所 : 参議院議員会館B104
14:00~15:30 経済産業省への申し入れ・政府交渉(調整中)
15:30~16:30 一般向け集会
18:30~19:00 参議院議員会館前で、アピール行動 どなたでも参加可
※抗議行動にご参加の方は、18:30 参院議員会館前にお集まり下さい
 
◆資料代:500円(カンパ歓迎)
◆主催 : 南相馬・避難勧奨地域の会
◆共催 : 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、FoE Japan、
              避難・支援ネットかながわ(Hsink)、ひまわりプロジェクト南相馬
◆問合せ info.hsink@gmail.com(避難・支援ネットかながわ)

2014年9月19日 (金)

原発事故被害者の救済を求める全国集会 in 郡山

141013_koriyama
3・11のあの日から3年半。
原発事故被害者の置かれた状況はいまなお深刻です。
住宅は? 健康は? 保養は? 賠償は?
集会では、これらについて最新の情報を共有し、解決に向けての行動を提案します。
また、各地からの被害者が報告を行います。

◇とき:2014年10月13日(月) 13:30~16:30

◇ところ:郡山市労働福祉会館(福島県郡山市虎丸町7番7号)

マップ→http://www.bunka-manabi.or.jp/kaikan/access.html

◇参加無料  ◇申込み不要
 
《プログラム》(予定・敬称略)
◎原発被害者の救済を求める全国運動をふりかえって
  …佐藤和良(実行委員会共同代表/いわき市議会議員)
 
◎原子力災害に伴う被災者の 住宅問題の解決のために  …津久井進(弁護士)
 
◎健診の支援・医療費減免措置 …吉田由布子(チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
 
◎保養
    チェルノブイリでの保養制度に学ぶ   …白石草(OurPlanet-TV共同代表)
    子どもたちの保養プログラムの拡充を  …早尾貴紀(311受入全国協議会共同代表)
 
◎原発賠償とADR                               …海渡雄一(弁護士)
 
◎被害当事者として                              …各地からの報告
 
◆主催:原発事故被害者の救済を求める全国運動
 
◆連絡先
【福島】 いわき市議会創世会 佐藤和良 住所:福島県いわき市平梅本21
     TEL : 0246-22-1111(代表)内線4132 FAX : 0246-25-8380
【東京】 国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
    住所:〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
    Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
 
※会場周辺では、毎時0.5マイクロシーベルト以上の箇所も確認されています(2014年9月14日測定)。郡山市内で除染作業、建物の解体、道路舗装の工事も続いています。マスクの着用、うがいなど、放射線の防護を各自お願いいたします。

2014年9月13日 (土)

福島原発事故後の健康管理のあり方めぐり、厚労省・環境省と交渉~省庁横断の取り組み求め


「放射線被ばくと健康管理のあり方を考える市民・専門家委員会」(事務局:FoE Japan)は、9月11日、参議院議員会館にて、環境省・厚労省交渉を行いました。
 
交渉の背景については、以下のURLにまとめています。
 
OurPlanet-TVで当日の模様をみることができます。
 
冒頭の吉田さんのプレゼン、13分くらいからの厚労省とのやりとりは、ぜひご視聴ください。
 
まず、主催の市民・専門家委員会の委員で、チェルノブイリ被害調査・救援 女性ネットワークの吉田由布子さんが、短いプレゼンを行いました。
(たいへんすばらしいプレゼンで、パワポ資料も貴重なものなので、ここだけでもぜひご覧ください。本メールの末尾にプレゼンのポイントを記しました。)
 
その後、厚労省・環境省と質疑を行いました。
 
【厚生労働省】
 
質問:
福島県では福島原発事故当時18歳未満であった人々に約、30万人の検査で、甲状腺がんないし疑いが103名出ている。福島県立医大は原発事故との関連はないとしている。一方、一部医療者の間で「過剰診療」と言った言説も出ている。
 
福島県立医大で手術された54例のうち、8割の45名は腫瘍の大きさが10ミリ超かリンパ節転移や肺転移(2名)があり、残り9名は腫瘍が10ミリ以下で転移はないものの、うち7名は「腫瘍が気管に近接など」のリスク例、2名は経過観察でもよいと判断されたが、本人や家族の意向で手術したとされている。手術した54名の約9割が半摘ということである(2014年8月29日、日本癌治療学会にて福島県立医大の鈴木真一氏発表)。
 
福島県で発見されている甲状腺がんについて、保健・公衆衛生、がん検診の見地から、厚生労働省のお考えを伺いたい。
 
回答:厚労省としては、がん検診については、科学的見地を踏まえて行うべきという立場。
甲状腺癌については、一部検診が実施されているが、成人において死亡率減少のエビデンスが得られていない。過剰診断による不利益の指摘もある。
子どもについてはいまのところ十分な科学的なデータの集積がない。
今回の状況については、注意深く推移を見守っていきたい。
 
吉田由布子さんから「おとなの死亡率が高くないといっても子どもはわからないのではないか」「チェルノブイリの状況をみても、子どものうちに甲状腺癌になった子どもたちがその後さまざまな健康影響が生じたりもしている」「いつまでデータを集積されるのでしょうか」といった指摘がありました。
 
山田真先生が、「福島の子どもたちのことが心配ではないのですか?」という問いかけが印象的でした。
 
厚労省の藤下課長補佐は、この問いかけに対して、かなり真剣になって、答えてくれたと思います。今後の厚労省の対応をフォローしていきたいと思います。
 
質問:福島県民健康調査検討委員会や環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康診断のあり方に関する専門家会議」では、がん検診のあり方にまで言及されていまる。しかし、現在の事態は既に環境省の対応する範囲を超え、日本の保健・公衆衛生、がん検診を担当する厚生労働省が、早急に研究班の設立などを行い、対応を示さなければならない問題であると考えるがいかがか。
 
回答:あらたながん検診をはじめるには、死亡率が低下するというエビデンスや、不利益がすくないという根拠がなければならない。
 
質問:福島原発事故後の住民の健康管理体制の構築に当たっては、省庁横断的に取り組むべきであると考えられるがいかがか。環境省との連携はどのようにされているか。
 
回答:省庁横断的に取り組むべきという点については、その通り。厚労省は、福島県民健康調査委員会、環境省専門家会合にもオブザーバー参加している。
 
【環境省】 環境省とのやりとりは、かなり空虚な部分が多かったため、記録する価値のある部分だけについてポイントをまとめます。
 
質問:
福島原発事故後の住民の健康管理に関する所掌が、厚生労働省ではなく、環境省に置かれたのは、なぜか。法的根拠などが存在するのか。その場合、その箇所を示されたい。
 
回答:もともと、環境基本法、環境省設置法で、環境省は公害の予防を所掌することになっているが、その中に、「放射性物質を除く」という文言があった。このたび、平成24年の原子力規制委員会設置法により、その「放射性物質を除く」が削除されたため、放射性物質による健康被害の未然防止も環境省が所掌することになった。
 
注)しかし、これは厚労省が所掌しないということに対する説明ではないように思います。さらに、福島における甲状腺癌の増加は、「放射性物質の影響ではない」というのがいまのところの政府見解であり、環境省の専門家会合も結論こそだしていませんが、そのような方向性でまとめようとしています。矛盾しています。もう少し我々側での法的検討が必要かもしれません。
 
質問:
復興庁、内閣官房、外務省、環境省は、2014年8月17日、「放射線についての正しい知識を。」と題する全面広告の政府広報を出した。
これは中川恵一氏の談話の形式をとり、「100mSv以下の被曝ではがんの増加は確認されていない」「原爆被ばくの遺伝的影響はなかった」などの内容であるが、誤りもしくは根拠不明な記述が散在しており、問題が多い。我々の税金で、このような広告を出されては困る。
この根拠を示してほしい。
 
環境省:すぐには答えられない。なお、当方は、この広告の内容を事前には確認していなかった。
市民側:しかし環境省名で出ている。事前に確認していないわけはない。担当部署は、「射線健康管理担当参事官室」のはず。これについては、後日、再度、質問を送らせていただく。
 
質問:
「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方」に関して、被災当事者や一般市民の声を聴く場を、環境省として正式に設けるべきだと考えるが、いかがか。少なくとも標記専門家会議の取りまとめ結果についてはパブリック・コメントに付すべきだと考えるが、いかがか。
 
環境省:専門家会議とも諮り、検討する。一方で、早く取りまとめを行わなくてはならない。
市民側:今までダラダラと線量評価ばかりやってきていた。今になって急がねばならないことはないはず。それとも来年度の概算要求に反映するという明確な方針があるのか。
環境省:そのような方針はない。
 
※環境省の専門家会議は、どうやら、「何もやる必要はない」という結論ありきで開催しているような疑惑が生じています。
 
質問:
8月27日に示された「健康管理のあり方に関する主な論点(案)」に関して、これまで委員、外部専門家、市民等から指摘のあった、以下の事項が含まれていないのはなぜか。
①甲状腺がんや心の健康以外の多様な疾病に着目した健診項目の拡大
②避難区域からの避難者向けに行われている健診の地理的拡大
③福島県外での健診の実施
 
環境省:これから、専門家会合の委員の指摘も踏まえ、改定していく。
 
市民側:これらの点をぜひ明確に盛り込んでほしい。
 
環境省:ご意見として承る。
 
※そのほか、専門家会合で招聘された外部専門家からの意見が反映されていないことや、「健康リスク評価の各論点に関するこれまでの議論」(第9回会議・資料2)の問題点などを具体的に指摘しました。詳細は、以下の質問書の「6.」をご覧ください。
 
しかし、環境省からは、「ご意見として承る」という回答しか得られませんでした。
 
最後に、市民側として、以下を要請しました。
 
・長瀧座長は、外部専門家の意見を無視し、強引な議事運営が目立つ。低線量被
ばくワーキングのときも、招聘された外部専門家を威嚇するような態度であった。
委員会の構成を抜本的に見直すべき。
 
・診療報酬に放射線障害が対象として記載され、一定の検査ができるようにして
ほしい。
 
 
政府側対応者:
<厚生労働省>
・健康局がん対策・健康増進課 藤下課長補佐
・                     同                    中川係長
・大臣官房厚生科学課健康危機管理・災害対策課 姫野室長
・                     同       亀山補佐
・                   田中主任
<環境省>
・環境保健部放射線健康管理担当参事官室 参事官補佐 鈴木・後藤・藤井
 
※当初、直接「専門家会議」に実質的にかかわっている佐藤参事官補佐が出席予定だったのですが、「急用ができた」ということで、鈴木さんがピンチヒッターとして出席されました。
鈴木さんはおそらく誠実な方で、批判することは申し訳ないのですが、それでもまったく内容的なことは答えられませんでした。
環境省の参事官室的には、鈴木さんを「苦情処理係」として、こうした場にだしてきている感があります。
 
以下は吉田由布子さん(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)のプレゼンの主たる内容です。画像はすべて吉田由布子さんのパワーポイントファイルからの引用です。
 
 
・東電福島事故とチェルノブイリ事故(初期避難者は除く) 実効線量は変わらない。むしろ福島の方が高め? 
 

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140911_yoshida_2

・UNSCEAR2013年報告による 大気中ヨウ素131の拡散状況を見ると プルームは何度も福島県の県境を越えて、広範囲にわたって広がっている。関東にも達している

(UNSCEAR、アニメーション 2011年3月11日18時~4月1日01時)
 
・環境省の専門家会合は、以下の点で問題あり。
- 長時間の議論で、現段階でのデータの不十分性・不確実性が浮き彫りにされた。断定的評価は無理。原爆もチェルノブイリも線量把握と評価、線量再構築に長期間を費やしている。今後も線量再構築に向けた情報収集と分析が必要。
- 健康管理については、やっと議論が始まったばかり。外部専門家の意見は考慮されていない。被爆者援護法やチェルノブイリの健康管理に学ぶことは多いはずだが、論題に載っていない。
 
・一方、福島1県で子ども・未成年層に103名もの甲状腺がんまたはその疑いのある者が見つかっているが、国(厚労省)として何らの評価や対応もない。
・チェルノブイリ原発事故後、甲状腺がん以外、あらゆる疾病が増加した。
 

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・私たちは、もっとチェルノブイリ原発事故後の対応や、「被曝者援護法」に学ぶべき。

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・福島原発事故によって被曝した人たちに対する健康管理体制は、福島県民に限られていたり、避難指示区域と区域外に健診の内容に差があったり、合理的ではない。

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・予防原則および「子ども・被災者支援法」に のっとり、 (1)健診エリアの大幅な見直し (2)健診項目の大幅な拡充 (3)居住地選択の権利の保障、保養を含めた 総合的支援 (4)科学的な検証に活用可能なデータベース の構築 (5)国の責任による一元的取り組み (6)被災者の信頼を得られる体制の構築 これらの実現を!

以上、吉田由布子さんのプレゼン内容より。

私たちとしては、今後とも、幅広い層と連携して、厚生労働省・環境省に対して、原発事故後の健診および医療支援の充実を求めていきます。  (満田夏花/FoE Japan)

「原発被災者がともに住宅問題を考える集会」(9月19日13時~@参議院議員会館)

  
「原発被災者がともに住宅問題を考える集会」

日時:2014年9月19日 (金) 午後13時~15時
場所:参議院議員会館 B107会議室

被災者がともに住宅問題を考える集会 原発被事故による放射能汚染から逃れた避難者の住宅事情は、
原発被事故による避難者が生活していくための基盤である「住まい」を保障するためには、災害救助法の枠組では重大な限界があります。
そして、根本的な問題を抱えたまま3年半が過ぎました。
今、多くの避難者が要望を声にし始めています。
今回は、避難者主体の団体が、住宅問題についてこれまで行ってきたアクションと現状について話り、今後について話し合います。

チラシ(PDF)ダウンロードはこちら

◆--- ◆◆ 内容 ◆◆ ---◆
1.第一部(現状報告) 13:00~14:00
※下記以外、欠席の団体は資料の提供あり
(1)「原発被災者の住宅に関する問題と現状」
( 住宅問題に取り組む弁護士の方:調整中 )
(2)住宅署名の状況報告
・避難・支援ネットかながわ 坂本 建
・ぐんま暮らし応援会 西川 正
・震災支援ネットワーク埼玉 愛甲 裕
(3)住宅問題に関するアクションと現状
・こだまプロジェクト 中手 聖一
他、避難者団体・個人
2.第二部(ディスカッション) 14:00~15:00
今後、避難者全体の要望として求めて行く内容や進め方について話し合います。

◆---- ◆◆ 参加 ◆◆ ---◆
資料代:500円
※ 避難者は無料。受付でお申し出ください

できましたら、参加申し込みをお願いします(当日参加も可能です)。
お名前、所属・職業等、避難者か否かを
info.hsink@gmail.com(避難・支援ネットかながわ)までお知らせください。

<< 共催 >>
避難・支援ネットかながわ、こだまプロジェクト、ぐんま暮らし応援会、
震災支援ネットワーク埼玉、原発事故子ども・被災者支援法 市民会議

2014年9月 4日 (木)

原発事故による住民の健康管理のあり方に関する環境省・厚労省交渉(9月11日 10:30~@参議院議員会館)

 
たびたびお伝えしてきた環境省の「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」ですが、いままで延々とやっていた「被ばく線量の評価」から、次のステップである健診の検討に入りました。
 
しかし、8月27日には、福島県県民健康調査をやっている主体である福島県立医大の安村誠司氏および県民健康調査委員会座長の星北斗氏が招聘され、従来の県民健康調査を前提とした議論にとどまりました。
 
市民側からは、いままでもたびたび、①福島県外での健診の実施、②現在、政府指示の避難区域からの避難者の希望者に対して行われている詳細な健診をの地理的範囲を広げること、③甲状腺がんや心の病気以外の多様な健診項目を求めてきました。また、高木学校の崎山比早子さん、福島県医師会の木田光一副会長、獨協大学の木村真三准教授、菅谷昭松本市長など、外部から招へいされた専門家も、チェルノブイリ原発事故後の状況なども踏まえ、県外の健診の必要性や、健診項目の拡充を訴えました。
 
8月27日に配布された「健康管理のあり方に関する主な論点(案)」(下記)では、これらの論点は抜け落ちてしまっているが、きわめて曖昧なかたちでの記載しか行われていません。
 
このままでは、被災者の健康が守れないばかりか、現在・将来にわたり、生じるかもしれない健康の異変を把握できないことになってしまいます。
 
「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」は、いままで、政府に対して、子ども・被災者支援法の理念に立ち返り、予防原則にたつ健康管理を省庁横断的に取り組むことを求めてきました。
 
しかし、そのことに関するご回答はいただいていません。
よって、このたび、さらに別添の質問書を環境省および厚労省に提出しました。
質問書はこちら(PDF)
 
9/11にこの質問書をもとに、環境省と厚労省交渉を予定しています。
交渉の前には、いままでの環境省の専門家会合のポイントを振り返る勉強会を開催します。
ぜひ、ご参加ください。
 
原発事故による住民の健康管理のあり方に関する環境省・厚労省交渉
 
◆日時:9月11日(木)10:30~15:00
10:30~12:00:事前勉強会   
講師:吉田由布子さん(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
環境省専門家会合ハイライト(映像)
<休憩>
12:30~14:00:政府交渉
(調整中、相手方:環境省・厚労省)
※参加される方は、なるべく事前勉強会にもお越しください。
※省庁のみなさんと、なるべく率直に、冷静なやりとりをしたいため、参加者のご配慮をお願いします。
 
14:10~15:00:まとめの集会
 
◆場所:参議院議員会館B107
 
◆資料費:500円
 
◆主催:放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
http://www.foejapan.org/energy/news/130130_2.html
 
◆問い合わせ:満田(090-6142-1807)
 
 

2014年8月27日 (水)

【プレスリリース】環境省「専門家会議」に要請書~恣意的な議論・運営を改め、省庁横断的な取組を

8月25日、「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」(事務局:FoE Japan)は、環境省に対して要請書を提出し、同省が設置している「専門家会議」の意見の取りまとめの具体的な内容に関して、意見を提出しました.。
 
 
この要請書は、あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県民にとどまらす、住民の健康支援のあり方を予防原則に立って検討すること、不確実な線量評価に基づいた健康リスク評価を強引に推し進めないこと、「専門家会議」座長と事務局による恣意的な議論のまとめと運営を改めることを求めた上で、現在、専門家会議で取りまとめられようとしている取りまとめに対して、具体的な指摘を行っています。
 
注)「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」
 
以下は要請書の内容です。
 
 
2014年8月25日
環境大臣 石原伸晃様
環境副大臣 井上信治様
環境大臣政務官 浮島智子様
「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」御中
 
「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する
専門家会議」の議論の進め方に対する意見ならびに要請
 
放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
 
「福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下「専門家会議」と呼ぶ)は、「子ども・被災者支援法」(東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」)第13条に基づき設置が策定され、これまで9回の会議が行われてきました。未曽有の原子力災害により国民の多くが長期にわたって無用な被ばくを強いられる事態が生じているということは、国の保健対策を抜本から構築しなおさなければならないほどの課題であり、この「専門家会議」の責任は重大なものです。であるにもかかわらず、その議論は線量評価を中心とした狭い範囲に終始してきました。さる8月5日の第9回会議開催日には井上環境副大臣、浮島環境省政務官あてに市民団体より「長瀧座長解任を求める要請」が出されるに至りました。このような由々しき事態に至ったのは、「専門家会議」の議論の方向性やまとめ方を含む、座長と事務局の会議運営のために多々の問題が噴出しているからです。
 
あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県内に留まらず、福島第一原発事故により無用な放射線を被ばくし、今度も被ばくし続ける可能性のある住民の健康支援のありかたを、予防原則にもとづき論議されますよう、以下の点を要請いたします。
 
1. あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県民にとどまらす、住民の健康支援のあり方を予防原則に立って検討すること。未曽有の原子力災害に対応するには、抜本から国の保健対策を構築しなおすほどの課題であるということを認識して論議していただきたい。
 
2. 現時点での線量把握・評価の不確実性と限界性を認め、不確実な線量評価に基づいた健康リスク評価を強引に推し進めないこと。存在の可能性が指摘されている初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくること
 
3. 「専門家会議」座長と事務局による恣意的な議論のまとめと運営を改めること
 
 
以下、各項目に関する意見および要請を申し述べます。
 
1. あらためて「子ども・被災者支援法」の理念に立ち返り、福島県民にとどまらす、住民の健康支援のあり方を予防原則に立って検討すること。未曽有の原子力災害に対応するには、抜本から国の保健対策を構築しなおすほどの課題であるということを認識して論議していただきたい。
 
「健康管理のあり方に係る各論点に関するこれまでの意見(概要)」(第9回会議・資料3)に関連して、次のような点が指摘できる。
 
 放射線被ばくと健康管理のあり方について政府の基本的考え方といえる「被爆者援護法」の健康管理に関する施策(総合的保健・医療・福祉政策)を参考に議論すべきである。被爆者援護法では周知のとおり「被爆者健康手帳」を所有する人は全国どこででも無料で健康診断ならびに無料で医療を受けることができ、種々の要件を満たせばそれに該当する手当が支給される。国の推定で1mSvをはるかに下回る被ばく線量でも被爆者健康手帳交付例は存在する 。
 
 資料3では、福島県民健康調査の甲状腺以外の項目について「調査項目や調査結果について、被ばくと健康リスクの関係からは、委員からの特段の指摘はない」とされているが、石川委員は「原爆被爆者検診等を参考に、今回の事故の特殊性に基づく検査項目を設定してもらいたい」(第7回)と発言している。
 
 第7回会議で外部専門家(木村真三氏、菅谷昭氏)から現在のチェルノブイリの住民の健康状態の報告があった。長期慢性的被ばく下での健康管理についてすでに28年以上取り組んできたチェルノブイリの具体的対策(健診、医療、保養、補償、研究など)についても検討を尽くすべきである。チェルノブイリにおける健診は「被災住民の健康状態の科学的観察、病気の早期発見、診断を確定し、治療を組み立てる基盤情報、病気の発症や悪化のリスクのある人の発見、予防的またリハビリや健康増進的手段の実施基盤的情報とする」といったことが目的として構成されている(20周年および25周年ベラルーシ・ナショナルレポート)。
 
 健康管理のあり方に関して要望を出している被災者団体や自治体のヒアリングを行うべきである。復興庁が「子ども・被災者支援法」基本方針策定の際に実施したパブリックコメント(第4回会議、崎山比早子氏提出資料のひとつ)に対応するものとして本「専門家会議」が開催されるに至っていることを踏まえれば、当然の手順とすべきである。ICRPのPub.111は、原子力事故後の現存被ばく下においては政策決定において利害関係者などステークホルダーの役割を重要視している。第5回会議外部専門家の甲斐倫明氏もICRPの考え方として様々な計画策定のときにステークホルダーの関与が望ましいことを述べている。
 
 「検診をすることが最善の回答か十分な検討が必要(第7回鈴木委員)」「検診項目を増やすことで不安を増長させるおそれもあり、むやみに項目を増やすべきではない(第1回祖父江委員)」という意見が挙げられているが、最善か否か、何によって不安が増長するのかは他人が決めるべきことではない。なお長崎大学は原爆被爆者の健康診断について、その意義を認める研究報告を行っている 。
 
 外部専門家からも健康管理のあり方についての意見が表明されている。
 
「福島県以外でも被ばく線量年間1mSv以上の地域の住民に対し、健康に対する権利が保障されるべき。日本医師会の提案のように厚生労働省に一本化して、体系的な検診体制を整えるべき」(第4回崎山比早子氏)
 
「住民の健康管理は国の直轄事業と位置づけ、国による健診事業の一元管理をすべき。ある一定の線量超えた部分については、やっぱりきちっとフォローアップしていくという体制が必要」(第8回木田光一氏)
 
「甲状腺被ばく量に関連して事故直後の高校生など呼吸量の差異について検討すべき。大人への甲状腺検診も充実すべき。」(第8回木村真三氏)
 
「甲状腺癌にのみ対応した健診ではなく、幅広い疾病に対応したもので、長期にわたる検査をすべき」(第8回菅谷昭氏)
 
「県内各地域の比較においても甲状腺がんの多発が観測されていることを前提に今後の対策を検討すべき」(第8回津田敏秀氏)
 
 福島県県民健康調査の甲状腺検査について、福島県立医大からも「当初3年で一巡してその後は20歳まで2年に1回、20歳以降は5年に1回と決めていたが、本当にそれでいいのか、3年間の検証をして、今後どういうふうにすれば一番県民のためにいいのかを議論していただければいい」(第9回阿部委員)との再検討の発言も出されている。
 
国民はこの事故によって無用な被ばくを強いられたのであり、今後も強いられることになる。その責任は国と東京電力にある。被害者が健診を望む限り、それに応える義務が国と東京電力には存在している。国民の多くが今後も無用な被ばくを強いられる事態が生じているということは、国の保健対策を抜本から構築しなおさなければならないほどの課題である。原子力事故のもたらす健康への影響は非常に幅が広いものであるから、予防原則に立ち、健康管理の対象も癌や遺伝的影響という狭い範囲にとどまらず観察し、時宜に応じた対策を講じていく必要がある。環境省だけでは対応しきれる問題ではない。厚労省をはじめとする省庁横断的な取り組みが必要である。
 
2. 現時点での線量把握・評価の不確実性と限界性を認め、不確実な線量評価に基づいた健康リスク評価を強引に推し進めないこと。存在の可能性が指摘されている初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくること
 
「中間とりまとめに向けた線量評価部分の要点(案)」(第9回会議・資料1)の中の線量把握・評価については、現時点でのデータの不確実性・限界性を明示したうえで判断すべきという指摘が委員からも表明されている。さらに、そうした限界性がありながら、「専門家会議」は評価にとって重要な情報収集の努力を怠っている。
 
 甲状腺被ばく実測データは、いまだ被検査者の行動調査との突合もないなどデータの検証の問題、個人間のばらつき、被検査者の代表性の問題など、いくつもの不確実性・限界性を有している。前提条件や限界性を明示したうえでの評価となっていないなど科学性に乏しいことが委員からも指摘されている。
 
 「一般からの情報提供窓口は設置されているか」という質問(第4回春日委員)について事務局および長瀧座長は、この会議が「専門家会議であり、専門家としての議論をしていだたく」として、「情報提供窓口」の設置に関してなんら答えていない。しかし、「さまざまな個人や団体が測定したデータや未公開データの存在の可能性」(第9回森口祐一氏)が指摘されている。実際、厚労省研究班のみならず民間団体が測定した母乳汚染データ、尿検査データなどが存在している。不確実性を少しでも小さくするためにはさまざまなデータの突合が不可欠であるが、「専門家会議」はそうしたデータを積極的に収集し評価しようという姿勢がなく、真実に近づくための科学的態度を有しているとは言えない。
 
 現在も続く線量評価、とりわけ初期甲状腺被ばく線量評価の混乱は、1080人で検査を打ち切った政府の不作為による責任であることを自覚して、環境省自らが各方面に呼びかけ、さらなる情報の収集にあたり、初期の被ばく線量に関わるデータや情報の収集と分析に努める体制をつくるべきである。
 
「健康リスク評価の各論点に関するこれまでの議論」(第9回会議・資料2)に関連して、次のような問題点が指摘できる。
 
 健康リスク評価についてWHO報告やUNSCEAR報告が挙げられているが、たとえばWHO報告の「「線量の最も高かった地域では、ベースラインの発病率に対する生涯リスクは、小児期に被ばくした男性で白血病が7%増、小児期に被ばくした女性で乳がんが6%増、小児期に被ばくした女性ですべての固形がんが4%増、小児期に被ばくした女性で甲状腺がんが約70%増」といった箇所は示さず、被ばく線量が最も高かった地域の「外側や近隣県」のがんの罹患リスクが小さいことを強調する表現になっている。
 
 環境省などが主催し本年2月21-23日に実施された「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」において、放射線影響研究所のShore博士は、「10歳時の被ばくで60歳までの甲状腺がんのリスクは20mSvまで確認され(20mSv未満では不確か)、がんのリスクは50年以上継続する」と報告している。20mSvのレベルは実測1080名中でも数名に認められた数値であり、この報告についてヒアリングすべきである。
 
 健康リスクについて「放射線の影響でがんになったかどうかという議論は決着がつかない(第5回鈴木委員)」と記されているが、「決着がつかない」ということは、現在の科学ではわからないという、現状の科学の限界性を述べているに過ぎない。またそのことはがんが「増えない」と同義ではない。この限界をどのように克服していこうとするのか努力の方向すら示すことなく「決着がつかない」「検出できない」として切り捨てるのであれば、専門家としての責任放棄でしかない。
 
 チェルノブイリ事故の健康影響評価において、どの国際機関も、日本の専門家も、子どもたちの甲状腺がんの激増について予測しえず、ほぼ10年後にいたるまで放射線の影響を否定し続けてきたという歴史的経緯を振り返れば、福島事故においても先入観に基づき安易に楽観的推測を述べることは慎むべきである。
 
 福島事故発生後に発刊されたウクライナ放射線医学研究センターと長崎大学によるHEALTH EFFECTS OF THE CHORNOBYL ACCIDENT: a Quarter of Century Aftermath は、チェルノブイリ事故における健康影響について、がんおよび非がん疾患も含め25年間の研究成果を示している。序文において長崎大学の山下俊一氏は、本書がチェルノブイリ周辺で発見された疾患の因果関係の詳細を明らかにするほど十分あるいは包括的なものとはいえないものの、それはチェルノブイリ事故が「あらゆる年齢層の数百万という人々の被ばくをもたらしたため、健康と放射線環境に関する結果は、比較的短期間の間に信頼性をもって評価することはできなかった」ためであると述べている。チェルノブイリ事故による慢性的被ばくの健康影響はがんに留まらず、さらなる研究が進められている。福島においても長期的視点に立った健康評価の体制を構築することが必要である。
 
3. 「専門家会議」座長と事務局による恣意的な議論のまとめと運営を改めること
 
 市民団体が長瀧座長解任を求めた理由については要請文 の通りであり、ここでは繰り返さないが、そのほかにも問題となる発言がなされている。
 
 長瀧座長は健康診断、とりわけ子どもの甲状腺スクリーニング検査について個人的な予断をもって議事の進行を図っていると思われる。同氏の2013年の講演では「甲状腺がん検診を行えば微小がんが発見され、微小がんの手術をすれば最終的に人口の10%になるまで微小がんが増加する」「福島で3万人になるまで毎年甲状腺がん患者が増加する」といった持論を展開している (添付資料)。
 
 第7回会議においては、被災者の不安を払拭するためにも「検診の体制と補償の体制を実現したい」(石川委員)との意見と対比させる形で「がん検診の利益と不利益」と題した祖父江委員の報告が行われた。その意図は「ゆっくりしたがんでは過剰診断の不利益というものが大きいということを指摘するため」(祖父江委員)であった。長瀧座長は「検査をすればそれでいいのかというと、そうでもない」と述べている。
 
 さらに座長は、第9回会議外部専門家の宮内明氏(甲状腺専門医)に対し、「スクリーニングをすれば必ず癌が見つかる」「全部取って、最終的には福島県の10人に一人、あるいは100人に一人は甲状腺の手術をしたということであっても、安心であればそれでもいいのではという考え方があるとしたらどう思うか」と質問した。宮内氏はこの数値に関し「ちょっと極端な数字かと思います」としたうえで、福島県民健康調査甲状腺健診では50の手術例のうち7割は1㎝以上かリンパ節や肺などの転移を認める症例であり、残り3割程度は1㎝以下の微小がんであるものの反回神経や器官に接しているなど、同様にリスク症例であったとの福島医大の報告を紹介した。同時に甲状腺の微小がんが発見された場合、同氏が所属する隈病院では、経過観察を選択する例が最近では8~9割に増えてきていることも紹介した。
 
座長の予断に基づく議事運営は明らかである。
 
 「外部の専門家の意見を聞く」として何人ものヒアリングのために招請しているが、外部専門家の意見が「議論のまとめ」に登場したのは第2回栗原氏と第3回新山氏だけであり、そのほかの専門家の意見とそれに対する「専門家会議」の意見は「議論のまとめ」に反映されていない。
 
 傍聴者に対する規制は異常なほどで、度を過ぎている。
 
 「専門家会議」の傍聴者に対する環境省職員の対応は異常なものである。席を指定し、傍聴席の周囲を職員が歩き回り傍聴者をチェックし、その意に沿わない者は次回から傍聴も制限するというのは行き過ぎである。座長は審議の最中に何度も「被災者に寄り添って」とか「被災者のために考える」といった発言をするものの、実際の運営は事務局ともども被災者の心情を逆なでするような対応を続けている。
 
上述した例は一部を抜粋したに過ぎない。こうした運営を進めてきた座長は自ら退かれるべきであり、「専門家会議」事務局は恣意的な「議論のまとめ」を行うことなく、また市民や被災者敵視とも言える、傍聴者に対する態度をただちに改めていただきたい。
 
以  上
 
要請者
青木一政     福島老朽原発を考える会(フクロウの会)事務局長
崎山 比早子 高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士
阪上 武   福島老朽原発を考える会
島薗 進    上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長
高橋 誠子  福島市民
中手 聖一  原発事故子ども・被災者支援法市民会議 代表世話人
西尾正道   北海道がんセンター 名誉院長
満田夏花   国際環境NGO FoE Japan 理事
山田 真   子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表
吉田 由布子 「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク 事務局長
 
放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
事務局 
国際環境NGO FoE Japan 内
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
(添付資料)
長瀧重信氏の発表資料より(平成25年2月1日)抜粋
 
下図は、同発表資料の65枚目/66枚のスライド
 

2014年8月19日 (火)

【報告】環境省・復興庁との会合 …除染以外の被ばく低減策を要請

 

Photo
FoE Japanの満田です。

「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」による「個人線量計での被ばく管理に異議!除染以外の被ばく低減措置を」につきましては、短期間の間に662名の方のご賛同およびたくさんのメッセージををいただき、ありがとうございました。

引き続き、下記より賛同署名を募集していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
18日、崎山比早子さん、吉田由布子さん、青木一政さん、阪上武さんに同行していただき、環境省・復興庁に要請書および署名を提出に行きました。その後、1時間ほどやりとりをしました。
なお、下記から映像を見ることができます(画像粗いですが…)
 
以下簡単に概略を報告します。
 
要請項目1:
政府の除染対策地域の指定基準および除染目標として、少なくとも空間線量率0.23μSv/h基準を堅持すること。
環境省:除染の長期目標としての年1mSv、その推定値としての空間線量率毎時0.23マイクロシーベルトを維持することには変わりない。
汚染状況重点調査地域の基準も0.23マイクロシーベルトを維持する。
一部報道で、除染の目標値を緩和するとしているのは、報道の間違いである。
今回の「中間報告」では、個人線量計と空間線量率の関連についての知見をまとめたもの。
 
当方より:
・報道が間違えているということであれば、報道側に訂正を求めるべきではないか。
・放射能が環境中に拡散しており全方位から照射される場合にはガラスバッチの測定結果は過小評価となる。
・報告書では個人線量計の値について、各地域の平均値がとられており、最大値が示されていない。
・そもそも、ガラスバッチを家の中や車内に放置している人も少なくない。
・何よりも、「場の規制」に加えて、どうしてもその場に入らなければならないときに個人線量計で管理するのが基本なのに、それをごっちゃにしているのは問題ではないか。個人に被ばくの責任を負わせるのか。
 
環境省:報道には、根気よくこちらの考えを説明していく。その他のご指摘は検討する。今回はあくまで「中間報告」に過ぎない。
 
要請項目2:
除染により0.23μSv/hが容易に達成できないのであれば、住民の健康リスクを極力低減させるために自主避難者への支援、移住の支援、保養推進、保養計画への援助、検診の充実などあらゆる取り組みを充実すること。
 
復興庁:子ども・被災者支援法の基本方針は、これで終わりというものではなく、さまざまな意見を反映していきたい。
避難指示のでていない地域のみなさんからはどのような要望がでているのか?
 
当方:子ども・被災者支援法をめぐっては、被災当事者の意見を復興庁に届け続けて、結局はきいてもらえなかった。
復興庁として、被災当事者・支援者との協議の場を設けてほしい。
被災者・避難者への支援、健康調査の内容を改善すべき、地理的に拡大すべき、抜本的な住宅支援制度を確立すべき、保養に関して国として取り組むべきなど、多くの要望がある。
 
復興庁:復興庁としてそういう場を設けるということではなく、みなさんの設ける場に行って、要望をきくことをしている。
 
当方:復興庁はそう言い続けて、確かに市民団体の主催する場にはきてくれたが、その場できいているだけで、政策には反映してくれなかった。
 
当方:基本方針の見直しについて、内部で議論は行われているのか?
 
復興庁:「住宅の問題についてなど、検討した。借上げ住宅制度は、1年延長が現した。
 
当方:抜本的な解決ではない。復興庁として、積極的に被災者の要望をきく努力を。
 
要望3:
「場の線量」と「個の線量」の二重の防護の考え方の堅持。ガラスバッチ配布による個人線量重視の被ばく防護の考え方は取らないこと。
 
環境省:「場の線量」には限界もある。それぞれの場所によって違う。より、住民の方々の安全のために、個人の被ばく量の着目した。
 
当方:労働安全衛生法・電離放射線安全規則では放射線業務従事者の被ばく防護のために「場の線量」と「個の線量」の二重の被ばく低減策を取ることを事業者に求めている。事業者は年間5mSv以上(空間線量)となる恐れのある場所を放射線管理区域として指定し労働者がみだりに立ち入ることが無いよう管理することを求め、その上で業務の都合上一時的に立ち入る場合にその労働者個人の被ばく量(個人線量)を管理することを求めている。
 
「場の線量」を軽視することは、そういった放射線防護の既存の法律を蔑ろにすることになる。
繰り返しだが、除染以外の被ばく低減策、避難・保養への支援をご検討いただきたい。むだな除染については見直すべき。
 
当方:なお、昨日、朝日新聞・毎日新聞などに出た政府広報の全面広告は、ひどいもの。科学的な根拠も示さす、福島原発事故の健康影響を過小評価する中川恵一氏などのコメントを掲載する内容だった。
(復興庁、内閣官房、外務省、環境省)
このようなことに国税を使うことは大問題である。
 
環境省:違う部署なので、答えられない。
 
対応者
環境省 水・大気環境局 放射性物質汚染対策担当参事官室
 参事官補佐 玉谷雄太さん
復興庁 法制班 参事官補佐 中村崇志さん
 
同要請書については、引き続き、賛同を集めています。みなさんご協力をよろしくお願いいたします。
 
【賛同署名募集中】
個人線量計での被ばく管理に異議あり!
「目標値の堅持と除染以外の手段での被ばく低減を」

2014年8月14日 (木)

個人線量計での被ばく管理に異議あり! 目標値の堅持と除染以外の手段での被ばく低減を

放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」は、11日、除染の目標値の堅持と、除染以外の被ばく低減措置を求める要請書を、環境省、復興省、福島市、伊達市、郡山市、相馬市に提出しました。

この中で、「個人の被ばく線量」重視の考え方は、場の線量の管理を行う行政の責任をおろそかにするとともに、実質的に個人に被ばく管理の責任をおわせるものであり、基準値の緩和につながるとし、0.23μSv/時の目標値を堅持した上で、避難・移住や保養参加への支援など、除染以外の被ばく低減措置を求めています。

PDF版のダウンロード

同委員会メンバーは、18日に環境省を訪問する予定になっています。

※18日の環境省への訪問に向け、下記から個人賛同を募っています。ぜひご協力ください。

(フォーム1) https://pro.form-mailer.jp/fms/36d661ea63542

(フォーム2) https://pro.form-mailer.jp/fms/004558b363576


2014年8月11日
環境大臣 石原伸晃殿
復興大臣 根元匠殿
福島市長 小林香殿
郡山市長 品川萬里殿
相馬市長 立谷秀清殿
伊達市長 仁志田昇司殿
 
放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会
(要請者については末尾に記載)
 
除染目標の見直しに関する要請書
 
環境省、復興庁および福島市等4市は8月1日に「復興の加速化に向けた国と4市の取組」中間報告を発表しました。この中で、「個人の被ばく線量に着目した放射線防護」を打ち出し、空間線量率が0.3~0.6μSv/h程度の地域において年1ミリシーベルトが達成できるとしました 。
 
 私達は「個人の被ばく線量」重視の考え方は、場の線量の管理を行う行政の責任をおろそかにするとともに、実質的に個人に被ばく管理の責任をおわせるものであるという危惧を抱いています。
 
 従来の大気汚染や水質汚濁などの規制においては、大気や水質などにおける環境中の汚染物質の濃度の基準である環境基準が大きな役割を果たしてきました。それなのに、なぜ、放射性物質においては「個人」の被ばく量を前面に打ち出すのでしょうか。
さらに、今回の中間報告は、これまで実質的な除染の目標値とされていた0.23μSv/h の達成が困難な状況のもとで、除染基準の切り上げにつながるのではないかとの危惧を抱いています。
 
よって、環境省、復興庁、4市に対して以下の要請をするものです。
 
[要請項目]
 
(1) 政府の除染対策地域の指定基準および除染目標として、少なくとも空間線量率0.23μSv/h基準を堅持すること。
 
(2) 除染により0.23μSv/hが容易に達成できないのであれば、住民の健康リスクを極力低減させるために自主避難者への支援、移住の支援、保養推進、保養計画への援助、検診の充実などあらゆる取り組みを充実すること。
 
(3) 「場の線量」と「個の線量」の二重の防護の考え方の堅持。ガラスバッチ配布による個人線量重視の被ばく防護の考え方は取らないこと。
 
 
[要請の理由]
(1) ガラスバッチによる個人線量測定結果にもとづく除染基準の見直しは被ばくの過小評価の危険性がある。
 
 今回の除染基準の見直しは4市で行ったガラスバッチによる測定結果を平均化した値がその根拠になっています。しかし、個々人の生活パターンにより被ばく量は大きく異なります。
(伊達市のガラスバッチ調査結果でも約5万3千人中3mSv以上の人が657人、5mSv以上の人が76人います。「ファクトブック」データより計算)
どのような生活パターンであってもその個人の追加被ばくが年間1mSv以下となるような環境を作り出すことが大前提です。そのためには従来どおり空間線量率による除染の目標を堅持すべきです。
 
 ガラスバッチは放射線業務従事者が放射線管理区域内での被ばくを測るためのものであり、体の前面からの照射を前提としています。放射能が環境中に拡散しており全方位から照射される場合にはガラスバッチの測定結果は過小評価となります。この場合は約3割過小評価であるとの報告があります。
(参照:「放射線防護に用いられる線量概念」平山英夫高エネルギー加速器研究機構他 日本原子力学会誌2013.2)
 
 ガラスバッチは成人作業者の胸部に着けることで正確な値が計測されるよう設計されています。装着忘れや不適正な装着方法などにより過小評価の危険性があります。なにより原発事故被害者である住民にガラスバッチ装着を求めその結果により被ばく量を住民に管理させることは人権上の問題でもあります。
 
(2) 被ばくリスク低減のためのあらゆる施策を考慮すべき。
 
報告書の中でも認めているように除染により0.23μSV/hを達成することが困難であるならば、そうした地域に住む住民には被ばくリスク低減のための、考えうるあらゆる方策を取るべきです。被ばくリスクを減らす手段としては除染だけでなく自主避難・移住希望者への住宅、生活、就職支援、保養の推進、健康診断の充実などさまざまな手段が考えられます。
今回の報告書が実質的に除染基準の切り上げとリスクコミュニケーションと称した一方的、一面的な情報周知以外に具体的内容がないのは住民の被ばくリスクを低減する立場からは極めて妥当性を欠いています。
 
(3) 「個の線量」を重視した管理は放射線業務従事者よりも高いリスクを住民に要求するものである。
 
労働安全衛生法・電離放射線安全規則では放射線業務従事者の被ばく防護のために「場の線量」と「個の線量」の二重の被ばく低減策を取ることを事業者に求めています。すなわち、事業者は年間5mSv以上(空間線量)となる恐れのある場所を放射線管理区域として指定し労働者がみだりに立ち入ることが無いよう管理することを求め、その上で業務の都合上一時的に立ち入る場合にその労働者個人の被ばく量(個人線量)を管理することを求めています。つまり「場の線量」と「個の線量」の二重の方策で安全対策を取るように規定しています。
 
(日本原子力研究開発機構・核燃料サイクル工学研究所放射線管理部の百瀬琢磨部長は2014年4月19日の個人線量計での調査結果報告会で放射線管理は一貫性が必要であり、個人被曝線量は「場の管理」には使えないと説明しています。)
 
 中間報告では「個の線量」に注目してガラスバッチ配布による「被ばく量把握」と除染基準の見直しを提言しています。これは被ばくによるなんのメリットも持たない一般住民に対して、放射線業務従事者よりも実質的に高いリスクを取ることを求めるものです。
 
 「法の下の平等」を求めた憲法14条からも、倫理的にも住民に放射線業務従事者よりも高い被ばくリスクを求めることは許されないことです。
 
以上
 
[要請者]
 
島薗進/上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長
崎山比早子/高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士
西尾正道/北海道がんセンター名誉院長
山田真/小児科医、子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表
村田 三郎/阪南中央病院 副院長
高松勇/小児科医・医療問題研究会
吉田由布子/「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク
高橋誠子/福島市民
満田夏花/国際環境NGO FoE Japan理事
青木一政/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)事務局長
 
放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会事務局
国際環境NGO FoE Japan内
携帯:090-6142-1807 
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203

2014年8月 9日 (土)

「議長解任を求め、政務官に直訴!」の要請文

あまりの事態に傍聴の女性たちが議長の解任を求め、政務官に直訴を行いました。
この直訴の背景や状況については、下記の記事をご覧ください。
 
要請文は以下の通りです。決死の直訴を行った関東ネットのみなさまに拍手です。
----------------------------------
2014年8月5日
井上信治環境副大臣殿
浮島智子環境政務官殿
 
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う
住民の健康管理のあり方に関する専門家会議
座長解任と進め方見直しの要請
 
 かねてより、多くの被災者・支援者や自治体が「原発事故子ども・被災者支援法」(以下略して支援法)13条2項・3項に定める健診や医療費の減免措置などの健康支援を、汚染状況重点地域など幅広い地域で実施することを求めてきました。政府は、こうした強い要望に対して、専門家会議を設置して検討するとしました。本専門家会議は、このような経緯で設置されたのです。
 
しかし、専門家会議では、現在まで被ばく線量の評価に関する限定的な議論がなされてきたにとどまり、健診のあり方や医療費の減免などについてはほとんど議論されていません。長瀧重信座長の強引な委員会運営により、警鐘を鳴らす外部専門家の意見は無視され、「被ばく量が小さいため、健診の拡大は必要ない」という結論ありきの会議運営が進められています。「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に未解明(支援法第一条)」であるにも関わらず、現状の把握より、限られた国際機関の知見のみを採用し、結論を導こうとする会議の進め方は改めるべきです。
 
長瀧座長は、6月26日に開催された第7回会合において、「支援法が成立した時代とは違う。」と、同会議の設置の背景になっている同法を否定する発言をされました。さらに、7月16日に開催された第8回会合では「この会議でがんが増えているということが結論になると大変」など、科学的根拠のない一方的な見方を示した上で、「誰が被ばくしているのか」などと、原発事故によって今なお被曝を強いられている被災者の心情を踏みにじる言葉を口にしました。
 
 原発事故に伴う子どもの「健康診断」については、2013年9月に、復興庁が支援法の基本方針を策定するにあたり実施したパブリックコメントにおいて、1200にものぼる意見が寄せられ、要望が最も強かった項目です。支援法第十四条には「被災者の意見を反映」するよう定められているにもかかわらず、長瀧座長の一方的な議事進行や発言は、法の理念や被災者の声をないがしろにしており、期待を裏切られた思いで、容認いたしかねます。
 
 様々な専門家の視点や意見をしっかり受け止め、偏りの無い公正な議事進行ができる方に会議を運営していただきたく思います。
以下、要望します。
 
1、 長瀧座長を即座に解任してください。
2、 「子ども被災者支援法」の趣旨に則った会議を実施してください。
 
以上
 
<賛同団体>41団体
放射能からこどもを守ろう関東ネット/放射能汚染から子どもたちを守る会・野田/吉川健やかネット/こども東葛ネット/松戸市PTA問題研究会/流山・東深井地区のこども達を放射能から守る会/放射能汚染から子どもを守ろう@守谷/環境とエネルギー・柏の会/流山市放射能から子どもを守るネットワーク/常総生活協同組合/北陸避難者ネットワーク/郷土教育全国協議会/常総市の子ども達を守る会/我孫子の子どもたちを放射能汚染から守る会/鎌ヶ谷市放射能対策 市民の会/SCRmisato/白井子どもの放射線問題を考える会/子どもの未来を守ろう@うしく/放射能NO!ネットワーク取手/大気汚染から生命を守る会/福島原発30キロ圏ひとの会/那須野が原の放射能汚染を考える住民の会/福島原発事故緊急会議/緑ふくしま/虹とみどりの会/避放射能子ども保養所「まちの縁側かもがわ」保養プロジェクト/FoE Japan/福島老朽原発を考える会/ふくしま地球市民発伝所/支援交流「虹っ子」/「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク/避難・移住・帰還の権利ネットワーク/ハイロアクション福島/原子力教育を考える会/NPO法人子ども全国ネット/食政策センター・ビジョン21/ママレボ編集部/高木学校/つながろう!放射能から避難したママネット/「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟/関東子ども健康調査支援基金
 
<個人賛同>31人
大賀 あや子/西川 峰城/海棠 ひろ/蛇石 郁子/勝又 國江/満田 夏花/阪上 武/堀田 ちえこ/阿部 治正/小宮 清子/黒田 まり子/瀬戸 大作/宇野 朗子/塩崎 雅一/森園 かずえ/橋本 あき/垣内 成子/武藤 類子/大河原 さき/千葉 澄子/飯塚 進三/鈴木 絹江/萩原 ゆきみ/伊藤 圭一郎/庄司 郁子/石川 嗣郎/谷山 智子/木村 雅英/堀江 庸則/堺 勇人/矢野 恵理子

異例続きの環境省専門家会議~傍聴の女性たちが、議長解任を求め、政務官に直訴!


FoE Japanの満田です。
 

140805_jikiso環境省が開催する「原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」は、長瀧座長による異様で強引な会議運営に批判が集まっています。何がなんでも、被ばくの影響を「小さい」、福島県外での健康調査は「必要ない」、福島県健康調査の項目を増やすことも「必要ない」とする結論に導こうとする意図がみえみえです。

あまりのことに、たまりかねた傍聴の女性たちが、浮島政務官に座長解任を求める要請書を提出!(写真提供:和田真さん。写真左が浮島政務官、右が長瀧座長。)

 

Photo 傍聴席からは、「偏向座長いらない」「良心あるのか」という無言の抗議も。

「なんで~?」と思われる方もいるかもしれません。これにはやむにやまれぬ深~いわけがあります。

そもそも環境省の専門家会議は、2名を除き、放射線に関する安全神話を築き上げたといっても過言ではないような委員たちが占めています。いままでひたすら、甲状腺被ばく線量評価に時間を費やし、非常にあやふやな調査をいじりまわして、「大したことがない」という結論を導こうとしていました。

 
ところが、7月16日に開催された同会議では、福島県医師会副会長の木田光一氏をはじめとする5人の外部専門家が、それぞれ、チェルノブイリ原発事故における知見や現在の福島県健康調査の分析結果を踏まえ、甲状腺がん以外の調査の必要性、甲状腺がんの多発という状況を踏まえての対応、被ばく評価の抜本的な見直しなどを提言しました。
 
参考人「健康調査や線量評価の抜本見直しを」環境省会議
 
 
この回の外部専門家は、そうそうたるメンバーでした。福島県医師会の木田光一副会長、獨協大学の木村真三准教授、菅谷昭松本市長、岡山大学の津田敏秀教授、東大の森口祐一教授。このようなメンバーになったのは、超党派の国会議員から構成される「子ども・被災者支援議連」が環境省に対して申し入れがあったからでした。この背景には、被災当事者や支援者のもつ危機感がありました。
 
招聘された外部専門家の一人、岡山大学の津田敏秀教授は、線量評価のみにこだわるのではなく、現在生じている健康影響に目を向けるべきであるとしました。「あなた方が相手にしているのは生きている人間なんです。現実をみてください」という津田教授の熱のこもった発言に共感した傍聴人から、自然な拍手が沸き起こりました。私も思わず拍手してしまった一人です。環境省の職員が飛んできて、怖い顔で睨み付け、拍手を阻止しました。
 
このとき、長瀧座長は、「これはしめしあわせての拍手ですか」という趣旨のことを言ったので、あまりのことに、私は思わず、「良いことを言ったから拍手しただけです」と発言してしまいました。私が不規則発言したのはその一回でしたが、議事を妨害したという理由で、次回からの傍聴は拒否されました。
 
市民が意見をまったく反映せずに問題のある委員構成ではじまった環境省の専門家会議。ささやかな拍手でさえ許されない、異様なものとなっています。
 
長瀧座長は、甲状腺癌の多発をきわめて説得力のあるデータで示し、早急の対策を求める津田教授の発言を「ユニーク」と一蹴。
 
それ以外の提言もあっさり無視されてしまいそうな情勢なのです。
 
この事態に、前述の「子ども・被災者支援議連」も再度要請書を出し、結論を出す前に、被災者からのヒアリングを行うこと、外部専門家の意見を反映させること、とりまとめ案をパブリック・コメントに付すことなどを環境省に申し入れています。
要請文は下記から見ることができます。
 
…というような経緯がある注目の専門家会議。
 
傍聴していた阿部治正さんからの報告をご本人の了解を得て、転載します。
以下引用です。

 
異例続きの環境省専門家会議~傍聴の女性たちが、議長解任を求める直訴
 
8月5日、午後5時から8時半まで、「第9回東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」が開催されました。今回の専門会議は、前回の会議における5名の外部専門家による異論や批判的な意見の提出、正規委員達がそれにまともに受け答えできない不勉強ぶりの露呈に続いて、再び極めて異例な会議となりました。
 
異例さの第1は、会議が始まる直前に、傍聴の女性たちが長瀧重信座長(長崎大名誉教授)の恣意的で独断的な会議運営に抗議し彼の解任を求める要請文を、浮島政務官に手渡すという事態が発生したことでした。要請文を手渡したのは、この会議に毎回数名の傍聴者を出して参加してきた関東ネットの母親達でした。また会場では、「偏向座長は要らない」「良心はあるのか」「国民の声を聞け」などの紙を掲げる傍聴者もいました。環境省の職員がこの行為を制止しようとしましたが、声をあげているわけでもない傍聴者から逆に「シー、静かに!」と注意をされる始末でした。
 
(要請文はこちらを参照 http://www.abeharumasa.jp/kainin-yousei
 
異例さの第2は、これまで長瀧座長の会議運営に付き従い、御用意見を展開してきた本間俊充委員(日本原子力開発機構)や阿部正文委員(福島県立医科大)などが、「中間取りまとめに向けた線量評価部分の要点(案)」への疑問を呈したり、明確な批判的意見を述べたことでした。阿部委員は、“福島県内の外部被曝は5mSv未満が99.8%だと言うが、それがすべてではない。不確実性がある”等々と発言。本間委員に至っては、“これではミスリーディングをもたらす。100ミリを超える被曝を受けた住民がいたとは考えられないという記述と、その可能性を否定することが出来ないという記述の併存は、科学的にはあり得ない文章。こういうまとめ案をつくることがいいのか自信がない、まとめの前の段階の長い文書についても問題がある”等々と言い出す始末でした。
 
御用委員の中からのこうした非協力と不満の声の表面化は、御用委員の幾人かが、こんな結論に共同責任を負わされたのではたまらない、という気分に傾き始めていることを示すものです。彼らは、「難破船(環境省=長瀧体制)から逃げ出す鼠」のごとく、責任回避に走り始めているのです。
 
異例さの第3は、この会議の正規メンバーの中で春日文子委員(国立医薬品食品衛生研究所)とともに良心的な見解を述べ続けてきた石川広巳委員(日本医師会)の発言によって、長瀧座長が想定していた会議のスケジュールが変更されたように見えた点でした。石川委員は、これまでの8回にわたる会議がもっぱら線量評価や健康リスク評価に費やされた来たことにいらだちを示しつつ、この会議の目的は子ども被災者支援法の趣旨に則って健康調査や医療施策についての方向を示すことにある、すぐにでもそうした議論に移っていくべきだと述べたのですが、これに明確に異を唱える委員は現れず、長瀧座長はしぶしぶ“線量評価、リスク評価と健康調査にあり方の検討の同時並行”という苦肉の方向を示さざるを得ませんでした。
 
そもそも、大方の委員たちは、線量評価についてだけは自分は専門家として振る舞える、この議論で福島原発事故がもたらした被曝線量は大したことは無いという印象をつくりだし、だから被曝リスクも小さいと決めつけ、そして健康調査や健康管理の必要はないと強引に結論づけるつもりでした。しかし、石川委員や春日委員の発言によって、また前回の5名の外部専門家達の発言によって、そして何よりも毎回の傍聴を続けてきた多くの市民の監視とチェックによって、御用学者達のこの目論見は脆くも崩れつつあります。
 
長瀧座長は、よっぽど悔しかったのでしょう。石川委員の発言への皮肉のつもりで“甲状腺を取ってしまえば心配ない、10人に1人、100人に1人の甲状腺を取っても安心であれば良いのではないかという考えについてはどうか”などと発言をしましたが、この日、外部委員として招かれていた宮内昭氏(隈病院院長)に、“それは極端な議倫”とたしなめられる有様でした。こうした子供じみた発言を公式の場で平気で行えることの中に、長瀧座長の「専門家」としての資質とレベルがどの程度のものか、見事に、端的に、示されていると言えます。
 
環境省と長瀧座長は、この専門家会議を出来るだけ早く店じまいにしたいようです。しかし今回の会議における議論によって、健康調査、健康施策の議論にも時間を割かざるを得なくなるでしょう。またいったん信頼と権威を失い始めた環境省=長瀧体制は、今後は内部の御用委員達を今まで通りにつなぎ止めることも難しくなっていくに違いありません。
 
専門家会議への監視とチェックを、さらに強めていきましょう。
長瀧座長の解任を求める声をさらに大きくしていきましょう。
 
会議の全容は、アワプラネットをご覧下さい。↓

2014年8月 6日 (水)

川内原発の要援護者避難~いちき串木野市、全施設向けアンケート結果


川内原発に隣接する鹿児島県いちき串木野市の市民団体、「避難計画を考える緊急署名の会」は、市内のすべての社会福祉施設・医療機関に対し、アンケート調査を行い、8月6日付で発表しました。

 
また、アンケート調査結果を鹿児島県に提出し、行政がきちんと要援護者の置かれている状況について把握すべきであること、10km以遠の要援護者の避難計画がたてられていない中、再稼働をすべきでないことを訴えました。
 
アンケートの調査結果概要は以下の通りです。PDFダウンロード⇒こちら


2014年8月6日
避難計画を考える緊急署名の会

川内原発・避難計画に関する

医療・社会福祉施設向けアンケート

結果概要

「避難計画を考える緊急署名の会」では、このたび、原発事故の避難についての意見、計画の策定状況や、策定の際の困難に関して、市内の医療機関・社会福祉施設向けのアンケートを実施しました。
 
アンケートは2014年7月21日~8月5日まで実施し、市内のべ71施設 (医療29、社会福祉42)に配布し、48施設から回答を得ました。
 
その結果、9割の施設が避難計画を策定していないこと、多くの施設が現在の行政の計画に「問題がある」と考えており、策定に困難を感じていることなどが明らかになりました。
結果概要は下記の通りです。
 
1.アンケート実施主体:「避難計画を考える緊急署名の会」
 
2.実施時期:2014年7月21日~8月5日
 
3.アンケート実施対象
 
市内の医療機関、社会福祉施設のべ71施設
(うち、医療機関:29  社会福祉施設:42)
 
4.回答数  48  (うち、医療機関:17  社会福祉施設:31)
 
5.結果概要
 
1) 原発事故の際の避難について、行政から聴き取り調査や説明などを受けたことが「ない」とする回答数は41であり、「ある」と回答した施設(5)を上回った。
 
【今までに原発事故の際の避難について、行政から聴き取り調査や説明などを受けたことがありますか】
 

Table1_3

 

Fig1

 
2) 施設管理者が避難計画を策定することを、「知らなかった」とする回答数は28であり、「知っていた」とする回答(19)を上回った。
 
【鹿児島県の原子力防災計画では、原発事故の避難計画は施設の管理者が策定するとされています。このことをご存じでしたか。】
 

Table2_2

 

Fig2

 

 
3) 市の定める通院者・通所者、入院者・入所者への対応の具体的な内容について、知らなかったとする回答は、知っていたとする回答を上回った。どうやって知ったかという問いに関しては、「知り合いからのクチコミ」という回答が最も多かった。
【いちき串木野市の避難計画では下記のようになっていますが、ご存知でしたか。】
「福祉施設等への通所者は、原則、速やかに自宅へ送り届けることとする。」
 

Table31_2

 
「入院患者・施設入所者については、安全な地域の病院・施設への移動転院・入所対応を前提とし、各施設管理者が定める避難計画に基づき対応する。入院患者・入所者等を避難させた場合は、県に速やかにその旨を連絡する。」
 

Table32_2

 
 
知っている場合、どのように知ったか? 

Table33_2

 
4) 避難計画を策定したとする回答は3にとどまり、ほとんど(43)は策定していないと回答した。
【あなたの施設では、避難計画を策定しましたか。】
 

Table4_2

 

Fig4_2

 

 
5) 避難計画の策定に関して、「策定は困難だが、なんとか策定」という回答がもっとも多く(18回答)、「策定は無理」とする回答も11回答あった。
【避難計画の策定について、どのようにお考えですか。】
 

Table5_2

 

Fig5

 
6) 具体的な困難・問題点として、「受け入れ先を見つけることが困難」(27回答)、「車両が足りない」(24回答)、「職員が足りない」(22回答)、「独居や認知症の人を送り届けることは問題」(22施設)などについて「該当する」とする回答が多かった。
 
【「当てはまる」と思うものに印をつけてください。】
 

Table6_2

 

Fig6

 
7) 行政の避難計画に関して意見を問うたところ 、「問題がある」との回答は41、「問題がない」と回答した施設はなかった。
 

Table7_2

 
8) その他、下記のような意見がよせられた。
<避難計画の策定全般に関する意見>
  • 避難計画の策定が出来ない
  • 避難計画を策定しないといけないでしょうが、現実離れしたものでしかないと思う
  • 避難計画を策定してもその時の院内状況に左右されるので、避難計画策定は困難に思う
  • もう少し具体的な案を考えてほしい
  • 通常人の避難が優先され、一段落して要援護者に就いて、実情に応じ対処するべき
  • 事故が起きたら、おしまいと思っていた方が良いようだ
  • 安全な地域まで、どうやって移動するの?
  • 車で避難しかないと思うが、何時間かかるか想像もつかない
  •  高速の橋脚が怖い(有事の時は通れない)
  • どこに向かって避難すれば良いか、わからない
  • ほぼ、入院患者は重症で避難は、医療設備のある救急車が必要であり、バスでは無理
  • 緊急避難であるとしても、前もって準備が出来ている場合なので、せめて個人のスペースはもう少しゆとりを持って欲しい
  • 問題は、緊急避難後に生活していく場所の確保ではないか?
  • 受け入れ可能な安全な施設が存在するのか?足りるのか?
  • 市民の啓発活動が、もっと必要ではないか?自分でも納得出来ない理解し難い面が多々ある
  • 一旦、その場で待機。しかるべき人が助けに来る
  • 原発に近い方面や独居の通所利用者を自宅に送り届けるのは問題
  • 「速やかに自宅」とあるが川内が自宅の方は、どうするの?
  • 自宅は無理に近い。渋滞が予想され、帰って来られない
  • 独居の方やご家族と連絡が取れない時の対応の仕方
  •  1人暮らしの方など、送り届けた後も心配
  • 緊急性を伴う内容であるので、施設→自宅→避難場所と、プロセスが1つ増える事により、2次災害の危険性が高まる
  • 1人で暮らしている方や認知症の方は、家族の居ない時に帰したら、その後の行動はどう行えばよいか分からなくなり施設側の責任になるのではないか?
  • 災害時に家に帰されても困るし、近所は遠くて助け合いが出来るのか心配
  • 何年も自宅で看ていない家族が受け入れられるのか?また、看られるのか?自宅介護が無理との判断で入所されているのに、自宅に送り届けは無理があると思う
  • 「福祉施設の通所者は、すみやかに自宅に送り届ける」とあるが、家族が留守の場合等の問題あり
  • 家族が受け入れてくれるか心配
  • 自らの意志で行動出来ない方の対応に関しては、プロに任せるのが望ましい
  • 老若男女健常者でも「避難をする事は、大変な事と思う。
  • 安全に安心して避難出来なければ、避難する意味がない
  • お年寄り子供等、一人で避難出来ない人もいる。安易に避難と言うが、とにかく大変、無理
  • 避難が昼の場合、若い方は仕事で居ない。近所の人達とあるが、残っているのは高齢者がほとんど?
  • 要援護者っでなくても高齢者は助けが必要では?
  • 通常人の避難が優先され、ひと段落して要援護者に就いて、実情に応じ対処すべき
  • 後回しにされる可能性あり
  • 利用者、家族(自分)の避難優先順位が判断できない
  • 認知症等、何かしら病気のある方にとっては、避難する事自体にストレスがかかるのではないか?
  • 移動手段(福祉車両職員)の確保が困難。また、距離が長いので移動中の事故、体調の急変が考えられる
  • 混乱している状況下で近所の人達が助けてくれるとは限らない
  • 自分たちの避難も考えなければならない
  • 理屈では分かっていても大変な事になるのでは?
  • いざという時は、自分の事でパニックになると思う
  • 事故が起きた時に近所の人に依存しても良いの?(誰しも自分が大事)
  • 車移動の時間は、想像もつかない
  • 施設や病院等に入っている方を避難させるのに何十回も往復しなければならず、全員を避難させるのに数日かかると思われる。
  • もう少し、具体的な避難を考えるべき
  • 避難計画には、まだまだ課題があると思うので、再度、検討してほしい
  • 行政には、もっと計画に関して主導して指示、説明等をしてほしい
  • 机上の避難計画では何にもならない。避難者はいちき串木野市民だけでなく、川内や日置市民も同様に避難すると考えられ、道路は車両や人で混雑し渋滞予想される。
  • 計画を組んでも、そこまでたどり着く時間を考えるとなかなか問題(1~2日かかると聞く)
  • 行政は、まずどの地域に何人の要援護者があるのか?元気な高齢者でも自力で避難は可能か?
  • 車椅子、まったく歩けない等、全ての事を把握した上での避難計画なのか?訓練は?
  • 私の住む地域はほとんど高齢者なので助けを求めても誰が助けに来てくれるのか?
  • 実際のシュミレーションが、まだ出来ていない為漠然すぎて。災害の時は、すべてに困難になると思うので、何から取り組むといいのか分からない
  • 行政として市民同様に施設や病院に入っている方々の避難対策の計画や仕方等の検討をお願いしたい
  • 計画が出来ても、計画通りに行くか?
  • 施設単独では、避難先の確保が出来ない。自施設の職員も派遣しなければならない
  • 避難先での生活、過ごし方が不透明で良くわからない
  • 避難期間の長期化にどのように対応出来るのか?その場合、精神的なケアがどこまで可能か?
  • 今現在、どうして良いか分からない
<在宅の要援護者が通常の人たちと同様に避難、それについての意見>
  • 現実的でない
  • それぞれが避難するのに必死
  • 緊急時にすばやく行動するのであれば行政の動きを待っていては遅い。身近にいる人同士が話し合い助け合いで動いていく事は、取り敢えず初動としては合理的で妥当だと思う
  • 避難先を確保する事を、まず優先する
  • 2㎡の床面積は狭いが、状況によっては仕方が無い。その後の対応は必要
  • 平時、要援護者は避難準備し、介助者と連絡を密にしておくべき。即時対応が困難な事を理解してもらう
  • 別のコーナーやベッドが必要
  • 床面積2平方メートルほどで暮らしていけるか疑問
  • 床面積2㎡では狭い
  • 体育館のトイレが、室内にあるとは限らない
  • 和式のトイレだと、老人はほとんど使用できない
  • 避難人数により、状況が変わるので広さ等は何とも言えない
  • まず移動が難しい
  • 避難所が狭い
  • 床面積2平方メートルは高齢者には、狭い
  • 「近所の人達との助け合い」と書いてあるが本当に助けてくれる?
  • 近所付き合いがうまくいっていない人は、どうするのか?
  • 移動が困難。入所者のメンタル面にも不安
  • 時間帯により、近所の人達の助け合いが困難な場合がある
  • 在宅の要援護者が独居の場合、避難は困難ではないか
  • 認知症の方が、地域の人と同じ場所で期限の無い中の共同生活はお互いに不安ではないか?
  • 認知症利用者の対応が難しく、独りに出来ない
  • 認知症や体の不自由な人、専用のスペースが欲しい
  • 緊急(原発に限らず)の際の対応として受け入らざるを得ない状況もあると考える
  • 医療行為を行わねばならない為、それなりの設備がある等でなければならないと思う
  • 元気な方の対応は、ある程度出来ると思う。小児やお年寄り(など特に病気もちや寝たきり)の方にとっては大変厳しい環境になると考えられる。冷暖房設備の有無にもよる
  • 何に対しても大変。車椅子、トイレ、避難所も狭い
  • 現実として、未だ考えられず
  • 後回しにされる可能性あり
  • 自治公民館から要配慮者の避難計画についての説明は無い
  • 高齢者は横になれるスペースが必要。座っている事が出来る人は、ほとんど居ない。広さは重要
  • 緊急事態において、プライバシーの確保等については、優先順位として最優先事項ではないか
  • 適切なケアを行うにあたり、ある程度スペースは必要
  • 平時、要援護者は避難準備をして、介護者と連絡を密にしておくべきである。即時対応が困難な事を理解してもらう
  • 体の不自由な方や認知症に理解のある方がおられれば、助け合いは可能だが、理解が無ければ対応に困ってしまうのではないか?
  • 要援護者と一言でまとめているが、それぞれ要援護の度合が違うので、通常の人達と同じ対応で良いのか?判断できない
  • 認知症で健常者と一緒に居る事に安心もあるが、不安の方が大きく難しいと思う
  • 健康な人でも窮屈な面積。認知症の方にとっては、精神的にも圧迫のある面積です
  • 通常の方と一緒の避難は難しいのではないか?オムツやパットを使用する寝たきりの方にとっては、狭いかもしれない
 
以上 
 
(協力:FoE Japan 満田夏花)
 
問い合わせ先:避難計画を考える緊急署名の会
〒896-0021  いちき串木野市住吉町  134番地
TEL   0996-32-9726 FAX   0996-32-9727

原発の避難問題に関する政府交渉(8/21 13時~@参議院議員会館)



鹿児島県の伊藤知事は、「10km圏外の要援護者の施設の避難計画は必要ない」という趣旨の発言をしました。

これを援護するように、原子力規制庁は、5km圏外の要支援者の避難先は事前にきめなくても、調整する枠組みさえ決まっていればよいという方針を打ち出そうとしています。
 
しかし、福島原発事故の場合、発災の翌日には、20km圏内に関して避難指示が出されました。要援護者も含むすべての住民が避難を強いられました。避難先も見つからずに、やむをえず体育館に避難し、命を落とした方もいらっしゃいます。
 
国のこの方針は、いまなお続く福島原発事故による被災者の痛みを踏みにじるものではないでしょうか?
 
8/21に原発の避難問題で政府交渉を予定しています! 川内原発を焦点としますが、すべての原発にも関係するテーマです。
 
政府がでてこなかった場合は、集会に切り替えます。
 
鹿児島から、佐賀から、関西から、避難問題に取り組んできたみなさまがかけつけます! 
ぜひ、ご参加ください。
 
原発の避難問題に関する政府交渉
 
【日時】:8月21日(木)13:00~
 
13:00~14:30 事前集会
14:30~16:00 交渉(相手方、規制庁。調整中)
16:00~17:00 事後集会
※12:30から参議院議員会館のロビーにて入館証を配布します。
※政府がでてこなかった場合は、集会に切り替えます。
【場所】:参議院議員会館講堂 (最寄駅:東京メトロ・永田町、国会議事堂前)
 
【内容】 ①原発再稼働の判断および責任について
 ②原子力防災計画・避難計画に関する国の責任について
 ③避難計画の実効性(風向き、スクリーニング、複合災害…)について
 ④要援護者の避難について
 ⑤川内原発ワーキングチーム(国・自治体から構成)での議論について
 ⑥地元同意の範囲について
 
【資料代】:500円
 
【呼びかけ】:反原発・かごしまネット、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、福島老朽原発を考える会、原子力規制を監視する市民の会、FoE Japan
 
【問い合わせ】 FoE Japan 満田 (携帯:090-6142-1807)
※カンパ歓迎! 遠方のみなさまの交通費に当てさせていただきます。
 通信欄に「8・21政府交渉」とお書きください。
 
★金融機関名:ゆうちょ銀行
★口座名称: 原子力規制を監視する市民の会
ゲンシリョクキセイヲカンシスルシミンノカイ)
ゆうちょ銀行以外からの振込口座
・受取口座: 店名(店番) 〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
・預金種目: 当座
・口座番号: 0449670
ゆうちょ銀行からの振込口座
・口座記号番号: 00140-5-449670
・加入者払込・払出店: 新宿神楽坂
 
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以下関連するお知らせです。こちらもぜひ!
 
<こちらは鹿児島>
★8/8  避難計画と原発再稼働を考える市民の集い in いちき串木野
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上岡直見さんの講演、菅直人さんの特別講演あり。
「緊急署名の会」が市内の医療施設・社会福祉施設に対するアンケート調査結果
を発表予定です。大注目!
【日 時】2014年8月8日(金)19:00~
【場 所】鹿児島県いちき串木野市 市民文化ホール(市役所のとなり)
【主 催】避難計画を考える緊急署名の会
【問い合わせ先】TEL.0996-32-9726
 
 
★8/24 原発と避難問題を考える集いin かごしま
←全国各地から、取組事例を持ち寄り、今後のアクションを議論しましょう!
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原発再稼働で本当に命は守れるの? 原発立地各地からの報告があります。
ぜひ、みなさま結集してください!
【日 時】2014年 8月24 日(日)13:00~17:00
【場 所】宝山ホール(鹿児島県文化センター)
 
<こちらは東京>
★8/12 FoE Japan報告会 「川内原発と避難問題~これで命は守れるの?」
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避難問題をめぐる最新の情勢を、現地調査や規制庁とのやりとりを踏まえて報告します。
【日 時】 2014年8月12日(火)18:30~20:30
【場 所】 地球環境パートナーシッププラザ(東京・表参道)
(東京都 渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F)
【資料代】 500円
※避難問題に関するパンフレット配布します。
 
★テーマ別パンフレット
川内原発~避難計画のここが問題 これでは命は守れない!
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PDFダウンロードはこちら
8/6から印刷版も配布しています。
印刷版の申込みはこちらのフォームから
https://pro.form-mailer.jp/fms/13b7183062932
(カンパにご協力を。1部100円目安)

2014年8月 5日 (火)

科学報道から考える「チェルノブイリと福島原発事故」(8/30 13時~@専修大学神田キャンパス)

OurPlanet-TVの白石草さんからのお知らせです。
FoE Japanも主催団体に加わっています。

科学報道から考える「チェルノブイリと福島原発事故」

 
福島第一原発事故から3年目。
汚染水漏れや瓦礫撤去による放射性物質の拡散が続く中
国は年間20ミリシーベルトとの基準で避難解除を進めている。
一方、福島県内の健康診断では89人もの子どもから甲状腺がんが見つかった。
福島は、チェルノブイリ原発事故とどこが異なり、どこが似ているのか?
過去と現在の被ばく影響に関する科学報道を通して、福島事故を考える。
 
日時:8月30日(土)13時~16時30分(12時50分開場)
会場:専修大学神田キャンパス731教室
交通:地下鉄九段下・神保町より3分
定員:80人・資料代:500円
共催:OurPlanetTV・FoEジャパン
   「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク・
協力:専修大学人文ジャーナリズム学科岩崎貞明研究室
 
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<第1部>
「汚染地帯で何が起きているのか〜チェルノブイリ事故から4年」を取材して
映像と解説  講師:室山哲也さん(NHK解説委員)
<第2部>
パネルディスカッション「科学報道から考える〜チェルノブイリと福島」
室山哲也さん(NHK解説委員)岩崎貞明さん(専修大学・メディア総研)
吉田由布子(「チェルノブイリ被害調査•救援」女性ネットワーク)
司会:白石草(OurPlanetTV)
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室山哲也さん(NHK解説委員)
1976年NHK入局。「ウルトラアイ」「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」
など科学番組プロデューサーの後、現職。1986年から5度にわたってチェルノ
ブイリ原発事故に関する番組を制作。モンテカルロ国際映像祭金獅子賞・放送文化基金賞
上海国際映像祭撮影賞・科学技術映像祭科学技術長官賞・橋田壽賀子賞ほか多数受賞。
日本科学技術ジャーナリスト会議副会長。日本宇宙少年団理事。大正大学客員教授。
東京都市大学特別教授。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ご予約:メールにて、件名に「「チェルノブイリと福島原発事故」参加希望」、本文に
    お名前と連絡先を記載の上、info@ourplanet-tv.orgあてにお申し込みください。 
    FAXでも構いません。ご参加いただける場合はご返信はいたしません。
お申し込み・お問い合わせ:OurPlanet-TV tel:03-3296-2720 fax:03-3296-2730
    Email:info@ourplanet-tv.org

2014年8月 3日 (日)

避難計画と川内原発再稼働を考える市民のつどい 8月8日@いちき串木野市 市民文化センター

避難計画と川内原発再稼働を考える市民のつどい
~ いちき串木野市民の過半数は再稼働に反対です~
 
「市民の生命を守る避難計画がない中での川内原発再稼働に反対する緊急署名」は皆様のご協力で7月14日、1万5,609名を超えました。署名継続中。
実効性のある避難計画がつくれないにもかかわらず、再稼働の準備が進んでいます。
このままではいけないと思い、このつどいを企画しました。
 
日時:8月8日(金) 開場 午後6時半 開始 午後7時   
 
場所:市民文化センター(串木野駅から徒歩10分、市役所のとなりです)
 
参加費無料   
 
プログラム
1)講演/原発避難計画の検証…上岡   直見さん(環境経済研究所代表/法政大学非常勤講師)
 
2)特別ゲスト  元内閣総理大臣   菅 直人さん
※総理大臣として直面した避難問題
 
3)パネルディスカッション
やっぱり逃げられない!?…いちき串木野市の避難計画の現状と問題点を具体的に考える      
 
   ◎主催者より署名などの報告
 
「避難問題調査プロジェクト」(緊急署名の会)
コーディネーター 満田 夏花さん(国際環境NGO FoE Japan理事)
 
4)今後の取り組みとお知らせ
 
主催:避難計画を考える緊急署名の会  
〒896-0021  いちき串木野市住吉町  134番地
TEL   0996-32-9726       FAX   0996-32-9727
※一部変更があるかもしれません、ご了承ください。
カンパのお願い
「避難計画を考える緊急署名の会」では、活動を継続していくためのカンパを募集しています。
鹿児島県やいちき串木野市への陳情行動、避難問題に関する市民への呼びかけなどに印刷費や通信費などの費用が必要です。
みなさまの暖かいご支援をお待ちしています。
<振込先>
郵便振替口座
01730-5-127815
「避難計画を考える緊急署名の会」

2014年8月 1日 (金)

全国各地の避難問題の事例を紹介!⇒原発と避難問題を 考える集い in かごしま(8/24 13時~@宝山ホール)

再稼働手続きが着々と進められる川内原発。

しかし原発事故時の避難計画は、「30km圏から外にでればよい」という内容で、放射性物質の拡散シミュレーションなどに即しておらず、10km以遠の要援護者の避難計画は立てられていません。原発再稼働が目前に迫る中「紙の上でとりあえず作った」といったのが実態です。

福島原発事故では、いったいどのような状況だったのでしょうか?

川内原発および全国の避難計画は? 私たちの命は守られるのでしょうか?

 

お誘いあわせの上、お気軽にご参加ください。

 

■日時:2014年8月24 日(日) 13:00~17:00

■場所:宝山ホール(鹿児島県文化センター)

    住所:鹿児島市山下町5-3?

    金生町バス停、朝日通り電停から徒歩3分

Photo_2

◆プログラム

  • 福島原発事故と避難の実態
  • 責任はどこに? 原子力防災と地元合意
  • 各地からの報告~鹿児島から、水俣から、佐賀から  福井・関西から
  • テーマ別討議
  • 避難経路・避難先
  • 要支援者の避難
  • スクリーニング・除染
  • 今後に向けて

 

◆参加費 無料 (カンパ歓迎)

※ カンパ送り先は下記(「8・24避難集会」とご連絡を!)

    郵便振替

    反原発・かごしまネット

    01780-7-137859

 

 

■主催:「原発と避難問題を考える集い」実行委員会

 

反原発・かごしまネット/川内原発建設反対連絡協議会/避難問題を考える緊急署名の会/原発避難計画を考える水俣の会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/脱原発福島ネットワーク/ハイロアクション福島/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/プルサーマルを心配するふつうの若狭の民の会/さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/さよなら島根原発ネットワーク/脱原発をめざす女たちの会・北海道/ベクレルフリー北海道/SHUT泊/泊原発廃炉をめざす会/福島老朽原発を考える会/原子力規制を監視する市民の会/グリーンピース・ジャパン/eシフト(脱原発・エネルギーシフトを実現する会)/FoE Japan

 

 

■問い合わせ先

(鹿児島) 反原発・かごしまネット(担当・杉原)

 〒890-0063、鹿児島市鴨池2-28-3-1411

  TEL/FAX 099-259-8882  携帯 090-5389-4146

(東京)原子力規制を監視する市民の会

 〒162-0822 東京都新宿区下宮比町3-12明成ビル302号

    TEL:03-5225-7213 FAX:03-5225-7214 携帯:090-6142-1807 

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8/12 FoE Japan報告会 「川内原発と避難問題~これで命は守れるの?」「帰国報告~トルコ原発輸出の最新情報」

急遽、日本の原発輸出先であるトルコ・シノップから帰国したばかりのFoE Japanの吉田明子さんからも短い報告を頂くことにしました。
 
再稼働手続きが着々と進められる川内原発。しかし原発の安全性の保障や再稼働の責任をだれもとっていないのが現状です。
 
いざ事故が起こったらどうなるのでしょうか?
 
鹿児島県および川内原発から30km圏内に入る薩摩川内市、いちき串木野市、阿久根市、鹿児島市、出水市、長島町、さつま町、日置市、姶良市、の9市町は、それぞれ「地域防災計画」の一環として、避難計画を策定しています。
 
しかし、これらの避難計画は、「30km圏から外にでればよい」という内容で、放射性物質の拡散シミュレーションなどは踏まえておらず、風下へ避難するような内容になっています。
10km以遠の要援護者の避難計画は立てられていません。
原発再稼働が目前に迫る中「紙の上でとりあえず作った」といったのが実態です。
さらに、最近、避難時間のシミュレーションの報告の中で、当初、記載されていた「市町ごとの避難方向・避難経路の提案」が削除されていたことが明らかになりました。
 
私たちは、2014年6~7月にかけて、薩摩川内市、いちき串木野市、南さつま市、枕崎市、姶良市、阿久根市、出水市、鹿児島市、および30km圏内の社会福祉施設、医療機関への聴き取りを行いました。また、いちき串木野市では、地元の市民団体に協力し、社会福祉施設・医療機関向けのアンケート調査を実施しました。
それらの結果を踏まえ、川内原発の避難計画の問題点について紹介し、原発の再稼働と避難計画について議論します。
 
また、あわせて、トルコ・シノップを訪問し、周辺自治体の市長に、日本の脱原発首長会議のメッセージを手渡した吉田明子から、現地の状況について報告します。
 
【日 時】 2014年8月12日(火)18:30~20:30
 
【場 所】 地球環境パートナーシッププラザ(東京・表参道)
           (東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F) >地図
            ※大きな蜂の写真と「生物多様性」と書いた看板のかかった建物の
               左側奥にお進みください。
 
【内  容】川内原発をめぐる最新情勢
            川内原発審査書案のパブコメのポイント
            川内原発における避難問題
            ディスカッション
            トルコ・シノップ原発の最新情報
            お知らせ
 
【報 告】 満田夏花・吉田明子/FoE Japan
 
【資料代】 500円
 
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2014年7月10日 (木)

要支援者が取り残され、施設に責任が押しつけられる川内原発の「避難計画」の矛盾

川内原発の避難計画全体の問題点はこちら
 
FoE Japanの満田です。このところ、鹿児島を訪問し、薩摩川内市、姶良市、南さつま市、枕崎市などの自治体、および社会福祉施設および医療機関を訪問しました。また、別途福祉関係者のみなさんと会合をもつことができました。
 
聴き取りを通じて、お年寄り、障害者、病人といった社会的弱者を見捨て、各施設に責任を押し付けるような避難計画の問題点や矛盾が明らかになってきました。
 
鹿児島県の避難計画では、10km圏外の社会福祉施設や病院、学校などの避難計画は、各施設の管理者が策定の責任が負うことになっているのです。
 
私たちが話しをした福祉関係者は、このことをほとんど知らず、とても驚いていました。そして、一つ一つ、リアルな根拠をあげて、原発事故が起こった時に要支援者を避難させることがいかに難しいかについて話してくれました。
 
1994年の水害の際には、日置市の「喜楽奈村」という特別養護老人ホームが水害にあい30人の入所者が避難しなければならなかったのを、3~4人ずつ7か所の施設で受け入れたそうです。しかも、受け入れ先施設の職員が迎えにきてくださって初めて避難が可能だったとのこと。この計算でいくと、100人の入所者がいる施設では、20施設くらいの受け入れ先がないと無理ということになります。
 
寝たきりの人、ゆっくりとしか歩けない高齢者、車いすの人、違う環境になるとパニックを起こす認知症の人。この人たちをどう避難させるのか。
 
自治体の計画をみると、「通所者は自宅に帰す」となっていますが、独居の人や、認知症の人、家族が昼間いない人を自宅に帰すわけにはいきません。
しかも、入所者の避難の傍ら、どうやって通所者を自宅に帰すのでしょうか。
さらに、職員にとっては、自らの家族や自分自身の命を守らなければなりません。
 
ちなみに、UPZ圏内には、医療機関は概ね87施設(入所定員は4,653人)、社会福祉施設概ね153施設(入所定員は5,747人)あります。
 

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以下、現在の要支援者の避難計画に関する状況をまとめてみました。
 
  • 現在、10km圏内の施設しか、避難計画は策定されていない。
  • 10km圏内についても、薩摩川内市は、避難先など避難計画の内容を公開していない。ちなみに、福井の例では、30km圏内の施設については、県が避難先の施設を調整し、一覧表としているが、そのような一覧表は公開されていない。
  • 10km圏外の社会福祉施設・医療機関は、管理者の責任で避難計画を立てることになっている。しかし、そのことは、ほとんど伝わっていない。(昨年9月、県から各施設管理者に通知が行っているようだが、いつまでに、どのように避難計画を策定するかについては書かれていない。)
  • 在宅の避難行動要支援者は、「地域の方の支援」により、避難又はバス避難集合場所に参集。通常の住民と同様、避難先の公民館や体育館に避難。与えられるスペースは、たとえば南さつま市、枕崎市などでは、一人当たり2平方メートル。
  • 福祉施設等への通所者は、「原則、速やかに自宅へ送り届けることとする」ことになっている。
  • 原子力規制委員会は、「屋内退避もあり」との方向:高齢者や入院患者ら避難することでリスクが高まるような要援護者は「無理に避難せず、屋内退避で安定ヨウ素剤を服用するのが合理的」としている。(しかし、いつ救助にくるかもわからず、物資・食料・燃料・医療用品に限界があるなか、「屋内退避」というのは体のいい「見捨て」に等しいのではないでしょうか。)
 
以下、社会福祉施設・医療施設の関係者(大部分がいちき串木野市)の困惑の声す。
 
  • うちの施設は、100床。受け入れ先など見つからない。少なくとも1箇所では無理。
  • 市の避難計画をはじめてみた。非現実的もいいところ。数行軽く書いてあることが何を意味しているのかわかっていない。まずは施設の現状を調査して、意見をきき、データを集めてから計画をたてるべき。
  • 夜勤は1名。入院患者は16名。寝たきりも多い。避難は不可能
  • 通所者の人を自宅に帰せと言われても、それが人道的かどうか。
  • 原発に近い羽島に住んでいる人もいる。独居の人もいる。
  • いまある車両だけでは、避難先まで何往復もしなければならないだろう。職員の車を使うことも考えている。ピストンが必要になるであろうが、果たして帰ってこれるのか?いったん避難区域圏外にでてしまえば、戻ってこれないのではないか。
  • 職員が、通所者を送り届け、同時に、入所者の避難をすることは無理。
  • 普通の車両では運べない。特殊車両は寝たきりの人や車いすの人をそんなにたくさんは載せられない。何往復かすることになる。
  • 送り届けている間、まだ避難できない入所者のケアはどうするのか?
  • 普通の避難より数倍の時間がかかる
  • 行政が現場に責任を押し付けているのではないか。
  • 「屋内退避」といったって、いったいいつまでの期間なのかわかない。救援はくるのか。物資や医薬品が限りがある中、そんな準備はできていない。
  • 透析患者はどうするのか。
  • 在宅の要支援者は、「地域の方の支援により避難」となっているが、普通は自らの家族で手いっぱいだろう。
  • 在宅の要支援者、たとえば認知症の人は、非常に敏感で、いつもと違う環境におかれるとパニックとなる。体育館や公民館ですごせというのは無理
  • 管理者はともかく、職員に、自分の家族を放っておいて、入所者の避難に従事させることは強制はできない。経営者である自分と妻は、入所者の避難に従事するが、職員は各自の判断にまかせる。
 
以上とりあえずの報告です。
 
今後、鹿児島のみなさまとともに、さらに聴き取りを進めたいと思います。
 
こんな矛盾がそのままになり、再稼働の手続きだけが進められていくのでしょうか? 結局、リスクを負うのは社会的な弱者になってしまいます。
 
それぞれの立場があり難しいかもしれないのですが、できれば社会福祉関係のみなさんが、「避難計画をつくるなんて無理」という声をあげてもらえないかと考えています。
 
解説映像はこちら(FFTV特集88:これでも再稼働?~弱者切り捨て 川内原発の避難計画)↓
 
 
 
 

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2014年7月 3日 (木)

これでも再稼働?~川内原発の避難計画の問題点についてまとめました~

このところ、鹿児島の市民のみなさん、各地のみなさんとともに、自治体(薩摩川内市、いちき串木野市、枕崎市、南さつま市、姶良市)や、社会福祉施設や関係者への聴き取りを行いました。これらの聴き取りを踏まえ、また公開されている資料や報道などを踏まえ、川内原発の避難計画の問題点についてまとめました。

1 結論から言うと、到底実効性がある計画とはいえません。とりわけ問題なのは、風下への避難が多いこと、放射性物質の拡散シミュレーションを踏まえていないこと、10km圏外の社会福祉施設・病院などに、避難計画策定の責任を負わせてしまっていることです。
こうした中、形だけの「避難計画」のもとで、再稼働の準備だけが進められています。地元住民からも多くの疑問の声があがっています。
 

川内原発の避難計画の問題点について
 
パンフレットつくりました。PDFのダウンロードはこちら
 
鹿児島県は今年5月27日、原子力防災計画(平成25年度)を発表した。これに基づき、川内原発から30km圏のUPZ内にある薩摩川内市、いちき串木野市、阿久根市、鹿児島市など9市町は、それぞれ防災計画を策定している。
 
しかし、現在の原子力防災計画には少なくとも以下のような問題があり、実効性がある計画とはいえない。
 
1.風下への避難
 
計画は放射性物質の拡散シミュレーションを踏まえたものではない。
 
薩摩川内市の住民の避難先は、鹿児島市、姶良市、南さつま市などであり、いちき串木野市の避難先は、鹿児島市、指宿市、南九州市、枕崎市などであり、いずれも南東の方向である。川内原発の周辺は北西の風が吹くことが多く、風下の避難となる可能性が高い。
 
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(左図はいちき串木野市の場合。出典:「いちき串木野市原子力災害住民避難計画」平成24年3月。右図は薩摩川内市の場合。出典:「薩摩川内市原子力災害対策暫定計画」
 
2.30km圏内に限定した避難
 
30km圏内に限定した避難計画となっている。たとえば、川内原発から東側30~40kmに位置する姶良市においては、同市のもっとも原発に近い松生集落(人口11人)が30km圏にかかっているが、わずか十数km東に離れた蒲生高齢者福祉センターに避難することになっている。しかし、風向きや地形によって、放射性物質の拡散状況は大きくことなる。福島原発事故において、30~45km圏の飯舘村に避難指示がでたことを踏まえれば、30km圏外で避難が必要でないという保障はない。30km圏外に出ればすむという計画では不十分であり、少なくともいくつかのシナリオが必要である。
 
(参考:南日本新聞2014年5月28日付記事「避難先風下のおそれ~事故時9市町村計画」)
 
 
3.受け入れ先の想定
 
環境総合研究所の放射性物質拡散シミュレーションによれば、避難先となっている鹿児島市、南さつま市などでも一時移転の基準であるOIL2(20マイクロシーベルト/時)に達するという結果がでている。この場合、受け入れ自治体にも、一時移転の指示がでることになり、避難住民および受け入れ自治体の住民の避難を行わなければならない。現在の計画ではこのようなことは想定されていない。
 
 
4.避難時間シミュレーション
 
避難時間に係るシミュレーションについては、各市町とも、県が行うとしている(注1)。一方、鹿児島県は、5月29日、避難時間のシミュレーションを発表し、13のシナリオを想定して原発から30km圏内の住民の9割が圏外にでるまでの時間を最長で28時間45分としている (注2)。しかし、30km圏内から圏外への避難時間が示されているだけであり、避難先までの時間が示されていない、市町別の時間が示されていないなどの問題があり、自治体や住民からの疑問には答えていない状況である。
 
5.二段階避難
 
現在の計画は、まずPAZ(5km圏内)の住民が避難し、OIL1、2 (注3)に基づいて、UPZ(30km圏内)の住民が避難する計画になっている。しかし、これが現実可能かどうかについては住民から疑問の声も多くあがっており、検討が必要としている自治体もある(注4) 。
 
6.避難経路
 
住民は自家用車または自治体が用意したバスにより避難することになっている。
しかし、避難経路が限られており、海沿いや山中の狭い道も少なからずある。悪天候や高波の場合、通行不能になる恐れがある。
 
また、国道3号線などに避難車両が集中し、渋滞が引き起こされる可能性も指摘されている。
 
7.要支援者の避難
 
病院・福祉施設など支援が必要な患者や寝たきりの高齢者などが入所している施設の避難計画が、現段階で5km圏内までしか策定されていない。
 
避難先の自治体も、こうした要介護者を受け入れる準備が整っていない。
 
また、10km圏外の病院や福祉施設は、各施設の管理者の責任で避難計画を策定することになっているが、これは行政の責任の放棄ではないか。各施設は計画が立てられず困惑の声があがっている(注5) 。
 
伊藤祐一郎知事は要援護者の避難の問題について、「原発から10キロ圏までの要援護者の避難計画はつくるが、それ以外の計画は作らない」という趣旨の発言を行った。これについては、最も配慮が必要な要援護者を見捨てることにもなり、人権上も大きな問題である。
原子力規制委員会は、要援護者は「無理に避難せず、屋内退避で安定ヨウ素剤を服用するのが合理的」としている。しかし、必要な期間が不明なままで、周辺住民が避難する中での屋内退避は、物資・食糧・燃料・医療用品などが途絶える可能性もあり、実質的な「見捨て」となる恐れがある。
 
8.長期にわたる避難
 
避難計画は、原子力災害の特徴である長期にわたる避難を想定したものではない。
受け入れ自治体が準備した避難所も、そのような想定にはなっていない(注6) 。
 
9.スクリーニングおよび除染
 
避難者の被ばくを防止するため、また放射性物質の拡散を防ぐため、避難する住民や車両のスクリーニングおよび除染は重要であり、原子力規制委員会の原子力災害対策指針において位置付けられている。体表面のスクリーニングの基準はOIL4として、表面の汚染密度で 120 Bq/cm2(40,000cpm。β線)で、各地の地域防災計画でもこの基準が採用されている。福島原発事故直後の基準値は 40 Bq/cm2(表面汚染密度)で、小児の甲状腺等価線量に換算すると 100mSv に相当するものであった。現在の基準はこの3倍となっている。
また、場所および除染の場所や器材については、現在、ほとんど決まっていない状況である(注7) 。
 
10.住民の意見の反映
 
現在、鹿児島県および各自治体が、住民説明会を行っており、少なからぬ住民が上記のように具体的な問題点を指摘、質問をしている(注8) 。しかし、県および市当局はこれにきちんとした回答を行っていない。
 
UPZ内のいちき串木野市の市民団体が、全人口の過半数の署名を集め、市および市議会に「住民のいのちを守る避難計画がない状態での再稼働に反対」という趣旨の陳情を行った。これを受けた形で、市から「市民の生命を守る実効性のある避難計画の確立を求める意見書」が全会一致で可決された。
県・市の行政はこれらの疑問に十分に答えておらず、住民からの意見をどのように計画に反映させるのかも示していない状況である。
 
以上
 
(文責:満田夏花/原子力規制を監視する市民の会、FoE Japan)

注1)2014年6月11日反原発・かごしまネット「原子力災害対策に関する質問」

注2)平成26年5月29日鹿児島県「避難結果シミュレーションの結果」
 
注3)原子力規制委員会が定めた原子力災害対策指針では、下記のように定められている。
OIL1:500μSv/h…数時間内を目途に区域を特定し、避難を実施(避難が困難な者の一時屋内退避を含む)
OIL2:20μSv /h…1日内を目途に区域を特定し、地域生産物の摂取を制限するとともに、1 週間程度内に一時移転を実施
 
注4) 2014年6月11日反原発・かごしまネット「原子力災害対策に関する質問」によれば、9つの避難元自治体のうち7つの自治体は、協議や検討が必要としている。
 
注5)2014年6月30日、7月1日、2日にかけて、いちき串木野市や薩摩川内市の10km~30km圏の4施設および福祉関係者からの聴き取り結果による。聴き取りでは、一つ一つ具体的な事例をあげて、要支援者の避難が困難を極め、施設管理者に計画策定を負わせることがいかに酷なことであるかが示された。詳細は、別紙を参照。
 
注6)枕崎市、南さつま市への聴き取りによれば、一人あたりの床面積は2平方メートルと非常に狭い。
 
注7)唯一明らかになっているのが、日置市で同市総合体躯館および市中央公民館を確保しているとしているが、避難経路から入りこんだところにあるため、渋滞や混乱なども予想される。
 
注8)薩摩川内市、いちき串木野市での説明会では、「風向きによって避難先を変えるべき」「地震などで避難ルートの道路が通れなくなった場合はどうするのか」「福祉施設で働いているが、入所者の避難と、家族の避難との板挟みになる」「(老人向けの)施設が避難先の各市でたくさん余っているという話は聞いていない」などの質問が相次いだ。

2014年6月24日 (火)

【環境省との交渉報告】 環境省の専門家会議のあり方/甲状腺がんの深刻化/医療費減免など

FoE Japanの満田です。
 
6月19日に開催された環境省交渉の続きの報告です(主催:「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」。交渉の趣旨および集会での配布資料はこちら)。
 
後半では、疑い含めて89名の子どもたちに甲状腺癌が見つかり、リンパ節への転移が多発しているという極めて深刻な事態を踏まえ、国としての対応、環境省の甲状腺被ばくに関する認識、専門家会議のあり方、健診の充実や医療費減免の具体化について質疑を行いました。
 
当方からは、6月10日の開催された、福島県健康管理調査委員会甲状腺部会における鈴木眞一福島医大教授の発言を引用しつつ、甲状腺癌の中にリンパ節転移などの深刻な症例が多いこと、チェルノブイリ原発事故後に見られた小児甲状腺癌にも同様の特徴がみられたこと、福島医大だけでは対応しきれないこと、もはや、事故との因果関係がないと決めつけることはできず、国として迅速な対応が必要であることをあげ、環境省の認識を問いましたが、「福島県の委員会での議論を見守る」と回答したのにとどまりました。
 
参考)リンパ節転移が多数~福島県の甲状腺がん- OurPlanet-TV 2014/06/10
 
また、環境省ウェブサイトの「最近の甲状腺検査をめぐる報道について」の中で、「1080人の小児を対象にした甲状腺線量の測定が行われ、その結果はスクリーニングレベルである0.2μSv/hを超えた方がおらず、低い線量にとどまるものでした」とあることに触れ、環境省の専門家会合の中でも、不確実性や限界が指摘されており、かつ、2011年3月に実施した体表面スクリーニングの基準から、甲状腺被ばく線量が100mSvを超えていた人たちも多かった可能性を指摘する論文もあることを紹介(Study2007(2014年5月)「体表面汚染スクリーニングが示す初期甲状腺被ばく防護の不備──もうひとつの「実測データ」による線量推計」岩波「科学」,p.0541)。
 
しかしこれに対しても、環境省は「専門家会議」が検討すると回答。
当方は、ウェブサイトの当該箇所の削除を求めました。
 
やり取りの中で、同席した崎山比早子さん(高木学校)が、環境省が事務局をしている「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」宛に送った質問状の取り扱いについて問いました。
 
崎山さんは第4回の「専門家会議」で意見陳述を行っており、それに対するフォローアップの意味合いもあり、この質問状を出したとのことです。
 
質問状は下記からダウンロードできます。
 
これに対して環境省は、「委員への配布はしない」と返答しましたが、なぜそう判断したのかは示しませんでした。
 
さらに、当方からは、下記の対応と福島原発事故の対応が違うのは何かを問いました。
 
  • JCO事故時の住民は、「評価推定線量が1ミリシーベルトを超える者のうち健康診断を希望する者」が健診の対象となっている
  • JCO事故時の住民健診では、委員会報告の検診項目を基本に,乳幼児や学童においては,リンパ球数などの血液検査,成人については市町村が独自に行っている検診項目を希望に基づき追加している。
  • 原爆被爆者の健診の対象は、一般健診においても.視診、問診、聴診、打診及び触診、CRP定量検査、血球数計算、血色素検査、尿検査、血圧測定、ヘモグロビンA1c検査、肝臓機能検査(医師が必要と認める場合)と多岐にわたる。
 
※これについては、吉田由布子さんのプレゼン資料がたいへんわかりやすいので、ご覧ください。
 
 
環境省はこれについても「専門家会合で検討する」との回答でした。
 
最後に、「子ども・被災者支援法」第十三条第三項に規定している医療費の減免を実施すべきではないかと質問しました。これについても、「そのような要望が多いことは承知している。今後、専門家会議において検討される。」とのことでした。
 
質疑の中で、参加者(田島さん)が、「環境省は専門家会議の傍聴申込みを早々に打ち切った。傍聴席が当初よりだいぶへっている)と指摘し、「専門家会議で、今中論文が批判されたときに、傍聴者から”今中さんを招聘して意見をきけばいいじゃないか”と発言があったら、その傍聴者を追い出したのみならず、いまになっても彼の傍聴を認めていない。これはひどい」と発言されました。
 
(その後、田島さんも、何も不規則発言していないのにもかかわらず、「不規則発言した」ということで傍聴が断られたそうです)
 
環境省はなんでもかんでも「専門家会議」で検討することにしてしまっていますが、傍聴した人はおわかりになると思いますが、この専門家会議は、福島原発事故後の被災者に向き合って、現状を踏まえて専門的に議論するような場所ではありません。人選もおかしいと思います。
きわめて不確かな1080人のスクリーニング検査の信ぴょう性を延々と論じたり、薄弱な根拠で、県外の被ばく量は大したことなかった、健診は必要ないという結論を導こうとしているようにみえます。
 
本来であれば、市民に開かれ、被災当事者やその代弁をすることができる弁護士、市民目線の専門家にも参加させるべきでしょう。
 
それなのに、招聘した専門家の質問書も握り潰し、まっとうなことをいう傍聴者を追い出し、何もやじを飛ばしていない市民の傍聴を断り、とざされた一部の御用学者中の御用学者の中で、いったい何をしようとしているのでしょうか。
同専門家会議の議題や資料、委員は下記からご覧ください。
 
次回は、すでに傍聴を締め切っていますが、6月26日の17時からです。岡山大学の津田先生が外部専門家として発言するとの情報も得ています。
Ust配信されるようなので、ぜひUst傍聴をしましょう。

2014年6月22日 (日)

除染目標の曖昧化について~「空間線量率から個人被ばく量へ」=被ばく管理の責任を個人に負わせるもの

環境省は「個人被ばく量」を使っていくとしています。しかし、これはたとえていうならば、大気汚染物質(硫黄酸化物とか窒素酸化物とか、浮遊煤塵とか…)の環境基準を、撤廃して、個人の大気汚染物質の吸入量で図るようなものであり、行政側の責任を放棄することにつながります。

除染に限界があるのであれば、率直にそれを認めて、避難や保養の支援を政策の中心に位置づけ、総合的な被ばく低減政策をとるべきではないでしょうか。


FoE Japanの満田です。
 
6月19日、除染目標の曖昧化や、健診等について環境省と交渉を持ちました。
配布資料を下記に掲載しました。
 
青木一政さんの個人線量計の問題点や、吉田由布子さんのJCO事故時周辺住民および広島・長崎の被爆者援護法に基づく健診について、非常にわかりやすく資料価値の高いスライドをご提供いただきました。
 
また、こちらから提出した質問および先方の回答概要はこちらです。

「質問書と回答概要」をダウンロード(PDF)

 
ユープランの三輪さんが動画をアップしてくださいました。
20140619 UPLAN【前半・環境省との政府交渉】除染目標/健康調査のあり方に関する政府交渉&集会
 
環境省は、放射性物質汚染対策担当参事官室参事官補佐の立田さん、除染障害広報室 室長補佐の木野さんが対応されました。
環境省は、追加被ばく線量年1ミリシーベルトという除染の長期目標を動かすものではないことを強調。
 
0.23μSv/時については、
・もともと、年1ミリシーベルトに対して、野外8時間、屋内16時間という仮定から割り出した空間線量率の”推計値”に過ぎない。目標ではなかった。
・生活スタイルは個人ごとに大きく異なる。
・個人線量計を用いた新たな知見が集積されてきたため、今後は個人の被ばく量という観点から、個人に着目して、運用していきたい
としました。
 
これに対して、市民側から下記のように反論。
 
  • 空間線量率0.23μSv/時が目標でないとするならば、それでは目標は何か?
     
  • 多くの自治体は実際に0.23μSv/時を目標にしている。
     
  • 汚染状況重点調査地域の指定基準が0.23μSv/時であり、それを下回らなければ解除されないか?
    ⇒(環境省)解除されない。
    ⇒(市民)ならば、やはり0.23が目標ではないか。
     
  • 個人線量計による個人被ばく管理は、「個人」に被ばくの責任を負わせるものであり、規制の責任を放棄するもの。
     
  • 個人の被ばく量をみるのであれば、「最大値」をみなければならないのに、それはしていない。そもそも行政施策として、不可能。
     
  • 伊達市のデータは、個人の行動にはばらつきがあるはずなのに、それを考慮せず、地域ごとのデータの平均値でまとめてしまっている。
     
  • ガラスバッチは全方向からの照射を考慮に入れれば補正が必要であるのに、それがなされていない。
     
  • 一般公衆に対して、個人線量管理で安全とする管理方法は、電離則と齟齬がある。
     
  • 0.23μSv/時が達成できないのであれば、避難支援や保養といった、総合的な被ばく低減政策を実施すべきではないか。
     
これらの問いに対する明確な答えはありませんでした。
 
今回の交渉は、除染目標であった0.23μSv/時を0.4~0.6μSv/時に引き上げるという報道がきっかけになったのですが、環境省は0.23μSv/時は目標ではなかったと言い張りつつも、代わりの目標値は示していません。
 
また、より「真実に近い」として「個人被ばく量」を使っていくとしていますが、これはたとえていうならば、大気汚染物質(硫黄酸化物とか窒素酸化物とか、浮遊煤塵とか…)の環境基準を、撤廃して、個人の大気汚染物質の吸入量で図るようなものです。
 
環境行政としては、最もやってはならないことでしょう。
 
下記は6月15日に開催された「除染に関する有識者との意見交換会」の資料です。
 
資料3のファクトブック、資料4-2の伊達市の資料などにご注目ください。
「資料3」のファクトブックのp.40ページの図(下記)が焦点になると思います。

Photo

横軸が空間線量率であり、縦軸は、ガラスバッチのデータから割り出した年間の個人の追加被ばく量です。
 
この図だけを見せられると、0.4~0.5μSv/時ででも年間1ミリシーベルトが達成されてしまうように見えてしまいます。
 
しかし、青木さんが指摘していた通り、以下の点で問題です。
 
・ガラスバッチからのデータの補正はなされていません。全方向からの照射を考慮すると、ガラスバッチは後ろからの照射が体が遮蔽してしまうため、補正が必要だとされています。高エネルギー研平山論文では0.68倍(原子力学会誌2013年3月)、最近の田村市都路などの結果では0.7倍低く出るとされています。
 

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・この図の一つ一つの点は個人のデータではなく、伊達市内の各地域の平均値です。
(下記の8ページ目に相当するものと思われます)
個人のデータはかなりの広がりをもっているはずですが、それは示されていません。
 
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なお、下記のように放医研の専門家も、「個人線量計は場の線量の管理には使えない」と明言しています。まあ、これが良識的な人の発言なんだろうと思います。忘れないようにしましょう。
 
2014年4月19日開催された内閣府原子力被災者生活支援チームによる田村市と川内村、飯館村の3地域の個人被曝線量に関する最終報告書に関する記者会見にて。(26分23秒あたりから)。
記者:年間1ミリシーベルトという目標があったときに、現在は毎時0.23マイクロシーベルトとしている。たとえば、この数値を変更する、
(個人線量計による被ばく量を採用すれば、その数値が)0.33マイクロシーベルトに引き上げられることになるのか。
 
放医研の専門家:考え方は一貫性がないとだめだと思う。これは放射線の管理という私の立場からの見解だが、除染など、場所の管理をするという場合には、たとえば、この場所が放射線が高いので入らないようにしようね、とか、そういう場所の管理をするときには、空間線量をベースにしてやらないと。あるときは人の線量、あるときは、とやっていくと管理の境界ができなくなってくる。
 
(参考記事)
除染目安 1カ月以内に国方針  朝日新聞2014年6月16日05時00分
 
個人の被曝線量低減重視…4市など方針(読売新聞)2014年06月16日

2014年6月20日 (金)

崎山比早子さんが公開質問。環境省「住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」に7つの疑問~被災者を委員として加えるべき など

FoE Japanの満田です。
 
元国会事故調の委員でもあった、高木学校の崎山比早子さんが、6月12日付で下記の公開質問書を、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下、専門家会議)に提出しました。 
 
 
崎山さんは、第4回の専門家会議に招聘され、意見陳述を行いました。その際、同会議の委員の中には、原子力業界からお金を受け取りつつ原子力業界と癒着して、放射線の「安全神話」を築いてきた「専門家」たちが少なからず含まれていること、低線量被ばくの影響を過小評価すべきではなく、広島・長崎の被曝の長期追跡調査などから導かれた、閾値なしの線形モデルに従って政策を考えるべきであること、「子ども・被災者支援法」の基本方針に当たって、多くの被災者や自治体から提出された、「福島県外でも年間被ばく線量1mSv以上の汚染地域に於いては健康調査をして欲しい」、「甲状腺以外の疾患も検査対象にして欲しい」、「県外に避難した住民にも検査の便宜を図って欲しい」、「有識者の意見ではなく被災者の声を聞いて欲しい」といった声に耳を傾けるべきであること、などを発言されました。
 
しかし、上記の指摘をまったく無視して進められている専門家会議の議論に危機感をもち、今回、このような質問書を提出するに至ったそうです。
 
6月19日の環境省との会合において、「この質問書を委員に配布してほしい」と要請した崎山氏に対して、環境省の担当官は、「それはできない」と回答しました。しかし事務局の一存で、招聘した外部専門家の要請を拒否してもいいものでしょうか。
 

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議
座長 長瀧重信殿 
   委員各位殿
 
「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する
専門家会議」への意見及び公開質問
 
 
高木学校    崎山比早子
 
 第4回の専門家会議で意見を述べる機会を頂きましてありがとうございました。
その後第6回までの会議を拝聴させていただきまして、改めてこの会議のあり方に疑問を抱きましたので若干の意見と質問をさせていただきたいと存じます。
 
 環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」(以下「専門家会議」)の開催要項(1)は以下の通りです。
1,東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理については、国が拠出した基金を活用し、(中略)福島近隣県を含め、国として健康管理の現状と課題を把握し、そのあり方を医学的な見地から専門的に検討することが必要である。
 
2,「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(平成24年6月27日法律第48号)(以下「子ども被災者支援法」という)において、国は放射線による健康への影響に関する調査等に関し、必要な施策を講ずることとされている。
 
3,これらの状況を踏まえ、線量把握・評価、健康管理、医療に関する施策のあり方等を専門的な観点から検討する。
 
 
 この専門家会議に課せられた上記課題にもかかわらず、これまで6回開かれた会議では、主に福島県川俣町、飯舘村、いわき市で測定された1,080人の甲状腺被ばく線量評価、福島県内の外部被ばく評価に多くの時間を費やす一方「子ども被災者支援法」に基づいて福島県外汚染地の被災者をどのように支援・救済してゆくかの議論はほとんど行われていません。
 
 「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するパブリックコメントでは、放射線による健康への影響調査・医療の提供に関して1,481もの意見・要望が寄せられています。その中には「福島県外でも年間被ばく線量1mSv以上の汚染地域に於いては健康調査をして欲しい」、「甲状腺以外の疾患も検査対象にして欲しい」、「県外に避難した住民にも検査の便宜を図って欲しい」、「有識者の意見ではなく被災者の声を聞いて欲しい」等々の声があります(2)。 
 
 千葉県からは野田市を初めとする九市長から「年間1ミリシーベルトを超える汚染状況重点調査地域はすべて支援対象地域に指定すべき」という緊急要望書が提出され、「放射能対策を進める東葛・茨城県南部ネットワーク」、「放射能から子どもを守ろう@つくば」等32団体から「茨城、千葉を支援対象地域に」という要望が提出され、2014年4月時点で全国各地の136自治体から支援法を早期に具体化せよという要望書が提出されています(2)。
 
以上を踏まえまして以下質問させていただきます。
 
                 公開質問
 
1, 第6回会議における甲斐氏の説明(3)によれば、ICRPによる現存被ばくの防護の最適化のポイントとして「計画の策定にはステークホルダーの関与が重要」とされています。しかし、この会議で被災者の声を直接聞く機会は設けられていません。この会議における「専門家」の範囲は不明瞭ですが、「健康管理のあり方」は「専門家」だけで評価も決定もできるものではないと思います。国会事故調でも調査委員に被災者代表が入っていました。
これ以後、被災者からの声を聞き、要望を反映させるために、被災者を委員としてこの専門家会議に加えるお考えはあるのでしょうか?
 
2, 宮城、栃木、群馬、岩手の4県からの有識者会議報告書は、いずれも「健康調査は必要ない」と結論し、パブリックコメントに寄せられた要望とは大きくかけ離れています。行政が調査をしないため茨城、千葉を中心として住民が自主的に健康管理を行う動きも出てきています(4)。
 専門家会議として、このような動きをどう考え、対処してゆくおつもりですか?
 
3, 第4回の専門家会議でも言われ、4県の有識者会議でも「健康調査は必要ない」とする根拠として「100mSv以下の被ばく線量では、他の要因による発がんの影響によって隠れてしまう程小さいため、放射線による発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しいとされ」をあげています。しかし、2012年以後発表された疫学調査には
  1. 1.英国の高自然放射線地域における小児白血病の発生率が5mSv以上で有意に上昇していること(5)、
  2. オーストラリアの680,000人のCT検査を受けた集団で4.5mSvの被ばくで腫瘍発生が1.2倍になり、検査回数に比例して増加している(6) 
  3. 英国の小児CT検査では50mSvで小児白血病が3.18倍に、60mSvで脳腫瘍が2.18倍になる(7) 
  4. ドイツ、スイス、イギリスの原発周辺5km以内では5才以下の小児白血病が5km以遠より有意に増加している(8)
 
等があり、原爆被爆者の疫学調査では有意でなかった100mSv以下でのリスクが有意差を持って証明されるようになっています。それでもリスクを証明する証拠は無いとお考えでしょうか?
 
4, 線量・線量率効果係数(DDREF)について
 「第4回専門家会議でDDREFを1にしようが2にしようがリスクは小さいのでバックグランドに隠れてしまう。リスクがゼロであるという議論はしていない。」との発言がありました。ところが宮城県の有識者会議(9)では、
  • 低線量の環境で長期間にわたり継続的に被ばくし、積算線量として合計100mSvを被ばくした場合は、短時間で被ばくした場合より健康影響は小さいと推定されている。
  • 今回の(中略)低線量率の被ばくであるため、同じ線量であっても人体への影響は、より小さいと考えられる。
とあります。ICRPのモデルはすでにリスクを高線量率の1/2に見積もっているにもかかわらず、です。
 
 もし、「DDREFをいくつにしてもリスクがバックに隠れてわからない」とおっしゃるのであれば、なぜ宮城県の有識者のような説明が発生するのでしょうか?
 この専門家会議の多くの委員が助言しておられる『放射線リスクに関する基礎的情報』でDDREFに関しては「線量・線量率効果係数を2として、線量が低い環境で長期間にわたり被ばくした場合の生涯においてがんで死亡するリスクの増加分を1シーベルトあたり約5%(100ミリシーベルトあたり約0.5%)であると推定しています。」と説明しています。この説明ではICRPが低線量率でリスクを半分に見積もっていることがハッキリ分かりません。注を読んでもわかりません。そのために宮城県の有識者のような誤解が生まれるのではないでしょうか。誤解を生まないように「ICRPは低線量率のリスクを高線量率のそれの半分に見積もっているので0.5%となる」というようなわかりやすい説明が必要と思いますがいかがですか?
 
5, 第6回会議で甲斐氏はICRPの考え方として以下のように説明しています(3)。
「いくらかの線量であっても影響は累積の線量に比例すると考える事がもっとも控えめな仮定であろうという考え方をとったのです。赤字で書いていますようにこの仮定というのは実質的にセーフドーズが無いという事を意味してしまっている、論理的にそうなるという事であります。」
「This assumption implies that there is no wholly "safe" dose of radiation.」
 ICRPが人の防護体系にしきい値なし直線(LNT)モデルを採用したのは疫学調査結果だけによるものではありません。Publication 103(2007年勧告)の(32)にあるように「a)放射線量評価のための人の解剖学的及び生理学的な標準モデル、b)分子及び細胞レベルでの研究、c)動物実験を用いた研究、そしてd)疫学的研究の利用に基づいている」
のです。これからわかるようにLNTモデルはこれまでなされてきた放射線リスク研究の集大成と考えられます。
 宮城、栃木、群馬県等では明らかに年間1mSv以上の汚染があるにもかかわらず有識者が「調査の必要はない」と結論したのは甲斐氏の説明にあるICRPの姿勢も3,の質問に書きましたような最近の報告もご存じないためと考えられますがいかがですか?
6,アナード・グローバー氏の勧告(2)に対する政府の反論は、広島・長崎原爆被爆者寿命調査を正しく理解せずに行ったものでした。ICRPの「実質的にセーフドーズが無いという事を意味する」見解をとれば年間1mSv以上の汚染地域住民の健康調査も生涯にわたる医療保障も行うべきではないでしょうか?
 
7,専門家会議の多くが助言しておられる『放射線リスクに関する基礎的情報』(10)33ページの確率的影響の図は改訂版でもなおっていませんが、誤ったままでコミュニケーションを進めるのですか?
 
最後に
 多くの科学者は、科学研究の成果が人の幸せのために役立つことを望んでいると考えます。放射線リスクに関してはわかってきたところも多くありますが不明な点も残されております。従って不確実性があったとしても、住民の健康を守るためには予防原則にたつことが必要です。加えて忘れてはならないことは汚染地に住むことを余儀なくされているのは原発事故の被害者であることで、事故さえなければ平穏に生活できた人々です。
 
 この専門家会議委員の皆さまも、原子力災害を引き起こしておきながら、いまだに責任をとっていない組織の側に立つのではなく、生活を破壊されて苦しみながらも放射線のリスクから健康を守ろうとしている住民のために専門知識を生かして、ご検討いただきたいと切に望むものです。
 
 ご回答をよろしくお願い致します。
                             2014年6月13日
参考資料
1,東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html 
2,資料3?1 崎山比早子氏提出資料
 
3,甲斐倫明大分県立看護科学大学教授提出資料
 
4,放射能からこどもたちを守ろう関東ネット
 
5, Kendall GM  et al. Leukemia, 2013, 27, 3-9
 
6, Mathews JD, et al., BMJ 2013, 346:f2360
 
7, Pearce MS et al., Lancet, 2012, 380, 499-505.
 
8, Koerblein A, International J. Epidemiol., 2012, 41, 318-319. 
 
9, 資料 2-3-1 宮城県健康影響に関する有識者会議報告書  
 
10,『放射線リスクに関する基礎的情報』

2014年6月16日 (月)

【資料を掲載しました】…除染目標/健康調査のあり方に関する政府交渉&集会(6/19)

【資料を掲載しました】
 
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6月15日、福島市で開催された「除染に関する有識者との意見交換会」で、環境省は、「毎時0.23マイクロシーベルトは除染の目標ではない」とし、年1ミリシーベルトという長期目標は維持しつつも、個人の被ばく量に着目して、除染の方針を見直すことを明らかにしました。
この考えに基づけば、空間線量率0.3~0.5マイクロシーベルト/時でも、年1ミリシーベルトが達成されることになりますが、実際には被ばく量の過小評価につながるおそれがあります。
 
また、福島県で行われている健康調査では、疑いを含めて89人の子どもたちが甲状腺癌と診断されています。手術が過剰診断ではないかという指摘に対して、福島医大は、「リンパ節の転移など、深刻な症例のものしか手術していない」と説明しています。
 
さらに健康調査の中では、詳細な健診が一部にとどまっており、JCOの事故では希望者に対して詳細な健診が行われていることに比べて、その差異が際立っています。
 
このような状況を踏まえ、環境省との交渉(予定)および最新の状況を共有するための集会を開催します。ぜひご参加ください。
◆日時:6月19日(木)
15:30~16:15 集会
…最新の情報を共有します
 
16:30~17:30 環境省との交渉①(除染について)
17:30~18:30 環境省との交渉②(健診について)
 
18:40~19:40 まとめ&講演
「JCO事故時および広島・長崎の被曝者援護法に基づく健診について」
講師:吉田由布子さん/ 「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク事務局長
 
◆場所:参議院議員会館のB103会議室
※15:15から通行証を配布します。
 
◆申込み先(部屋が小さいため、必ずお申込みください)
 
◆資料代:500円
 
◆主催:「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」
 
◆連絡先:FoE Japan
国際環境NGO FoE Japan 〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203
tel: 03-6907-7217 fax: 03-6907-7219
携帯:090-6142-1807

2014年6月12日 (木)

保養で笑顔を!~福島ぽかぽかプロジェクト報告会 in 東京(6月24日18時半~)

_ おかげさまで、大変多くのみなさまに支えられて、ぽかぽかプロジェクトも3年目を迎えました。ご支援くださっているみなさまや、今の福島の子どもたちの様子を知りたい方に、ぽかぽか開催の様子をご報告し、これからの保養について私たちが出来ることについて、みなさまの感想やご意見をいただきたいと思います。

 
◆日時:6月24日(火)18:30~20:30
 
◆場所:地球環境パートナーシッププラザ・GEOC )
※東京・表参道国連大学1Fの蜂の写真と「生物多様性」と書いた看板のある建物の左側奥
 
◆参加費:無料(会場でぽかぽかの寄付も受け付けております。)
 
◆内容
 ①ぽかぽかの始まりから今までの実績)報告
 ②猪苗代シェアハウス報告
 ③南房総報告
 ④参加者からの声
 ⑤今年度の予定とこれからのぽかぽか
 ⑥意見交換会
 
◆主催:福島ぽかぽかプロジェクト
     渡利の子どもたちを守る会
     福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
     国際環境NGO FoEJapan
 
◆問合せ 福島ぽかぽかプロジェクト事務局(FoE Japan内)
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219

2014年6月 6日 (金)

【開催案内】 6/20「原発事故子ども・被災者支援法」 制定から2年 記念集会~どうなる? どうする? 被災者支援と子どもたちの未来~

原発事故被害者の希望であった「子ども・被災者支援法」の制定から2年。

被災者への支援は現在どのような状況にあるのでしょうか?
実現が急がれる健康調査や医療支援は、どう実現していけばよいのでしょうか?
最新情報を共有し、被災者、支援者、国会議員、自治体議員が一堂に会して話し 合います。
日時 2014年6月20日(金曜日)14:00~16:00
※13:45から参議院議員会館ロビーにて入館証の配布を行います
会場 参議院議員会館 101号室>地図
内容 プログラム

◆ 「子ども・被災者支援法」の現状 (市民会議より)

◆ 「子ども被災者支援法第13条

  (健康調査、医療の提供等)に基づく具体的な施策の提案」

                      松井英介さん(岐阜環境医学研究所所長、

               元岐阜大学医学部附属病院 放射線医学講座助教授)

◆ 【意見交換】

(発言)

・谷岡郁子さん(前参議院議員)

・中手聖一さん(福島から札幌)

・坂本建さん(福島から神奈川)

・木本さゆりさん(放射能からこどもを守ろう関東ネット)

など

資料代 500円 
※避難者の方は無料
※遠方からの参加者のためカンパ大歓迎
主催 原発事故子ども・被災者支援法 市民会議       
後援  子ども被災者支援議員連盟            
「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟   
問合せ 原発事故子ども・被災者支援法 市民会議 (FoE Japan)
tel: 03-6907-7217 fax: 03-6907-7219

2014年5月25日 (日)

【整理】 政府による「美味しんぼ」バッシングについて/被害者が健康の異変があっても声をあげられなくなる空気に/国は「子ども・被災者支援法」の誠実な実施を

昨日(5/23)に開催された集会<緊急集会:「タブー化」していいの?被ばくと健康~「美味しんぼ」騒動を考える>で言いたかったことをもう一度整理して掲載します。
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2014年5月23日
 
政府による「美味しんぼ」バッシングについて
 
「美味しんぼ」に関して、さまざまな論争が巻き起こること自体は意義があるものの、「美味しんぼ」が訴えた福島のさまざまな被害の実情がすべて置き去りにされ、「鼻血」問題のみ、狭く切り出されてバッシングされ、センセーショナルな報道がされたのは残念です。
今回、「美味しんぼ」をめぐっては、石原伸晃環境大臣が「専門家によって、今回の事故と鼻血に因果関係がないと既に評価されており、描写が何を意図しているのか全く理解できない」と語り、佐藤雄平福島県知事が、「風評被害を助長するような印象」、菅官房長官が「科学的見地に基づいて正確な知識を伝えていくことが大事」と発言、閣僚が続々と「遺憾」の意を表明、5月17日には福島を訪問している安倍首相が漫画「美味しんぼ」に関して、「根拠のない風評に対しては国として全力を挙げて対応する必要がある」などと政府ぐるみのバッシングが続きました。
 
これは、以下の面で問題だと考えています。
 
1.表現の自由…「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲氏は、取材を通して、「鼻血」という健康の異常を訴える井戸川氏をはじめとした人々の話をきき、それを漫画という手段で伝達している。これを政府が批判することは、表現・言論の自由に反する。
 
2.原発被害者が健康の異常を訴えられない社会的な圧力…政府や一部マスコミが社説などで「美味しんぼ」をバッシングしたことにより、「健康の異常を訴えることにより風評被害につながる」という批判を恐れ、被害者たちが健康への異常を口に出せなくなる空気をさらに助長したことは問題。
 
3.「根拠がない風評」か?
あえて「鼻血」問題に限定していえば、①鼻血が多発したか?、②多発したとすれば、その原因は何か?--の二つの段階で考えるべきだろう。
 
①については、下記のような調査がある。
 
「低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査 -調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較」(注)
 
福島県双葉町、宮城県丸森町筆甫地区、滋賀県長浜市木之本町の 3 か所を対象地域とした調査(対象者はそれぞれれ7,056名、733名、6,730名。)では、体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状であり、鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した(丸森町でオッズ比3.5(95%信頼区間:1.2, 10.5)、双葉町でオッズ比3.8(95%信頼区間:1.8, 8.1))。
 
主催者も、少なからぬ人たちが鼻血という異常を訴えたことを伝聞している。
 
②について言えば、放射能との因果関係があることは証明されていないが、放射能と因果関係がないということも立証されていない。石原環境大臣の言う、「専門家が立証」とは何をさすのかは不明である。
 
4.「鼻血」問題のみの切り出し…「美味しんぼ」が「福島の真実」で訴えている多くの問題提起、たとえば福島原発事故について誰も責任を取っている人がいないことが無視され、鼻血問題のみが狭く切り出され、バッシングされた。
 
5.原発事故の責任/「子ども・被災者支援法」の未実施
…国は原発事故を生み出した責任があり、対処の責任があるのにもかかわらず、その責任を棚上げしている。
 
2012年6月21日に制定された「原発事故子ども・被災者支援法」では、「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと」(第一条)、「これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っている」(第三条)として、被災者の意見を反映して、避難者・居住者・帰還者のいずれにも適切な支援を行うとしている。しかし、同法は十分に実施されているとは言い難い。
 
とりわけ、「充分な健診・医療費の減免措置などを定めた同法第13条は、実施されていない。
 
※「原発事故子ども・被災者支援法」 第十三項
第二項で健診を、第三項で医療費の減免について規定している。
2  国は、被災者の定期的な健康診断の実施その他東京電力原子力事故に係る放射線による健康への影響に関する調査について、必要な施策を講ずるものとする。この場合において、少なくとも、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者(胎児である間にその母が当該地域に居住していた者を含む。)及びこれに準ずる者に係る健康診断については、それらの者の生涯にわたって実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものとする。
3  国は、被災者たる子ども及び妊婦が医療(東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病に係る医療を除いたものをいう。)を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するために必要な施策その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものとする。
 
国がすべきことは、「美味しんぼ」バッシングではなく、同法を誠実に履行することではないか。
 
以上 
(満田夏花/「美味しんぼ集会」実行委員会)

2014年5月24日 (土)

美味しんぼ問題と表現の自由…「福島の健康問題の全体について、慎重にさまざまな見方が公表できる環境を守りぬく必要がある」 by 海渡雄一さん(弁護士)

5月23日の「美味しんぼ集会」での海渡雄一弁護士の発言要旨です。ご一読ください。


2014年5月23日
美味しんぼ問題と表現の自由
海渡 雄一(弁護士)
 
 今回の美味しんぼ問題が起きて、私はこのマンガの福島に関する特集全体を通読した。全体の中には福島の土壌改良の努力や農産物の放射線のレベルが厳しくコントロールされているとして、農産物の安全を訴えている部分もある。
 
 にもかかわらず、鼻血の箇所と福島には住めないという表現だけが大きく取り上げられ、福島は急性障害が発生するような線量ではないとする専門家の意見が一気に巻き起こったところに、今回の動きの意図的なものを感ずる。
 
 今福島で起きている甲状腺がんの増加やさまざまな体調の不良と放射線被曝が法的な因果関係があるかどうかという論争はチェルノブイリでの過去の例を見てもわかるとおり、決着がつくまでにかなりの時間がかかるだろう。そして、声高に意見を述べる人々の中に、権力を持ち、健康被害の事実を隠蔽したいと考えている集団が存在していることを忘れてはならない。
 
 少し振り返ってみよう。3月11日にテレビ朝日の番組「報道ステーション」が「甲状腺がん」を特集した番組を放映した。その内容は、福島県で震災当時18歳以下の子ども約27万人のうち33人が甲状腺がんと診断され、原発事故との関連性を疑う家族を追った番組であった。
 
 この番組自体は今福島県で発生している甲状腺ガンの原因について、結論を押しつけているわけではなく、議論のための基礎的なデータが不足している現状を指摘して、公正な論争が求められていると指摘したものであった。これに対して、3月12日に福島県立医大が、引き続いて3月18日頃、環境省が「見解」を公表した。「事実関係に誤解を生ずるおそれもあるので、環境省としての見解を以下のようにお示しいたします。」としたうえで、この番組のどこが間違えているかについて指摘するでもなく、このような報道をけん制するものであった。これに引き続くような形で、美味しんぼ問題が発生した。
 
 私は、今回のバッシングのような意見表明をしている専門家に問いたい。なぜ、より深刻な甲状腺がんなどをふくむ福島の健康問題の全体を取り上げないのか。甲状腺がんについては、政府も明確には因果関係を肯定もしないが、否定もできていない。だからこそ、福島の健康問題の全体について、慎重にさまざまな見方が公表できる環境を守りぬく必要があるのだ。
 
 自由で民主的な社会は、報道機関だけでなく、芸術家や一般市民も含めて、社会に関する事実や意見を自由に発表できることが根幹をなす。とりわけ、まだ意見が分かれていて、社会の中に意見の亀裂が生じているような問題については、このような意見の公表の自由を守ることができなくなれば、最終的な事実の確定さらにはこれに基づく公共政策の策定の過程にまで歪んだ影響を与える。表現の自由の侵害が民主政の根幹を脅かすというのはこのことだ。
 
 過去の公害の歴史を見ると、足尾銅山でも、水俣病でも権力や大きな報道機関から多様な事実と意見発表の自由が脅かされ、住民と一部の専門家がこれと闘って事実を認めさせてきた歴史であることがわかる。
 
 ひとりひとりの表現者が、みずからの感性で捉えた事実をそのまま表現できなくなった社会では、社会にとって大切なことが市民に伝えられなくなるおそれがある。今回の美味しんぼの問題は、この表現の自由の大切さを改めて私たちに気づかせてくれた。
 
 いま、福島に暮らし続けている人々の気持ちは大切にしなければならない。しかし、今の線量では暮らせないと考えて自主避難している子どもたちとその家庭も多く存在している。低線量被曝の被害について、科学的に未解明な部分があることを認め、このような選択をそれぞれ尊重して、等しく支援していこうという考えが「子ども被災者支援法」によって確立されたはずであった。しかし、今の政府はこのようなバランスのとれた考えを否定し、帰還促進のために、安全性を重んずる考え方自体を否定し、これを抑圧しようとしている。
 
 市民の知る権利を不当に制約する秘密保護法が制定された今、私たちはこれまで以上に、表現の自由のかけがえのなさを自覚しなければならない。日本国憲法の定める表現の自由が、戦争の惨禍を経て初めて日本国憲法によって保障されるに至った歴史的意義をふまえて、不断の努力によってこれを保持していかなければならない。美味しんぼの今後の連載が継続されること、再開されることを強く要望したい。重要な問題について発言の機会を頂いたことに深く感謝する。

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「美味しんぼ」第604話「福島の真実」をめぐって…「事実の認識を避ける態度は科学からほど遠い」「帰還政策」「健康調査」「分断の克服」by 島薗進さん

5月23日の「美味しんぼ集会」での島薗進さん(上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長)の発言用のレジュメです。(PDFのダウンロード⇒ こちらです)

意義ある情報がたくさん含まれています。
結論部分の「被災者らが健康異変を感じているのであれば、それについてよく聞き、調べ、原因を探り、対策を立てるべきだ。それが医学・医療の倫理にのっとった態度だろう」という結論部分、本当にその通りだと思います。
ご一読ください。
「美味しんぼ」第604話「福島の真実」をめぐって
 
(『ビッグコミックスピリッツ』2014年5月12,19日合併号、26日号,6月2日号(4月28日、5月12,19日発売)
2014年5月23日@参議院議員会館
島薗進
 
(1) 事実の認識を避ける態度は科学からほど遠い
 
◇科学は理解できないがわけを知りたい事実の認識から始まる。そのような事実を否定するのは科学ではない。
 
◇アレクセイ・ヤブロコフ、ヴァシリー・ネステレンコ、アレクセイ・ネステレンコ『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』岩波書店、2913年4月(原著、2011年5月)。P.36-37。
 
◇低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査プロジェクト班報告書
 
「低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査―調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較―」(平成25 年9 月6 日)
 
 ◎岡山大学、広島大学、熊本学園大学の教員らによる共同調査。原発事故が起こる前とその後の健康状態について平成24年11月に質問票で尋ねた。福島県双葉町7,056人、宮城県丸森町733人、滋賀県長浜市木之本町6,730人が対象。あわせて8千余りの回答を得た。
 
◎「双葉町、丸森町両地区で、多変量解析において木之本町よりも有意に多かったのは、体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状であり、鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した(丸森町でオッズ比3.5(95%信頼区間:1.2、10.5)、双葉町でオッズ比3.8(95%信頼区間:1.8、8.1))。」p.3
 
◇広河隆一『暴走する原発』小学館、2011年、p.186~。
 
(2) 帰還政策
 
◇帰還政策が強引になされていることにつき、多くの疑問が投げかけられている。
 
◇強引な帰還政策のために、政府や福島県が真実を曲げたり、住民の健康不安を抑圧するような態度をとることは許されない。
 
「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」(平成25年11月20日)の背景
 
「内閣府原子力被災者生活支援チームは昨年7月末、放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構に個人線量計を使った線量調査を依頼した。「協力事業」という位置付けだったため入札は行われず、調査の実施も公表されなかった。
 
 依頼を受けた両機関は昨年9月、避難指示解除が予定されていた福島県田村市都路地区(今年4月1日解除)と川内村、飯舘村で、個人線量計とサーベイメーター(放射線測定器)を使って家屋の内外や農地、山林などの線量を測定。以前から活用されていた航空機モニタリングの推計値を含め、三つのデータを比較した。
 
個人線量計を基にした年間推計値は、1日の生活パターンを主に屋外滞在8時間、屋内16時間と仮定してはじき出された。川内村の推計値は2・6?6・6ミリシーベルトで、一般人の年間被ばく限度の1ミリシーベルトをかなり上回った。支援チームの担当者は11月上旬、発表用資料を作成したが、個人線量計の推計値が「高すぎる」という意見が出て、公表されなかった。屋外を約6時間に変更して推計し直し、4月18日に発表された最終報告書では、川内村の数値は1・3?5・5ミリシーベルトに下がっていた。
 
非公表の文書によると、支援チームは、以前別の地域で測定した個人線量計の被ばく線量が、航空機モニタリングの3分の1~7分の1だったというデータに着目した。田村市などの1市2村でも同様の結果が出たなら、個人線量計を使えば被ばく線量が航空機モニタリングに比べて一定の低い割合になることが実証できる。それがチームの「モチベーション(動機)」だった、という。「線量は低い」と強調して帰還を促す支援チームの思惑がうかがえる記述だ。期待した結果が出なかったため「この観点は事業の主な目的から外された」とも書かれているが、いずれも公表段階で全て削除された。
 
 支援チームが当初は避難指示解除準備区域が設定された6自治体で調査を要請していたことや、データ不足などから明確な結論を出せない部分が残ったとする記載も消えた。いずれも、支援チームが調査を尽くすより、早く結果を得ることを優先していたことを示唆する内容だ。
 
 原子力規制委員会は昨年9~11月に「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」の会合を開いた。支援チームが調査を急いだのは、この会合に結果を報告するためだった。結局、調査したという事実すら伝えなかったが、検討チームは帰還住民が個人線量計を使って被ばく線量を管理することを提言し、政府方針として採用された。住民が不安を抱くような情報を伏せ、帰還促進に向けて結論ありきで政策が決められたと疑わざるを得ない。
 
「記者の目:福島・個人線量の調査非公開」『毎日新聞』2014年05月22日
 
(3) 健康調査の問題
 
◇本年2月に明らかにされた以下の文書は、政府や福島県が健康調査・健康支援をきわめて限定的なものとしていることにつき、「十分な検査や調査を行い,その情報を国民に明らかにすることが重要である.健康支援策の具体的内容も重要であり,その拡充と意義の説明によって信頼が回復され,安定した生活感覚を取り戻すことができる」はずだと述べている。
 
◇健康状態について不安をもっている被災者に対して、「調べない・知らせない」姿勢をとり、不安を述べることを抑圧するような態度は、科学的にも倫理的にも不適切なものだ。
 
日本医師会総合政策研究機構・日本学術会議 共催シンポジウム
共同座長取りまとめ
(「福島原発災害後の国民の健康支援のあり方について」2014年2月22日@日本医師会講堂)
東京電力福島第一原子力発電所事故後の健康管理に関して,日本学術会議は,東日本大震災復興支援委員会放射能対策分科会による提言「放射能対策の新たな一歩を踏み出すために─事実の科学的探索に基づく行動を─」において,住民健診・検診の継続実施体制の整備や医療体制の整備について,2012年4月に提言した.
 一方,日本医師会は,日医総研ワーキングペーパー「福島県『県民健康管理調査』は国が主体の全国的な"健康支援"推進に転換を」,2013年4月に発表するなど,健康支援について積極的に発言してきた.
 2013年10月に環境省に設置された「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」においては,日本医師会常任理事及び日本学術会議副会長が専門家として参画している.
 日本を代表する2つの学術専門団体が,こうした各々の取り組みを踏まえ,さらに連携を深め協力して国民への健康支援をはじめとする,東京電力福島第一原発発災後の対処のあり方について議論を深めるために,平成26年2月22日共催シンポジウムを開催した.
 共催シンポジウムにおける,各講演の内容及びパネルディスカッションでの意見を踏まえ,以下の6点を「共同座長取りまとめ」とした.
 
1.国・福島県・東電,そして専門家・科学者は健康支援対策への信頼の回復を
 被災者は福島県だけでなく,隣接県を超え全国に広がっているが,被災者に対する国・県の健康支援は不十分であるとの声もある.それらの声に耳を傾け,不安の持たれている健康影響については,検査の意味を丁寧に伝えたうえで,十分な検査や調査を行い,その情報を国民に明らかにすることが重要である.健康支援策の具体的内容も重要であり,その拡充と意義の説明によって信頼が回復され,安定した生活感覚を取り戻すことができる.
 医師・保健師など専門家また科学者においても,解り易い合意に基づく助言を目指し,意見の相違が存在する時は解り易く説明する責務を持つ.
 
2.東京電力福島第一原子力発電所事故の影響の科学的解明を
 事故後,政府,国会,民間の事故調査報告書が公表され,事故当時の状況が明らかにされてきた.しかしながら,これらは限定されたデータを基に作成されたという限界も否めない.
 一連の報告以降に,事故直後の周辺地域でのモニタリングデータや,ヨウ素の地表沈着量の推計値などが新たに公開されており,これらのデータに基づく初期被ばくの再評価を含め,事故後に蓄積されてきたデータや知見をもとに,事故の影響の一層の科学的解明を図るべきである.
 
3.国・福島県・東電は生活再建の総合的な環境対策と地域づくりの支援を
 時間の経過による放射能の物理的減衰・自然減衰と除染の効果によって,放射線量が一定レベル以下に低下した地域については,避難指示の解除が検討されているが,帰還の選択をするか否かは個人の選択を尊重すべきであり,また,選択が可能な条件整備が必要である.
 避難指示による避難や自主的避難が長期化した中では,放射線に対する不安だけでなく,個々人の生活再建,コミュニティの復活,地域復興に係る課題にも総合的な対処が必要であり,国・福島県・東電・専門家・科学者は住民の不安に応えるための対話などを通じて,地域づくりの基礎となる信頼関係の再構築をすべきである.
 
4.国の健康支援システム・汎用性のあるデータベースの構築を
 県域を越えた被災者や,廃炉作業員・除染作業員等も対象とした国の健康支援システムの構築と,さらに様々な健診データ等のデータベースを,被災者・廃炉作業員・除染作業員等の健康支援のために広く共有できる,例えば(仮)日医健診標準フォーマットのような汎用性を具備したデータベースを,構築すべきである.
 
5.住民や作業員への健康支援・人的資源育成等のためのナショナルセンター整備を
 被災した住民や廃炉作業員の健康支援や,放射線汚染環境情報の集積,さらには緊急被ばく医療体制を整えるための人的資源育成等の,中心的機能を担うナショナルセンターを,いわき市における誘致要望にも留意し,設置すべきである.
 
6.健康権の概念を尊重し長期的かつ幅広い視点からの健康支援体制の構築を
 経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約第12条第1項において,「全ての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有すること」,いわゆる「健康権」が認められている.
 健康権の概念に照らした,全国に散在する被災者を含め長期的かつ幅広い視点からの健康支援が必要である.
 命の視点,倫理的視点に立ち,原発サイトや除染で働く作業員の,労働作業環境の管理,健康管理・健康支援,緊急被ばく医療体制の整備,関係者の知識共有と理解,そして住民参加による政策やシステムづくりが必要である.
 
(4)「美味しんぼ」と分断の克服
 
◇荒木田准教授「福島で暮らさざるを得ない県民感情に配慮した表現を求めた。」朝日新聞5月21日。
 
◇作者も登場人物も政府が被災地居住者、避難者双方の健康支援、被害の補償等につききわめて消極的であること、ひたすら帰還を進めようとしていること、そしてそのことが真実を隠し、「調べない・知らせない」という態度と結びついていることにつき是正を求めている。
 
◇同時に、作者も登場人物も、被災者同士が考え方の違いによって対立したり、分断されたりしてしまっていることを悲しく思っている。
 
◇被災者らが健康異変を感じているのであれば、それについてよく聞き、調べ、原因を探り、対策を立てるべきだ。それが医学・医療の倫理にのっとった態度だろう。また、そのように住民の懸念に応じていくことで、政府や県も信頼を取り戻すことができるし、住民が判断に迷って対立したりする要因を弱め、住民の分断を克服する助けとなるだろう。

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鼻血問題を通じて考える…西尾正道さん(北海道がんセンター名誉院長)

5/23に開催された美味しんぼ集会の際の、西尾正道さん(北海道がんセンター名誉院長)の配布資料です。

<PDF版のダウンロードはこちら> 

「不溶性の放射性微粒子が、鼻・喉頭・口腔・咽頭など広範囲に付着すると影響は強く出る」「鼻血を出しやすいキーゼルバッハ部位は空気中のダストが最も集積しやすい場所」などと指摘しています。
 
<参考>
美味しんぼ「鼻血、医学的根拠ある」 専門家ら反論会見 - 朝日新聞(デジタル)

【ご一読を】福島のお母さんより…「美味しんぼ」には福島への愛があふれている/「風評だ」というのならば、きちんとした調査を

 
5/23に開催された<緊急集会「タブー化」していいの?被ばくと健康~「美味しんぼ」騒動を考える>に、スカイプでお話しをされた伊達市にお住まいのお母さん。
本質をついたとてもよいお話でした。ポイントは
 
・「美味しんぼ」の「福島の真実」は、福島の愛があふれていて、読んでいて懐かしくなった。
 
・風評被害を助長したのは、むしろ政府の反応。
 
・政府が調査をして批判しているのかと思ったが、そうではない。県民健康管理調査の基本調査には、体調の変化についてきくような欄はない。
 
・国は線量できめつけるのではなく、きちんとした健康調査を。
というものでした。以下全文を記載します。ぜひご一読ください。
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 今回の美味しんぼの騒動で私が一番驚いたことは、政府官僚からの抗議の声です。
漫画の表現が、どうしてここまで問題視されるのかが理解できませんでした。
私は福島県庁からの抗議文がなかったらこの話題はよくわかっていなかったかも知れません。
 
この騒動のお陰で、「福島の真実」を読むことができました。とても愛情溢れる内容で懐かしい郷土料理や福島の海や山の幸が描かれていて本当に懐かしくあの頃には戻れないと思うとこの本は永久保存版だとも思いました。
 
話をもどしますが、どうせ鼻血がでたといってみても因果関係は認められないことは自分でもよくわからなかったからです。
 
私の息子の事故後半年で数回鼻血をだしました。その後鼻血以外でも心配なことが何度もありました。
 
しかし、この騒動が風評被害助長させたということでまた騒ぎになっているわけですが、
 
いつもなら、いくらネットで話題になったとしてもこんなに社会問題にまでなることはなかったと思います。
 
官僚や福島県庁から抗議が次々にだされましたね。
風評被害を助長させたのは作者ではなく政府や行政だと私は思っています。
 
でも福島県から抗議文がでましたので、調査しているのかとも思い県庁に電話して聞いてみました
 
担当者からは「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」をしているということを言われました。
 
「県民健康調査の基本調査は、いまだに25.9%しか回収できていませんし、その基本調査の中には体調の変化や、健康について書く欄ももありませんし他の検査の問診にも入っていません
 
なのにどうやって県民の健康状態を把握できているのでしょうか。できていないのに抗議文を送ったのならば、これは問題ではないのでしょうか?
 
担当の方には、鼻血だけではなく健康調査をすることを望みますと要望しました。
これは医療機関にではなくて住民直接にです。
行政でも、各健康相談窓口もありました。NPO団体でも健康相談会など行われていました。
 
是非今までの調査を集計してもある程度把握できますし、もちろん内容を公表するべきではないでしょうか?
 
私も事故後福島県内で暮らしてきてまだまだ不安や疑問がたくさんあります。
でもなかなか言えないんです。特に県内や身近な人、お医者さんには聞けないんです。
 
私以外にも、家族の健康に不安を持っている方は多くいらっしゃることに今回改めて確認いたしました。
これは是非国を挙げて調査をするべきことだと思います。
 
過去のデータや知見で判断することは切り捨てに過ぎません。
今起きていることにちゃんと目を向けてください。
 
今調査しないと、またうやむやになってしまいます。
線量だけでの決め付けでは、今後なんにも解明できません。
 
個人線量計の数値にはかなり疑問があります。
 
これは不安を煽るとかそんな初期的なレベルではありません。
 
現実をしっかり把握するための大切な調査になると思います。
 
風評被害という言葉を使うのならば政府はや県はしっかりと情報を出し、現地を歩いて調査をしてください。
 
何度もいいますが、この調査は医療機関での調査ではなく私たち一人一人にお願いしたいです。
 
被ばくとは直接関係がなくても事故によっておきていることだと認識して謙虚な態度で臨むことが一番大切ですし安心につながることだと思います。
そうしないと私たちはいつまでたっても宙ぶらりんのままです。
 
どうぞよろしくお願いいたします。

2014年5月20日 (火)

緊急集会:「タブー化」していいの?被ばくと健康~「美味しんぼ」騒動を考える

「美味しんぼ」騒動、みなさまはどうお感じになりましたでしょうか?
また、肝心の「福島の真実」はお読みになったでしょうか?
最新号の「ビッグコミック・スピリッツ」では、たいへん読み応えのあるものになっています。
今回の美味しんぼ論争に関するさまざまな意見が掲載されており、編集部の見解も掲載されています。ぜひご一読ください。
 
さて、「美味しんぼ」に関して、巷でさまざまな議論が巻き起こること自体は有益なことだと思う反面、鼻血というきわめて狭い範囲での「切り取り」が行われ、事実鼻血を訴える人が少なからずいるという事実を無視して、政府や一部マスメディアからのバッシングが続いたことは、たいへん残念なことだと考えています。
 
これにより、福島や周辺に暮らす人たちが、健康の異変を訴えることもできない、一種異様な空気がますます強くなってしまったことを憂慮します。
 
このたび、「美味しんぼ」騒動にみる、言論の自由や科学のあり方、また、果たして「鼻血」は被ばくとは「因果関係がない」と言い切れるのか、福島に暮らす人はどのように考えているのかについて、集会を開催します。
 
ぜひご参加ください。
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緊急集会:タブー化していいの?被ばくと健康
~「美味しんぼ」騒動を考える
日時:5月23日(金)14:00~16:00
※13:40から、ロビーにて入館証を配布します。
 
場所:参議院議員会館講堂(最寄駅:東京メトロ・永田町)
内容:
・鼻血論争について
・言論の自由と「美味しんぼ」問題
・低線量被ばくと科学の役割
・福島からの声
・避難者からの声
 
発言者:
西尾正道さん/北海道がんセンター名誉院長
海渡雄一さん/弁護士
崎山比早子さん/高木学校、元国会事故調委員
島薗進さん/上智大学神学部特任教授・グリーフケア研究所所長
福島から東京に避難されたお母さん
福島・伊達にお住まいのお母さん…電話にて
満田夏花/FoE Japan
 
申込みは下記のフォームから
 
資料代:600円 (遠方からの講演者の交通費のため、カンパを募集中です)
 
主催:美味しんぼ集会実行委員会
 
問い合わせ先電話090-6142-1807/E-mail:XLA07655@nifty.com
 
※「美味しんぼ」応援署名実施中!

2014年5月15日 (木)

「住宅の無償供与の延長を」…原発避難者の痛切な訴えをきいてください!

原発事故の被害者なのに、なぜ、肩身狭くくらしていかなければならないのでしょうか?
 
原発事故さえなければ、故郷から離れることもなく、普通の生活をしていたはずの避難者が、いままた避難先の生活の礎までを奪われなければならないのでしょうか?
 
「一年先の住居がどうなっているのかもわからないのに、生活の再建などありえない」
 
避難者の言葉が胸にささりました。
私たちは、引き続き、行政への働きかけを通じて、この問題に取り組んでいきます。
みなさんも、ぜひ関心を持ち、行政をプッシュしていただければ幸いです。

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(写真上:福島から北海道に避難した、伊藤ご夫妻と赤ちゃん)
 
原発事故による避難者の多くは、現在、災害救助法に基づく借上げ住宅制度を利用しています。仮設住宅だけでなく、公営住宅や民間の住宅を仮設住宅とみなして、避難先の都道府県が借上げ、避難者に提供するというもの。その費用は国および避難元自治体が負担します。この制度は、1年おきの小刻みの延長が決定される仕組みとなっており、現在の延長期限が来年の3月に迫っています(現在、国と福島県などが協議中)。
 
避難者にとって、住宅は避難の命綱。支援が打ち切られれば、帰還せざるをえない人もたくさんいます。すでに、無償住宅供与が打ち切りになった人もいます。
 
避難者住宅:無料打ち切り 元の住所、線引き曖昧 毎日新聞
 
そんな中、「子ども・被災者支援法ネットワーク」は、5月14日、原発事故被害者の住宅確保を求める集会を開催しました。
 
集会には、原発事故が原因で、福島から北海道、大阪、東京、埼玉、新潟に避難した方々が参加。現在の窮状を語り、「住宅供与が今にも打ち切られるかもしれないという状況では、生活の再建など、おぼつかない。無償で長期の住宅支援を」と訴えました。
 

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東京に避難しているましこりかさんは、「周りですでに、無償供与を打ち切られた人もいる。明日は我が身と感じている」と語りました。
 
同じく、東京に避難している鴨下祐也さんは、住宅の長期無償提供の必要性を訴え、現在、子ども・支援法の基本方針に盛り込まれている「公営住宅の入居の円滑化」(有償)では、問題の解決にならず、経済的に困窮している避難者にとっては、帰還せざるをえない状況となっていまうと発言しました。
 
また、大阪に避難している男性は、「単身で市営住宅に入居しているが、半年ごとに更新手続きがあり、単身での入居は好ましくない。というようなことを言われる」と語りました。
 
埼玉県に避難している冨永まゆみさんは、「戻る家はありません。今後どうしたらいいのかわかりません。しかし、自主的避難者はただでさえ肩身が狭い想いをしている。ご迷惑をかけている、という意識があります」と語りました。
 
北海道札幌市に避難してから結婚し、子どもができた伊藤慈さん・孝介さんご夫婦。ちかさんが入居した民間借り上げ住宅は単身用だったので6畳+キッチンでした。今は夫婦と赤ちゃんでここに住んでいます。「借上げ住宅制度」は、災害救助法に基づく制度で、借り換えが認められていないのです。
新潟県に避難している磯貝潤子さん。震災から一年間は郡山に住み続けていましたが、子どものために避難を決意。いままでの生活を失ってしまいました。「今また、避難先の住宅も奪われてしまうのか。自主避難をせざるをえなかった私たちの暮らしを守ってほしい」と訴えました。
 
北海道に避難している中手聖一さんは、「来年、住宅がどうなっているかもわからない状態。子どもにこれ以上、引っ越しを強いたくない。(国に)お願いするのに疲れたが、子どもの将来がかかっている」と語りました。
 
基調講演を行った津久井進弁護士は、避難者の置かれている状況と現在の住宅支援の問題点、大阪府営住宅の避難者に、「緊急避難措置の趣旨を踏まえ、定められた期限までに必ず退去します」という誓約書が送られてきた例を紹介。
 「避難者は、心細い、申し訳ない、肩身が狭いと思っているようだ。しかし、彼らは、原発事故の被害者。住宅の支援は、彼らが受ける当然の権利だ」と強調しました。
津久井弁護士のパワポ資料(PDF)はこちらからダウンロードできます。わかりやすく本質をついているので、ぜひご覧ください。
 
新潟市議会議員の中山均さんからは、受け入れ自治体によって対応に差異が生じている実態について報告がありました。
 
また、「子ども・被災者支援法市民会議」の事務局をしているFoE Japanの満田から、市民や被災当事者が求めてきた借上げ住宅制度の長期延長や借り換えを認めることを求めてきたのに、それが原発事故子ども・被災者支援法の基本方針に盛り込まれなかったこと、現在、政府が進める「公営住宅の入居の円滑化」について紹介しました。
 
最後にJCN代表世話人の栗田暢之さんが、「何の落ち度もない市民が自らの選択で避難した。それなのに、こんな不正義があっていいのか。被災者が絶望してしまうことが一番こわい。みんなで支えるから、絶望しないで。一緒に取り組みましょう」と訴えました。
 
集会では、8人の避難者のみなさんが発言されました。いずれも心打つお話で、涙なしにはきくことができませんでした。勇気を振り絞って発言した避難者の方々に心より御礼申し上げます。
 
なお、集会には、日本維新の会の高橋みほ議員、生活の党の小宮山泰子議員、衆議院議員の阿部知子議員、参議院議員の平野達男議員、新党改革の荒井広幸議員、結の党の川田龍平議員、民主党の玄葉 光一郎議員、新党ひとりひとりの山本太郎議員が出席しました(もれがあったら申し訳ありません!)
 
詳細な報告および資料は、後日、公開予定です。                               (満田夏花)
 
YouTube画像
20140514 UPLAN 原発被災者の住宅確保を求める院内集会
 
 
 
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NHK「避難者用住宅の入居期限延長訴え」

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オルタナ「住宅無償貸与の長期継続を」原発避難者ら訴える
 
福島民友「仮設入居延長へ協議 15年4月以降未定で国と県」

2014年5月13日 (火)

5/26 eシフトセミナー 「原発事故子ども・被災者支援法」と「避難の権利」

 
☆ 5/26 eシフト セミナー ☆
「原発事故子ども・被災者支援法」と「避難の権利」
 
>ちらし 140526_flyer
 
6月21日で、原発事故子ども被災者支援法の成立(2012年)から丸2年です。
事実上「避難の権利」を認めた同法の成立は、市民運動の成果の一つでした。
しかし、その後1年以上、具体的な施策に向けた動きは止まり、ようやく出された基本方針は骨抜きのまま閣議決定・・・。
 
これまでの経緯を振り返り、住宅支援、健康診断、保養など、被災者をとりまく現在の状況について考えます。
 
日時: 2014年5月26日(月)19:00~21:00
 
場所: パルシステム連合会本部会議室(2F)
新宿区大久保2丁目2-6 ラクアス東新宿(TEL.03-6233-7200)
地下鉄各線「東新宿駅」徒歩約5分]、JR山手線「新大久保駅」徒歩約10分
 
プログラム(予定)
1.「避難の権利」をもとめて…満田夏花(国際環境NGO FoE Japan)
 
2.福島から岡山へ避難して…丹治泰弘(司法書士)
 
3.被災者を取りまく現在の状況…白石草(Our Planet TV)
 
4.パルシステム連合会の取り組み
 
5.今後に向けた課題…阪上武(福島老朽原発を考える会)
 
資料代: 1000円(ブックレットつき)
ブックレットを持っている方は400円
※eシフトブックレットVol.5『「原発事故子ども・被災者支援法」と「避難の権利」』
合同出版 A5版 96ページ、700円(税込)
 
主催・問合せ:eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
 
後援:合同出版、パルシステム連合会

2014年4月22日 (火)

原発被災者の住宅確保を求める院内集会(5/14@参議院議員会館)←参加費無料になりました

原発被災者の住宅確保を求める院内集会

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2014年5月14 日(水) 正午~午後2 時
参議院議員会館講堂


いま,原発避難者の住宅確保が岐路に差し掛かっています。

原発事故から3年を経て,災害救助法の適用打ち切りが懸念される中,全国に散らばった原発被災者が入居する公営住宅やみなし仮設住宅から追い出される例なども実際に発生しはじめています。

近畿地区や首都圏で市民団体が行った自治体の支援状況調査などを元に,避難者をとりまく住宅問題の現状を共有し,安定的な住宅確保を求めることが本集会の目的です。

内容(いずれも予定)
 
(1) 開会挨拶 …田邊 護 日弁連副会長
 
(2) 基調報告 …津久井進弁護士
 
(3) 各地に避難している当事者の訴え(北海道、関西、新潟、首都圏)
 
(5)受け入れ自治体の状況…中山均さん(新潟市議会議員)
 
(4) 国会議員の発言
 
(5) 閉会挨拶
 
資料代:500円参加費無料
 
主催:原発事故子ども・被災者支援法ネットワーク
(日弁連,JCN,市民会議によって構成されるネットワーク)
 
問い合わせ先:
 

問い合わせ先: 日本弁護士連合会人権第二課

 
東京都千代田区霞が関1-1-3
電話 03-3580-9956(直)/-9957(FAX)
E-mail:jfba-saigai-honbu(アット)nichibenren.or.jp 
※(アット)を@に変えて送信してください。

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